昨日の日経新聞朝刊のトップは昨日の日銀の金政策決定会合後の黒田日銀総裁の記者会見をカラ―写真入りで報じていました。
大見出し;脱デフレ半歩前進
小見出し;日銀総裁「物価、着実に改善」
しかし小さい字で始まる記事の最初に書いてあることは、黒田総裁は物価について「若干のマイナスになる可能性も排除できない」です。
こういうのを普通は、看板に偽りありと言います(笑)。クロちゃんもお気の毒ですが、日経新聞もお気の毒さまです。
期限があと1ヶ月に迫った「2年で2倍にして2%」は達成できないことを認めようとしません。エネルギー云々と言い訳しても、エネルギー・食料除きの指数も低下一方で前年比0.4%程度です。彼は一方で2%の達成時期を2年ではなく「15年度を中心とする期間」と微妙な言い回しで修正を始めています。岩田副総裁のようにまず素直に敗北を認めてから、改めて目標を設定し直せばよいのです。
普段は経済統計の発表や要人の発言などにいちいち反応しない私が、何故こうした黒田発言を時々ブログで取り上げるのかといいますと、約束が達成できなかったことを素直に認めない人間は、何をするかわからない怖さがあるからです。
市場関係者は提灯を持ちながら「バズーカ3号」はいつ発射されるかと催促を始めています。クロちゃんにはこれ以上打つ手が残されていないにもかかわらず、市場を驚かすためにきっと次のサプライズを考えているのでしょう。国債をこれ以上買うことはできないし買い取り数字だけ増やしても意味はないので、株式や円安狙いで外貨資産でも買うのでしょうか。しかし政府関係の金融機関や年金を使ってつり上げている株価を日銀がさらに人為的につり上げれば、あとの崩壊はまたまた悲惨なものになります。