今月で私の著書「証券会社がうりたがらない米国債を買え」が出版されて丸3年になります。それを期に著書の内容に沿った投資を3年前に実行していたら結果はどうなっているかをレビューしてみます。
私が著書でお薦めしていたのはもちろん米国債ですが、それだけではリスク分散ができないという方、あるいはもう少しリスクを取ってリターンをという方に向けて3つの代替を提案しています。それらをまとめてレビューしますが、同時にベンチマークとして日本国債や日米の株式に投資したらどうなっているかの比較もしてみましょう。
お薦めは代替を含めて、米国債、バークシャーハサウェイ株、アメリカREIT、豪州国債の4つ。そして比較対象は日本国債、日経平均、NYダウです。債券は金利変動によるキャピタルゲインを加味する場合と加味しない場合を示します。著書の執筆時11年7月末の円ドルレートは81円、豪ドルレートは87円でした。8月8日時点(海外は前日)でのレートはそれぞれ102円と94円とします。
1.米国債・・・著書ではP.211のシミュレーションを参照してください
10年債 金利3.12%で運用開始
複利の運用で金利分は9.7%(3.12%の3乗)
為替差益102/81=125.9%
キャピタルゲインは100⇒107.3%
それらの合計は、100⇒148.2(100X1.097X1.259X1.073)
3年間プラスで48%の運用結果でした。かなりの高率ですね。
30年債、金利4.37%
複利の運用で金利分は13.7%
為替差益は102/81=125.9%
キャピタルゲインは100⇒125.2%
それらの合計は、100⇒179.2
3年間で79%のゲインです。これはもうすごいとしか言いようがない!
10年債、30年債ともに持ち切りを前提とするなら、キャピタルゲイン分を除いてください。それでも10年債でプラス38%、30年債ではプラス43%となります。
2.バークシャー・ハサウェー株(A)
2011年7月末 115,000ドル ⇒ 194,001ドル 168.7%
為替差益は102/81=125.9%
合計 100X1.687X1.259=212.4%
2倍以上、112%のゲインです。なおバークシャー株はたったの一株が2千万円もしますが、もっと安く買えるB株があって、それは現在1株1万3千円程度で買えます。
3.アメリカのREIT(FTSE NAREIT INDEX)
2011年7月末 145.7 ⇒ 176.97 121.5%
為替差益は102/81=125.9%
合計 100X1.21.5X1.259=153.0%
53%のゲインです
4.豪州国債
30年債はないため、10年債のみでみます
金利5.23%で運用開始
複利の運用で金利分は16.5%(5.23%の3乗)
為替差益94/87=1.080% 8%のゲイン
キャピタルゲインは100⇒113.9%
それらの合計は、100⇒143.3(100X1.097X1.08X1.139)
43%のゲインです。償還までの持ち切りを前提にキャピタルゲインを除いても26%のゲインがあります。
では、比較のためベンチマークである日本国債、日経平均、NYダウをみてみます。
①日本国債;10年債の金利は1.18%でした。
金利のゲインは 3.6%
キャピタルゲインは5.4%
合計では 9%のゲイン。キャピタルゲイン除きだと3.6%のゲインです。
②日経平均株価
11年7月末 9.833円 ⇒ 14,778 150.3%
50%のゲイン
③NYダウ
11年7月末 12,143ドル ⇒ 16.368ドル 134.8%
為替差益は102/81=125.9%
合計 70%のゲイン
こうして11年7月末を起点として並べてみると、すべての資産がプラスでマイナスはありませんでした。
・米国債10年 48%
・米国債30年 79%
・バークシャー株 112%
・アメリカREIT 53%
・豪州国債 43%
そして比較対象のベンチマークは
・日本国債 9%・・・為替のロスをドル建てで考えればなんとマイナス13%です
・日経平均 50%・・・為替のロスをドル建てで考えれば19%のゲインです
・NYダウ 70%
ではこの結果をどう評価するか。
私の考え方を率直に述べますと、
「大きなロスを生じる危険性のある株式(REITは株式)で運用してこの程度であれば、リスクを冒す必要などない」となります。超安全な米国債でもたった3年で10年債なら約5割、30年債なら約8割も儲けが出ました。
そして同じ様に一応世間的にはリスクがないとされる日本国債については、
「あそこまで買われているのに、こんな程度のパフォーマンスしかない。だから海外投資家は見向きもしないのだ」となるのです。インカムゲインはほとんどない上に、これ以上のキャピタルゲインも見込めない。これはもうクロちゃんに引き取ってもらう以外に金融資産として価値のない資産なのです。
そしてもう一つ申し上げたいのは、出版時に「そんな低金利の米国債なんか今さら買えないよ」とおっしゃった方々へ、
「かっときゃよかったですね(笑)」
以上
私が著書でお薦めしていたのはもちろん米国債ですが、それだけではリスク分散ができないという方、あるいはもう少しリスクを取ってリターンをという方に向けて3つの代替を提案しています。それらをまとめてレビューしますが、同時にベンチマークとして日本国債や日米の株式に投資したらどうなっているかの比較もしてみましょう。
お薦めは代替を含めて、米国債、バークシャーハサウェイ株、アメリカREIT、豪州国債の4つ。そして比較対象は日本国債、日経平均、NYダウです。債券は金利変動によるキャピタルゲインを加味する場合と加味しない場合を示します。著書の執筆時11年7月末の円ドルレートは81円、豪ドルレートは87円でした。8月8日時点(海外は前日)でのレートはそれぞれ102円と94円とします。
1.米国債・・・著書ではP.211のシミュレーションを参照してください
10年債 金利3.12%で運用開始
複利の運用で金利分は9.7%(3.12%の3乗)
為替差益102/81=125.9%
キャピタルゲインは100⇒107.3%
それらの合計は、100⇒148.2(100X1.097X1.259X1.073)
3年間プラスで48%の運用結果でした。かなりの高率ですね。
30年債、金利4.37%
複利の運用で金利分は13.7%
為替差益は102/81=125.9%
キャピタルゲインは100⇒125.2%
それらの合計は、100⇒179.2
3年間で79%のゲインです。これはもうすごいとしか言いようがない!
10年債、30年債ともに持ち切りを前提とするなら、キャピタルゲイン分を除いてください。それでも10年債でプラス38%、30年債ではプラス43%となります。
2.バークシャー・ハサウェー株(A)
2011年7月末 115,000ドル ⇒ 194,001ドル 168.7%
為替差益は102/81=125.9%
合計 100X1.687X1.259=212.4%
2倍以上、112%のゲインです。なおバークシャー株はたったの一株が2千万円もしますが、もっと安く買えるB株があって、それは現在1株1万3千円程度で買えます。
3.アメリカのREIT(FTSE NAREIT INDEX)
2011年7月末 145.7 ⇒ 176.97 121.5%
為替差益は102/81=125.9%
合計 100X1.21.5X1.259=153.0%
53%のゲインです
4.豪州国債
30年債はないため、10年債のみでみます
金利5.23%で運用開始
複利の運用で金利分は16.5%(5.23%の3乗)
為替差益94/87=1.080% 8%のゲイン
キャピタルゲインは100⇒113.9%
それらの合計は、100⇒143.3(100X1.097X1.08X1.139)
43%のゲインです。償還までの持ち切りを前提にキャピタルゲインを除いても26%のゲインがあります。
では、比較のためベンチマークである日本国債、日経平均、NYダウをみてみます。
①日本国債;10年債の金利は1.18%でした。
金利のゲインは 3.6%
キャピタルゲインは5.4%
合計では 9%のゲイン。キャピタルゲイン除きだと3.6%のゲインです。
②日経平均株価
11年7月末 9.833円 ⇒ 14,778 150.3%
50%のゲイン
③NYダウ
11年7月末 12,143ドル ⇒ 16.368ドル 134.8%
為替差益は102/81=125.9%
合計 70%のゲイン
こうして11年7月末を起点として並べてみると、すべての資産がプラスでマイナスはありませんでした。
・米国債10年 48%
・米国債30年 79%
・バークシャー株 112%
・アメリカREIT 53%
・豪州国債 43%
そして比較対象のベンチマークは
・日本国債 9%・・・為替のロスをドル建てで考えればなんとマイナス13%です
・日経平均 50%・・・為替のロスをドル建てで考えれば19%のゲインです
・NYダウ 70%
ではこの結果をどう評価するか。
私の考え方を率直に述べますと、
「大きなロスを生じる危険性のある株式(REITは株式)で運用してこの程度であれば、リスクを冒す必要などない」となります。超安全な米国債でもたった3年で10年債なら約5割、30年債なら約8割も儲けが出ました。
そして同じ様に一応世間的にはリスクがないとされる日本国債については、
「あそこまで買われているのに、こんな程度のパフォーマンスしかない。だから海外投資家は見向きもしないのだ」となるのです。インカムゲインはほとんどない上に、これ以上のキャピタルゲインも見込めない。これはもうクロちゃんに引き取ってもらう以外に金融資産として価値のない資産なのです。
そしてもう一つ申し上げたいのは、出版時に「そんな低金利の米国債なんか今さら買えないよ」とおっしゃった方々へ、
「かっときゃよかったですね(笑)」
以上