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日本株の先行きをどう見るか

2013年09月09日 | 2013年からの資産運用
  オリンピック、東京開催が決まりましたね。生きているうちにまた見ることができるなんて、ラッキーです。アベノミクスにも追い風になるでしょう。

  さて、今回のシリーズが始まった年初以来、私はみなさんとともにアベチャン指数を見てきました。アベチャン指数とは私が勝手に名付けた、株価の変動率と円ドルレートの変動率を並行してみているだけのものです。昨年の11月13日、解散宣言と同時に安倍氏が新政策を打ち出した時点を起点にしています。

  ちょっと指数の推移をレビューしておきましょう。( )内%は昨年11月13日対比です。 
         解散                黒田氏就任
        11月13日   2月28日       4月3日      5月8日 
日経平均  8,661円   11,559円(33%)    12,362(43%)   14,285(65%)
円レート   79円     92円 (16%)      93円 (18%)     99円 (25%)

        バーナンキ発言     安値         先週末
         5月22日        6月13日        9月6日
日経平均   15,627円(80%)    12,445円(44%)    13,860円(60%)
円レート     103円(30%)      94円(19%)       99円(25%)


  株価はバーナンキ発言寸前に15,600円台、80%高をつけたのがピークドルレートもほぼ同時に103円、30%高がピークでした。株価はその後大きく反落し6月中旬には上げた分のほぼ半分が帳消しになりました。その後は私が前回指摘した居心地のよいPER15倍近辺で推移しています。

  では為替と株価の関連性を考えてみます。私は昨年11月以来、株と為替がカップリングして動いていると申し上げてきました。それは現在でも変わりません。株価を毎日見ている方なら気が付くと思うのですが、ちょっと為替が動くと株価はそれをフォローしてほとんど並行して動いています。統計学風に言えば、「為替が株価を決める変数で、大きな決定力を持っている」となります。

  これは今回の相場の初めからそうであったのか、今一度見ておきます。上記の数値のうち2月末の上昇率%に注目すると、株価の上昇率はドルの上昇率16%の2倍程度、33%でした。ところがクロちゃんが日銀総裁に就任した4月3日あたりから、株価が為替変動の2倍を大きく超えて動き始めたのがみてとれます。暴落直前の5月22日には、株価80%、ドル30%でした。倍率は2.7倍に達していました。それが直近、先週末の倍率は2.4倍になっています。為替の影響度にも波があるようです。

  もし日本の上場会社のほとんどが輸出で食べているなら、常に為替変動が株価変動の決定要因だ、と言えるかもしれませんが、当然輸出で食べている会社ばかりではありません。

  それでも昨年11月以来、為替が常に株価を動かしている重要な要素であることは事実だと思いますし、カップリングは今でも続いています。

  では、為替は何によって動いているのでしょうか。それがわかれば株価の先行きが予想できる?

「アーー、数字ばかりで頭がハチ切れそうだよ」と声が聞こえますので、今日はこのへんまで。

  為替と株価、いくらでも追及の価値はあるのですが、次回はあまり深入りせずにまとめに入るつもりですので、しばしの我慢を(笑)
コメント (5)
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