本題にもどります。
前回の本題の記事では株式相場を左右する要因として大きく以下の3つのカテゴリーをあげました。
1.ファンダメンタルズ(企業収益、為替・金利動向など)
2.投資家別売買動向
3.政策
そのうちで最も重要な要素は企業収益だと述べました。理由はもちろん将来の企業収益を現在の価値に割り引いたものが理論株価だからです。現実の株価は理論通りに動くとはかぎらないことは申すまでもありませんが、それでも重要性にかわりありません。
しかしこの割引現在価値を計算するのは面倒ですし、割引率を何%にするかで理論株価は変わってしまいます。それを回避して、簡便な形にしたのがPER(株価収益率)と呼ばれる指標です。この指標は歴史的には15倍程度が世界的な平均値です。
歴史的に見ると日本株はこれまで一様に15倍よりはるかに高く買われてきました。しかし最近のように海外の投資家が市場取引の6割を占めるようになると、世界のスタンダードが日本株にも適用され、割高割安の目安になっています。
そして日経平均を構成する225社のPER(株価収益率)は現状で15倍程度であると前回申し上げました。現在でもそんなところです。
ではこの数字はどこで見ることができるかと申しますと、日経新聞の株式欄の「東証・ジャスダックの投資指標」という欄に毎日出ています。これは個別企業の発表している今期末の1株当たり収益予想と現在の1株の価格を比較し、225社を集計した倍率で、証券会社などが勝手に収益を予想しているものではありません。恣意性がないという意味ではフェアーかもしれませんが、証券会社などの予想収益は先行きの様々な要素を取り入れているので、それなりの意味はあると思います。
新聞を見ていない方には、ネットでは「アセット アライブ株式情報」という以下のサイトがありました。(日経新聞のオンライン情報サイト内では見つけることができませんでした。)
http://www.asset-alive.com/nikkei/fundamental.php
ではこのPER数値がすべてかといいますと、株価はそんな単純なことは割りきれません。投資家によっては予想収益自体を企業予想や市場のコンセンサスより強気に見ることもあれば、弱気にみることもあります。今年だけを見ても最高値は20倍を超えた局面もありました。
しかしそうした高い倍率に買われた株価は、やはり平均値まで売られることが多く、現在のレベルに戻されてしまいました。日本株のバブル時はそれが60倍くらいまで買われ、見事に破裂しました。バブル当時は海外投資家の占める割合が低く、影響力はほとんどありませんでした。日本という国は国内の妙な考え方だけで突っ走ると、ろくなことはありません。私が警鐘をならしている日本の財政問題も同様で、「破綻などありえない」という妙な主張がまさにそれに当たります。
ではPERの基礎になる企業業績の先行きを私がどうみているかについてです。
しばらくは楽観的にみています。昨年のアベノミクス発表以来、企業は収益予想を発表のたびに上方修正しています。しかも2-3か月前にも指摘しましたが、今期の企業による為替見通しは平均的には93円台に据え置かれたままで、実態はそれより数円円安で推移する可能性が高いと思われるからです。すると期末の企業業績は自然に上方にぶれる可能性が高いのです。
いま一つの要素は、消費税の値上げを見込んだ駆け込み需要の存在です。ただしこれはその後に先取り需要の反動がありうるため、あまり強調して見る必要はないかもしれません。
ということで、「企業収益から見た株価は、まだ上ブレの可能性を残している」、というのが私の見方です。それがどの程度になるかは、次回のテーマであるファンダメンタルズでもう一つ重要な要素である為替レートに直接かかわりますので、次回にまわします。
前回の本題の記事では株式相場を左右する要因として大きく以下の3つのカテゴリーをあげました。
1.ファンダメンタルズ(企業収益、為替・金利動向など)
2.投資家別売買動向
3.政策
そのうちで最も重要な要素は企業収益だと述べました。理由はもちろん将来の企業収益を現在の価値に割り引いたものが理論株価だからです。現実の株価は理論通りに動くとはかぎらないことは申すまでもありませんが、それでも重要性にかわりありません。
しかしこの割引現在価値を計算するのは面倒ですし、割引率を何%にするかで理論株価は変わってしまいます。それを回避して、簡便な形にしたのがPER(株価収益率)と呼ばれる指標です。この指標は歴史的には15倍程度が世界的な平均値です。
歴史的に見ると日本株はこれまで一様に15倍よりはるかに高く買われてきました。しかし最近のように海外の投資家が市場取引の6割を占めるようになると、世界のスタンダードが日本株にも適用され、割高割安の目安になっています。
そして日経平均を構成する225社のPER(株価収益率)は現状で15倍程度であると前回申し上げました。現在でもそんなところです。
ではこの数字はどこで見ることができるかと申しますと、日経新聞の株式欄の「東証・ジャスダックの投資指標」という欄に毎日出ています。これは個別企業の発表している今期末の1株当たり収益予想と現在の1株の価格を比較し、225社を集計した倍率で、証券会社などが勝手に収益を予想しているものではありません。恣意性がないという意味ではフェアーかもしれませんが、証券会社などの予想収益は先行きの様々な要素を取り入れているので、それなりの意味はあると思います。
新聞を見ていない方には、ネットでは「アセット アライブ株式情報」という以下のサイトがありました。(日経新聞のオンライン情報サイト内では見つけることができませんでした。)
http://www.asset-alive.com/nikkei/fundamental.php
ではこのPER数値がすべてかといいますと、株価はそんな単純なことは割りきれません。投資家によっては予想収益自体を企業予想や市場のコンセンサスより強気に見ることもあれば、弱気にみることもあります。今年だけを見ても最高値は20倍を超えた局面もありました。
しかしそうした高い倍率に買われた株価は、やはり平均値まで売られることが多く、現在のレベルに戻されてしまいました。日本株のバブル時はそれが60倍くらいまで買われ、見事に破裂しました。バブル当時は海外投資家の占める割合が低く、影響力はほとんどありませんでした。日本という国は国内の妙な考え方だけで突っ走ると、ろくなことはありません。私が警鐘をならしている日本の財政問題も同様で、「破綻などありえない」という妙な主張がまさにそれに当たります。
ではPERの基礎になる企業業績の先行きを私がどうみているかについてです。
しばらくは楽観的にみています。昨年のアベノミクス発表以来、企業は収益予想を発表のたびに上方修正しています。しかも2-3か月前にも指摘しましたが、今期の企業による為替見通しは平均的には93円台に据え置かれたままで、実態はそれより数円円安で推移する可能性が高いと思われるからです。すると期末の企業業績は自然に上方にぶれる可能性が高いのです。
いま一つの要素は、消費税の値上げを見込んだ駆け込み需要の存在です。ただしこれはその後に先取り需要の反動がありうるため、あまり強調して見る必要はないかもしれません。
ということで、「企業収益から見た株価は、まだ上ブレの可能性を残している」、というのが私の見方です。それがどの程度になるかは、次回のテーマであるファンダメンタルズでもう一つ重要な要素である為替レートに直接かかわりますので、次回にまわします。