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日本財政と日本国債、コメントへの回答です

2013年09月03日 | 2013年からの資産運用
みなさんからのコメント、ありがとうございます。

数字にはやはり説得力があるようですね。これからも数字で行きましょう!

では早速ですが、お二人への回答です。


鋼鉄の男さんへ

>累積債務の対GDP比率が200%超。
これも大事な数字ではないでしょうか。


そのとおりだと常識的には思います。ただ鋼鉄さんが指摘されているように、何%からヤバイという基準がないので、説明は難しいですね。ギリシャがヤバイと言われ始めたのは、日本の半分程度の率の時からです。私がお示ししたように収入と、支出・累積借金の大きさを比較すると、ヤバさの実感が伴いますよね。

>私の考えでは、この200%超を少なくさせられれば、日本の財政は健全化に向かってる! という向きが増えるように思います。

そのとおりですね。そのためには実質20兆円しかない収入を65兆円に増やさないといけませんよね。できるかな?

>もちろん、きっちり累積債務が減らないと健全化されたとは言えませんが、理屈の上では、累積債務が減らなくとも、現状維持で、かつGDPを増大させられれば、累積債務の対GDP比率は下がります。GDP増大の要因は、成長戦略、インフレでしょう。これらが引いては、累積債務減少に寄与するように考えます。

プライマリー・バランスを取ろうという考え方は、これに該当します。プライマリーバランスを取るには、先ほどの収入増が必要です。支出減もちょっとは貢献するでしょう。
しかし日本の場合、プライマリーバランスがとれても毎年金利分の10兆円以上が確実に累積してしまうのが難点です。要は借金が莫大すぎるのです。
それとインフレには金利上昇がつきものであることもお忘れなく。

>日本国債を外国人に買ってもらえば良いとも思っています。日本国債を外国人にとって魅力的な商品にするためには、金利上昇と円安を両立させれば良いのではないでしょうか。

いままではリスクとリターンがマッチングしていないので、買ってくれませんでした。リターンが例えば10年債で5%になったらどうか。勝負してくる外人がいるかもしれません。しかし残念ながら外人が投資する前に日本の機関投資家(金融機関)が大手銀行を除いてすべて即破綻してしまいます。日本国債の金利上昇とは金融機関の破綻と同義語なのです。

それと鋼鉄さんの文章に「金利上昇と円安」とありますが、これは「円高」の間違いですか?

円安だと外人は損しますからヘッジでもしないと買ってもらえません。株と違いヘッジコストが金利を喰ってしまい、採算は取れなくなります。株はヘッジコストよりはるかに高いパーセンテージで上昇する可能性があるので、ヘッジしても採算が合うのです。

ですので、「バンザーイ」とは簡単にはいかないようです。



ただの個人投資家さんへ

>ただ、外国にある資産は計上しないのですか?何百兆円あると聞いてます
10年20年じゃ破綻するレベルではない聞いたこと有ります!

そんなの無知な人の言うウソです(笑)

先日も同じことを申しましたが、海外資産を持っているのは国ではなく、個人や企業です。それを収奪するのですか?どうやって?みなさんが持っている米国債を収奪されてもいいんですか?

以上、林からの回答でした。
コメント (8)
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