ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

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初歩の投資教室 その3

2012年08月07日 | 初歩の投資教室

  前回の記事に、ななしさんからコメントがつき、投資損益の状況を公開していただきました。みなさんの参考になるかと思い、お許しも得ず本文に掲載させていただき、林のコメントをつけてみます。


<引用>
損切しないとトホホの結果だよん(^_^;) (学習能力ゼロのななし)
2012-08-06 21:59:09

林様、ちょうど良い機会でしたので私のトホホな投資を計算してみました

株式です

ソニー=124万(購入額)-9万(現在評価額)=マイナス115万円(これは初めての株購入で購入したことも忘れていたのだ・・痛い話です)素人に株は無理と次に投資信託に手を出す(爆) でもその後の投資金額がいちいちセコイわ~さすが主婦!

投資信託です
①ピクテグローバルインカム購入額50万円
現在評価額18万、分配金合計16万貰ったのでトータル現在マイナス16万円

②三井住友リートプラス購入額50万円、結局損切した。売却額が14万円でしたのでトータルマイナス36万円

③グローバルソブリン購入額100万、現在評価額59万、分配金計35万貰ったのでトータル現在マイナス6万円

④新興国ハイイールド債通貨選択型(ブラジル)
購入額50万、現在評価額31万、分配金13万貰ったのでトータル現在マイナス6万円

⑤短期豪ドル債オープン購入額200万、現在評価額161万、分配金51万貰ったのでトータルこれだけがプラス13万円


総投資金額はトータル575万
現在評価額(現在基準価格×口数)+今までの分配金貰った分=408万

株と投資信託でトータル167万円損してます。

あっ!たった今思い出した!豪ドルのノックインは出始めた頃に数回続けて勝ったけど・・段々ノックインバリア―の条件の提示が悪くなってきたので胸糞悪くて辞めた。

欲の皮が突っ張っているのを、自分自身のお勉強の為にとかいう理由で株や投資信託に足を突っ込みましたが結果はご覧のとおり悲惨な結果(爆)

しかし主婦のおこづかいだし~、借金して買ったわけではないし~、大火傷とは程遠いし~、家族健康だし~けっこう損切大事って気づいたし~(・・だから学習能力が無いっちゅ~の!)

一番良かったのは林さんブログと出会えたことかな^^
債券の事知って辞めるきっかけにもなったし~~

そんな事よりも日本国債はあと何年大丈夫なのでしょうか?
それ心配ですよ!

みんなで貧乏になれば怖くないかな?

教えて!林様

<引用終わり>


  おやー、お久しぶり。
お元気そうでなによりです、ななしさん。
といってもしっかりとチェックしてくれていたんですね。

  公表しづらいご自分の投資損益を、先頭切って公開していただき、ありがとうございます。

  林からななしさんへのコメントです。


ななしさんの損益率を単純に計算すると

損失額167万円 ÷ 投資総額575万円 = 29%


前回のアンケート調査結果と同様、絵にかいたような3割損失ですね(失礼)!
それと、調査結果の3番目にある
「3 株式投資家の7割は失敗し、半値以下に」

これにも該当です。

  全体収支については、何故か3割くらいの損失の人って多いんですよね。みなさんそれぞれ違うものを買っているのに。
  ななしさんもそんなに悲観する必要はありませんよ、平均像ですから。なんて、なんの慰めにもなりませんね。

では、ななしさんの投資に若干コメントしてみます。

  投資は現物株式、リート、株式投信、債券投信と分散されています。林流、リスクの多寡で分類をしてみると、

A.高リスク;ソニー株式、ピクテ・グローバル・インカム(株式)投信、新興国ハイイールド債通貨選択型(ブラジル)、三井住友リートプラス

B. 中リスク;グローバル・ソブリン、短期豪ドル債オープン

C. 低リスク;なし


となります。

  ここで言うリスクとは主にデフォルト、価格変動、為替変動です。うまくいけば儲かり、うまくいかないと当然損する。Aはいずれもリスクとリターンが見合うとは思えないほどリスクが高い商品です。
  債券をお薦めする林ですが、新興国ハイイールド債はバクチに近いので、債券とは言い難いのです。Bはリスクはさほど大きくないのに、グロソブはきっと運用がヘタなので成績がイマイチなのでしょう。

  ななしさんの投資先の中で私が著書でも「お薦め」の中に入れているのに近いのは、唯一「短期豪ドル債オープン」ですね。私は米国債の代替、もしくは分散先として豪ドル債を薦めました。為替変動は大きいのですが、デフォルトリスクが小さく、金利が高いからです。ななしさんの投資先でも偶然ですが唯一プラスがでていますね。投信の一般評価でも、この投信はいつも高い点をもらっています。これなら継続保有もかまわないと思います。高格付け短期債が投資対象ですので、債券としての価格変動も比較的少ないのが安心です。

こんなところが、林のコメントです。日本国債の件はまた別途。

(注意)債券の現物投資と債券投信では全くリスクは違います。おいおいその説明をしていきますね。
コメント (4)
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