前回は、東電の債券について私の見方をお伝えしました。コメントをいただいたエディーラブさんは、投資をされたのでしょうか?
今回はAさんが証券会社のセミナーに出席したときの経験を語ってくれましたので、その様子を実況中継します。
Aさんへのセミナーの案内は、2通りあります。一つはAさんが口座を持つ支店でのセミナー、もう一つは証券会社本社が多くの顧客を集める本社主催セミナーです。Aさんはセミナーの案内がくると、勉強がてらほとんどのセミナーに出席していたそうです。
そこで使われた資料をいくつか拝見しました。資料は大きく分けて二つあり、経済と市場動向についてと、特定の売れ筋商品もしくは新商品のセミナーです。経済動向といいながらも資料の最後には必ず特定の推奨銘柄が載っています。
実況中継は本社主催の大セミナーです。開催曜日は土曜日、場所は東京駅近くの高層ビルで、会場には1千人近くが入っていたようだ、とのこと。Aさんが驚いたのは客層、それも年齢層です。
Aさんのざっとした推定ですが、全体の8割ほどが60歳以上。そしてその半分近くが70歳以上、つまり全体の4割近くが70歳以上だったそうです。さらにもしかすると80歳以上の人も2割近いのではないか、足がおぼつかない高齢者もかなりの人数がいた、とのこと。
あとの2割の内訳は、40歳代・50歳代の現役のビジネスマン・ビジネスウーマンがほとんどで、それより若い人は皆無だそうです。
週末開催の割に全体の4割が70歳以上というのはかなりショックな数字ですが、Aさんの出席している支店の平日セミナーでは、8割が70歳以上で、自分と同世代のリタイアしたての60歳代の人にはあまりお目にかかったことがないとのこと。
いったい高齢者の方は暇なのでセミナーに来るのか、資産運用が本当にしたくてセミナーにくるのか、その答えはのちほど。
セミナーは前半が証券会社の看板エコノミストによる経済動向と相場の見方。相場といっても株式相場のみで、債券の話はほとんどなく、為替の相場については経済動向の中で見通しがあったそうです。
それで、エコノミストは今後の経済をどう見ているの?という私の質問に対しては、「いやー、アメリカだ欧州だ新興国だと次から次へと出てきて、何が言いたいのかようわからん。日経新聞を毎日全部読むくらいな人じゃないと、ついていけないと思うよ」とのこと。
実際の資料を見せてもらうと、それこそ私が投資銀行時代に作成し、プロの顧客との話で使った資料と同じような内容で20ページ以上あり、金・石油・その他の商品相場の話まで網羅されています。
しかもチャートはカラーの線が何本も入り乱れ、同じ様な色が絡まり合い複雑怪奇で読みとれません。相場の話になればVIX指数などまで持ちだし、とても8割を占める60歳以上の方々が理解できるようなしろものではありませんでした。
前半が終わると別の部屋でお茶とお菓子が用意されていて、「ご自由に」というのですが、おじいちゃん・おばあちゃんでごったがえしている上に、すさまじい食べっぷりに圧倒され、ろくにありつけなかったとのことです。Aさんの印象では、おじいちゃん・おばあちゃんの目的の半分はこのお茶菓子にあるんじゃないか、というくらいすごかったそうです。みんなきっとお金持ちの人たちなのにね・・・
後半は会場がいくつかにわかれ、具体的商品の説明になります。といっても資料を見るとすべてが投資信託です。資料作成も説明も、すべて主催した証券会社ではなく、商品を作り運用している会社が行っていたそうです。
つづく
今回はAさんが証券会社のセミナーに出席したときの経験を語ってくれましたので、その様子を実況中継します。
Aさんへのセミナーの案内は、2通りあります。一つはAさんが口座を持つ支店でのセミナー、もう一つは証券会社本社が多くの顧客を集める本社主催セミナーです。Aさんはセミナーの案内がくると、勉強がてらほとんどのセミナーに出席していたそうです。
そこで使われた資料をいくつか拝見しました。資料は大きく分けて二つあり、経済と市場動向についてと、特定の売れ筋商品もしくは新商品のセミナーです。経済動向といいながらも資料の最後には必ず特定の推奨銘柄が載っています。
実況中継は本社主催の大セミナーです。開催曜日は土曜日、場所は東京駅近くの高層ビルで、会場には1千人近くが入っていたようだ、とのこと。Aさんが驚いたのは客層、それも年齢層です。
Aさんのざっとした推定ですが、全体の8割ほどが60歳以上。そしてその半分近くが70歳以上、つまり全体の4割近くが70歳以上だったそうです。さらにもしかすると80歳以上の人も2割近いのではないか、足がおぼつかない高齢者もかなりの人数がいた、とのこと。
あとの2割の内訳は、40歳代・50歳代の現役のビジネスマン・ビジネスウーマンがほとんどで、それより若い人は皆無だそうです。
週末開催の割に全体の4割が70歳以上というのはかなりショックな数字ですが、Aさんの出席している支店の平日セミナーでは、8割が70歳以上で、自分と同世代のリタイアしたての60歳代の人にはあまりお目にかかったことがないとのこと。
いったい高齢者の方は暇なのでセミナーに来るのか、資産運用が本当にしたくてセミナーにくるのか、その答えはのちほど。
セミナーは前半が証券会社の看板エコノミストによる経済動向と相場の見方。相場といっても株式相場のみで、債券の話はほとんどなく、為替の相場については経済動向の中で見通しがあったそうです。
それで、エコノミストは今後の経済をどう見ているの?という私の質問に対しては、「いやー、アメリカだ欧州だ新興国だと次から次へと出てきて、何が言いたいのかようわからん。日経新聞を毎日全部読むくらいな人じゃないと、ついていけないと思うよ」とのこと。
実際の資料を見せてもらうと、それこそ私が投資銀行時代に作成し、プロの顧客との話で使った資料と同じような内容で20ページ以上あり、金・石油・その他の商品相場の話まで網羅されています。
しかもチャートはカラーの線が何本も入り乱れ、同じ様な色が絡まり合い複雑怪奇で読みとれません。相場の話になればVIX指数などまで持ちだし、とても8割を占める60歳以上の方々が理解できるようなしろものではありませんでした。
前半が終わると別の部屋でお茶とお菓子が用意されていて、「ご自由に」というのですが、おじいちゃん・おばあちゃんでごったがえしている上に、すさまじい食べっぷりに圧倒され、ろくにありつけなかったとのことです。Aさんの印象では、おじいちゃん・おばあちゃんの目的の半分はこのお茶菓子にあるんじゃないか、というくらいすごかったそうです。みんなきっとお金持ちの人たちなのにね・・・
後半は会場がいくつかにわかれ、具体的商品の説明になります。といっても資料を見るとすべてが投資信託です。資料作成も説明も、すべて主催した証券会社ではなく、商品を作り運用している会社が行っていたそうです。
つづく