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ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

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日本のゴルフ中継に異議あり!

2019年08月11日 | ゴルフ

  ゴルフに興味のない方には、どうでもいいお話ですので、無視してください。ただ私の人となりの一端は覗けると思いますので、よろしかったらどうぞお付き合いください。

 

  シブコ・スマイルで全英女子オープンから帰国した渋野選手、マスコミの大攻勢を受けながらもスマイルを絶やさず、38度の高熱をおして国内試合に臨みました。その試合前に小泉進次郎氏と滝川クリステルさんの結婚宣言のニュースに対して彼女は記者会見で面白いコメントを出しています。

 「おめでとうございます。よかった、これで注目が逸れてくれそう(爆笑)」。きっと本音でしょう。

   そして予選通過後、首位と5打差の9位となって臨んだ昨日のインタビューでは、

  「これで優勝したらヤバイですよね」と、いまどきの若い子らしい言葉を残しました。本音の出るシブコにゴルフファンはくぎ付けです。

   私は日本のゴルフ中継はすべてビデオで見ることにしています。そのためビデオ画面では時間の経過が分単位でわかり、おかげで昨日はとても気になることがありました。それは中継内容がゴルフトーナメントではなく、ただの「渋野選手凱旋パレード」だったことです。それも度を越えたひどさでした。

   全体の中継時間は1時間50分でしたが、最初の58分間は渋野選手しか写っていませんでした。トップ争いをしている選手や同組のプレーヤーは一瞬も写っていなかったのです。そこでさらにしっかりと時間を計測して見ていると、渋野選手以外の選手のプレーが写っていたのはわずかに11分です。110分のうちCMは無視すれば、なんと90%が渋野選手だったのです。

   この日の中継は実況だったため、例えばショットを終えて他の選手がショットをする間や、2打目地点まで彼女が歩いたりするときに、いくらでも他選手を映せたはずですが、全くなし。渋野選手が最終ホールのプレーを終了するまで、他の選手はほとんど無視されていて、彼女がプレーを終えた後に残ったわずか10分ちょっとの中でやっとトップ争いの選手が出てきました。

   しつこいようですが、各ホールで渋野選手がティーショットを終え、同組の2人の選手のティーショット中も2人は無視され、ショットの終わった渋野選手の顔を映すだけ。パチンという打音だけが聞こえていたのです。2人のプレー映像は最後までほとんど見ることができませんでした。

  ビデオ中継なら余分な部分をカットすることがあっても、実況ですからカメラは回っています。なのにプレーを無視して彼女の顔だけを延々と映し続ける。私は見ているうちに腹が立ってきました。もし私が同組のプレーヤーのファンだったら、絶対にテレビ局に抗議します。きっと2人のファンはそうしていることでしょう。

 

  こうしたことはその昔、80年代から90年代のジャンボ尾崎の全盛時代もまったく同じことが行われていました。まだ喫煙に対する認識が緩い時代だったので、彼はティーショットを終えるとカメラの前でタバコを吸うのです。その間同伴プレーヤーのショットは音だけで、ジャンボの喫煙シーンが延々と映っていました。しかももっとひどかったのはジャンボの横にいるキャディーまでがタバコを吸うのですが、それも中継で流れていたことです。

   私はこうしたテレビ局の偏った姿勢は耐えがたいため、好きなゴルフであってもジャンボの時代はほとんどゴルフ中継を見ていません。もちろん今回の時間配分と同じで、優勝争いに加わっていないジャンボの映像を90%以上映し、ひどいときは優勝プレーヤーの映像は最後の18番ホールの最終パットの10秒のみの、ということまであったのをよく覚えています。

   さて今日の最終日、渋野選手の映像時間がどれほどだか、しっかりと見ることにします。

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やったね、猿っ手シブコ!

2019年08月06日 | ゴルフ

  やりましたね、渋野日向子プロ、全英女子オープン、優勝おめでとう!

ゴルフファンとしてはたまりません。

 

  欧米ではスマイリング・シンデレラと呼ばれ、日本ではシブコ・スマイルと呼ばれる笑顔が評判になりました。何故ヒナコスマイルじゃないのかと申しますと、多分ヒナコが多すぎるからでしょう。

   私は彼女の勝因は二つ。一つはそのスマイルと、もう一つは彼女の素早いスイングにあると思っています。

   スマイルが勝負をしているプレーヤーに大事な要素であると最近やっと言われるようになっていますが、一昔前までは「勝負師は笑うもんじゃない」。「緊張の糸が切れるし、相手に失礼だ」というような言われ方もしていました。

   私はスマイルがゴルフ上達の一助になると考えています。ゴルフをされる方はよくわかると思いますが、アマチュアゴルファーの一番の悪い癖はボヤキです。特に心的要素の大きなショートパットになると、打つ前に自分はいかにパットが下手か、自分のパットラインは難しいのでツキがないかというようなボヤキを自己解説する人が多いのです。打つ前に自己否定を言いまくれば、簡単に入るパットまで入らなくなります。ボヤケばスマイルどころではなく苦虫をかみつぶしたような硬い表情になり、表情の硬さは体の動きを悪くするので結果にも悪影響が出ます。そして否定的言葉はパットをはずす自己暗示に確実につながります。


   渋野のスイングの特徴はバックスイングからダウンスイング、そしてフィニッシュまで非常に速いことです。それが男子も女子も最近のプロゴルファーの特徴です。しろうと同士が教えあうとコーチ役の人が必ずいう言葉に、「早すぎる。もっとゆっくり」ということがあります。

   プロでゆったりとしたスイングする人はほぼ皆無です。特にトップで止まるようなタイミングを作るプロはほとんどいません。例外は今をときめく松山秀樹と、すでに引退した宮里愛です。二人ともメジャーを取れていません。

   特に愛ちゃんのスイングはトップでハエがとまると言われたほどゆっくりとしていました。松山秀樹もトップで一瞬、タメを作るように止まるのですが、私はそれがダウンで無駄な力みを作ってスイングの乱れにつながっているとシロウト分析をしています。もっとよどまずにきれいな流れを保つスイングをすればいいと思うのです。

   日本のプロも欧米のプロも、そして強い韓国の女子プロもスイングリズムは誰もが例外なく早いのです。早いスイングは力むことを許しません。早くスムーズなスイングは現在のとてつもない飛距離を生み出す秘訣の一つでもあります。私もバックスイングを早くすることで、ヘッドスピードを2mほど上げることに成功しました。飛距離で言うと15ヤードほど伸びたことになります。

   渋野日向子のスイングもバックスイングからダウン、フィニッシュまでとても速いのが特徴です。その証拠はトップでのシャフトのしなりに現れます。女子とは思えないほどトップでシャフトがグニャリと曲がるのです。まさにクラブをムチとして使っている今風のスイングです。

  

  もう一つ彼女には身体的特徴があります。「猿っ手」です。この言葉、すでに死語でしょうか?両腕を体の前で伸ばして手のひらを合わせると、普通の人の腕はまっすぐですが、肘の部分がくっつくほど内側に曲がっている人がいます。特に体の柔らかい女子に多いような気がします。それが猿っ手、あるいは猿腕です。渋野プロの場合は、10度から15度近く曲がっているのです。

  そのことがよくわかるのは、彼女が最後のパットを沈めて両腕を突き上げた写真です。こんなに曲がっているの?と思わせるほど内側に曲がっていますので、是非見てください。私は彼女が春に日本のツアーで勝ったとき初めてスイングを見てそれに気づきました。アドレスした時に左の腕は普通まっすぐに伸びていますが、彼女の場合、内側にひどく曲がってセットされるのです。

   昔からゴルフで言われたことは、「猿っ手の人はゴルフはうまくなれない」という格言です。何故かはわかりません。まあ、アーチェリーだとまっすぐ左腕を伸ばして弓を弾き絞るので、もしかすると肘が邪魔になるかもしれませんし、弓を放ったときに弦が肘に当たるかもしれません。

  しかしゴルフでは渋野プロがそのジンクスめいた言葉を見事に否定してくれました。そのうち逆に「猿っ手はゴルフがうまくなる」って言われるかもしれませんね(笑)。

   では明日からは渋野プロのスイングをまねて頑張ることにします。

 

  これからもガンバレ、猿っ手のシブコ!

  そして例年は笑って金メダルを取ってください!

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今回の首脳ゴルフの会場は?

2019年05月25日 | ゴルフ

  本日、いよいよトランプ大統領が来日しますね。明日は安倍首相とゴルフの予定だそうですが、ゴルフ会場はあまり聞きなれない千葉県のコースです。そこについて書いてみました。

   トランプ大統領と安部首相のゴルフの同伴プレーヤーは、1980年にジャック・ニクラウスとメジャートーナメントの全米オープンで死闘を演じたレジェンド、青木功氏が予定されています。

   そのトーナメントでは二人は初日から同組となり、決勝ラウンドに進んでも1位と2位で、最終日も2打の差の同組でスタートしました。最後まで2打差だったため、会場の名を取り「バルタスロールの死闘」として語り継がれています。メジャートーナメントですので、アメリカのゴルフファンにも忘れがたい思い出になっているようで、青木氏はアメリカの「ゴルフの殿堂」入りを果たし、歴史にその名を残しています。

   ところで前回のトランプ大統領来日時のゴルフは、ご存知のように霞が関カンツリークラブで行われました。そこはオリンピックでも会場になる予定で、メンバーは原則世襲のため名門の名にふさわしいコースです。しかし今回は千葉県のさほど有名でもないコースが選ばれました。コース名は「茂原カントリークラブ」。ゴルフ場予約サイトを検索してもめぼしい情報は出てこない、日本では珍しい完全なプライベートコースです。

   このコースを、実は4年ほど前に私はプレーする機会がありました。もともとは三菱系のゴルフ場であったものをある老舗の会計ソフト企業のオーナーが買い取ったと聞きました。私はそのオーナーの主催するコンペに参加したのですが、コンペ名は「青木功インビテーショナル」。青木功夫妻を囲む会費制で、約100名が参加する貸し切りコンペでした。私をそのコンペに招待してくれたのは銀座の老舗すし屋のオーナーです。昔からのゴルフ仲間のため、ときどき素晴らしコースに私を連れて行ってくれます。もっともそのすし屋は高いので、私が行くのはほとんどがランチタイムです(笑)。

   当日、ラウンド前に練習場に行き打っていると、隣の打席に偶然青木プロがきて練習を始めました。私は昔から青木プロのファンで、彼の本を読んで育ちました。そこで「私は昔から青木プロのファンです」と名乗り、「アマチュアのコンペでもラウンド前に練習をされるんですね」と話しかけると、「そう、体をほぐすのと、今日初めて使うドライバーを試しにね」と言って、真剣に打っていました。私は早々に練習を終え、「ショットを見ていてもいいですか」と聞くと、彼は「もちろん」と許してくれたので、目の前でじっくりとショットをみることができました。

  すると彼は「よし、あの目標からすこし右へ行くフェードを打つぞ。今度は逆にドローだ」と一人で宣言しながら打つのですが、なんとも見事に宣言どおりのボールを打って見せてくれました。一流プロの技は年をとっても健在でした。「なかなかいいじゃん、このドライバー」と新ドライバーにご満悦の様子。私はナイスショット、と言いたい心を抑えて、プロはほとんどナイスショットだよなと思いながら、黙って最後まで拝見しました。

   その後のラウンドで彼のスコアは72 のパープレー。73歳の年齢に対してスコアは1アンダーのエージシュートを達成。お見事というよりほかありません。ラウンド終了後にオーナーは、エージシュートをお祝いする品を青木プロに渡していました。きっとエージシュートを見込んで用意していたのでしょう。あとで聞いた話ではコースのオーナーとの縁から、このコースの改修を青木プロが手伝ったそうです。

  以上、またまたゴルフ自慢を交えた首脳ゴルフの会場についてでした(笑)。

 

 


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パッティングの科学 新ルール版

2019年04月18日 | ゴルフ

  今年のマスターズトーナメントは11年ぶりに43歳のタイガー・ウッズが勝利して終わりました。1980年代にはジャック・ニクラウスが46歳で最年長勝利をおさめ、その時はJack is back! と言われ、世界のゴルフファンが称賛しました。今回のタイガーのカムバックも同じかそれ以上の称賛を受けています。私も手に汗握り、テレビにかじりついて観戦しました。

   今年のゴルフシーンには非常に大きな変化がありました。それはパッティングのルール変更で、グリーン上でのパッティングの際、ピンフラッグを差したままでカップインしてもかまわなくなったというルール変更です。昨年までは禁止され、そのままカップインするとペナルティーを科されていたのが、ペナルティーがなくなりました。この改定の趣旨は時間短縮とルールの簡素化です。今年に入ってからプロもアマもこぞってピンを差したままプレーをし、時間短縮に貢献しています。

   私の場合冬はゴルフをせずスキー専門なので、今年は3月末に初めてコースに出たのですが、ピンを立てたままでのパッティングには大きな違和感を持ちました。ところが年中プレーをしている仲間たちはすでに全員がピンを抜かずにパットしていましたので、これは慣れなければと思い、私も抜かずにプレーしてみました。慣れればすぐに違和感は解消できました。面倒なピンの抜き差しから解放され、時間セーブに貢献できたと思っています。

  どうせ時間短縮を目指すなら、グリーン上でボールをマークするのもやめたほうがいいと以前から私は思っています。例えばバンカーからショットしてグリーンに上がると、他のプレーヤーのラインを踏まないよう歩くために、目を凝らして小さなマーカーを3つ探さなくてはいけません。時間の無駄です。パッティングの邪魔にならない限り、マークはせずにボール置いておくほうが時間短縮になります。

   ではいったいカップインする確率は、ピンを差しておいたほうが高いのか、抜いたほうが高いのか、探究してみましょう。

   直感的にはピンは立てておくべしと思います。カップの上を通り過ぎるほど強いボールも、ピンに当たればカップインするからです。でも少しでも真ん中を逸れて当たった場合はどうでしょう。はじかれて逸れるかインするかわかりません。私はゴルフヲタクだしゴルフは科学的に考えるほうですから、どちらがカップインの確率が高いかについて科学的・実験的解を求めたくなりました。

  そこで実証実験はないのか、早速ネットで調べてみると、私をはるかに超えるゴルフヲタクによる実験動画を探し当てました。アマチュアの方ですが、アルミの細めの雨どいのようなものを買ってきて、グリーン上にかなりの傾斜角度で設置。その上にボールをころがすのですが、その樋のどこからボールを転がすと、ボールがカップの横を通り過ぎて何センチ転がるか目安を付けます。およそ転がる距離が30㎝おきくらいになるよう、樋に目盛りを刻んでおき、そこから順に転がすのです。カップを過ぎてころがる距離は1.7mオーバーから7.3mオーバーまでセットしてありました。

  ちなみにカップの大きさはルールで決まっていて10.8㎝、108㎜で、ボールは4.27㎝、約43㎜、ピンの太さは標準で直径13㎜程度です。ということはピンを差したままボールがカップインすると、ボールとカップの隙間は以下の引き算により4.5㎜と計算されます。割と狭いです。

 カップ半分54㎜-ボール1個43㎜-ピン半分6.5㎜=4.5㎜

  次にその転がし装置をカップの近くに設置してカップの真ん中を狙って転がしカップインの検証をします。まずピンを差さないでカップの真ん中を狙う実験です。いったいボールはカップを何メートルオーバーする強さまでならカップインすると思われますか?私は経験的に2mくらいまでだろうと思っていたのですが、実際にはとんでもない、3mまでは問題なく入っていて、3.7mを超えるとはじかれる様子が写っていました。つまり限界は私の勘より倍近い、およそ3.4mくらいまでのオーバーなら入るとなります。もちろんこれは水平なグリーンでの実験です。

   それがピンを立てたままだとどうなるか。ピンにまっすぐに当たると、なんと7mくらいオーバーするボールでもカップインしていました。それ以上の映像はありませんでした。たしかに我々もグリーンの外からすごく強く打ってしまってもピンに正面切って当たればカップインしたという経験を持っています。実用性から考えれば、グリーン上のパッティングで7m以上オーバーして打つことはないので、十分な検証結果だと言えます。

   では次にカップの中心からボール一個弱、約3㎝くらいはずして転がすとどうなるか。その場合ピンを抜いていると、2.5mオーバーの強さまでは入り、2.9mは入っていませんでした。では果たしてピンがあるとどうなるか、一番興味ある実験です。結果は2.9mでもカップインしていました。もちろん大雑把な実験ですから厳密ではありませんが、同じ2.9mで結果は正反対になっています。そこでほぼ確実に言えることは、「ピンのあるなしにかかわらず、2.9mオーバーくらいまでなら、ボールが中心からずれていても入る」。つまりピンは邪魔しません。

   ここまでを強引にまとめますと私の総合評価は、「ボールがピンの真ん中に向かって当たっても、すこしずれて当たるくらいでも、ピンがあるほうがカップインの確率は高い」となります。なので、今後もピンを差したままパッティングをすることにします。

   ところでプロゴルファーはどうしているのでしょう。トーナメントを見ていると、ピンを差したままにする選手の数が、抜く選手を若干上回っているように思えます。現在現役の選手で最も科学的探究心の強いプレーヤーとして知られているのが、アメリカの若手、松山英樹と同世代のデシャンボー選手です。多くの方は彼をご存じないと思います、すでにPGAトーナメントで3勝しています。彼は一昨年あたりから有名になったのですが、理由はアイアンクラブの長さをすべて7番アイアンにそろえているという非常に特殊なセッティングによります。自分がもっとも打ちやすい長さにそろえる。合理的理由は認められます。そんなプレーヤーは彼以外には歴史的にもいないと思われます。通常は短い距離を打つアイアンのシャフトは短く、長い距離を打つアイアンは長く、階段状にセッティングしてあります。

   その彼がやはり「ピンを立てておいたほうが確率は高い」と言って、今年初めから立てたままでプレーして勝利に結びつけていました。もっとも超ヲタクの彼は、「ピンの素材にもよって結果は異なる」と、素材差まで分析しているそうです。ピンは主にグラスファイバー製ですが、たまに金属製があり、当たった時の反発力に差があるためです。多くの選手が右へならいしています。

 しかしマスターズ・チャンピオンに返り咲いたタイガー・ウッズは抜く派です。彼はほとんどの場合、ピンを抜いてプレーしています。理由はよくわかりませんが、彼は過去そうしてマスターズに4回優勝しましたし、今年も5回目の優勝を遂げました。多分、抜くことに「慣れているから」が一番の理由でしょう。

   ちなみにユニクロのロゴマークを付けているオーストラリアの元マスターズ・チャンピオン、アダム・スコットは「ピンを立てておいたほうが、ターゲットをイメージしやすく、集中できて結果もよい」と言っています。私はさらに「ショートパットを強く打っても当たれば大きくオーバーしづらいため、カップイン確率は上がりそう」と付け加えたいと思います。

   最後に注意事項です。それはボールがカップに完全に入りきらないで、止まってしまうことについてです。先ほどカップの淵とピンに間の隙間はわずか4.5㎜しかないことを計算でお示ししました。先日のラウンドの最中、18ホールで4人がほぼ1回ずつですが、ボールがカップとピンに挟まれてカップの下まで落ちないというケースがありました。今年のルール改正ではボールの一部でもカップの淵より下に入ればカップインとみなされますので、スコア上心配はいりません。ボールが完全に入らないで止まる原因はピンがまっすぐに立っていなかったためで、カップの切り方が垂直でなかったり、強風が吹いていたりするとピンが傾き、4.5㎜の幅より狭くなることで起こります。このようなピンの差し方だと、当然入る確率は低くなるので、見るからにピンが傾いている状態のときには、ピンをはずしてプレーしたほうが安全だということを付け加えておきます。

参考;さきほどの実験映像、「ピンを差すか抜くか」はこちらのサイトにあります。

https://www.youtube.com/watch?v=0924L1RX3Ig

  以上、ゴルフヲタクの「パッティングの科学、改訂版」でした。

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外資よどうもありがとう

2019年04月09日 | ゴルフ

 3月に私の手元に東京地方裁判所から直々に封書が届きました。スワ裁判所から呼び出しか、と驚いて内容を確認するとそうではなく、タイトルは「再生手続き開始通知書」で差出人は東京地方裁判所書記官でした。内容は、

1.主文  〇〇株式会社(ゴルフ場)に対して再生手続きを開始する

2.再生債権の調査  〇月〇日まで

3.再生債権の届け出期間 〇月〇日まで

4.再生計画案の提出期間 平成31年5月まで

   私は自分がメンバーであるゴルフ場の債権者側だったので、一安心しました。

  私は根っからのゴルフ好きですが、バブル時代の会員権狂騒曲にはいっさいかかわらず、苦々しい思いで眺めていた口です。そしてバブル崩壊後20年を経た10年ほど前に、バブルに感謝しながら現在のコースの会員権を購入しました。昨日4か月ぶりにクラブの月例コンペに参加したのですが、その時の同伴プレーヤーの方々と当然その話題になりました。すると3人のうちお二人はバブルの頃数百万円を払って買ったという話をされていました。そして一時1千万円台の大台に乗った時に、売るどころかほくそ笑んだだけだったとのこと(笑)。

   私が買った会員権の証書には、2015年以降会員権証書と引き換えに150万円お返しします、と記載されています。私の買った値段は5万円ですから、名義書き換え料込み20万円で正会員の権利を手に入れました。裏の名義人を見ると最初に150万円で購入された方の名前が記載されていて、その後私までどなたの手も経ずにいたようです。

   この会員証、金融用語で解説しますと、私は150万円もらえるプット・オプションの権利をたった5万円のプレミアム(オプション料)で手に入れた、となります。しかし私はその権利を行使せず、いまだに保有したままです。何故すぐ権利行使しなかったかといえば、ゴルフ場側に行使を申し出ても「ない袖は振れない」と言われるだけなことを知っていたからで、誰でも決算書を見ればそのことは明らかなのです。

   今回の再生スポンサーは、その関係では名の通っているPGM、パシフィック・ゴルフ・マネージメント社です。もともとアメリカ系の企業再生ファンドであるローンスターが日本のゴルフ場再生ビジネスに参入するために設立した会社で、いままでに139のゴルフ場を所有し運営しています。ローンスターは東京スター銀行も再生したファンドです。そのため私は自分のプレー権はこれで維持できると、安心しました。

   そのファンドの対抗馬は米系投資銀行ゴールドマンサックスが出資したアコーディアゴルフで、現在137か所のゴルフ場と26のゴルフ練習場を運営。日本のゴルフ場数は約2,400ですから、両社で1割強のゴルフ場を運営していることになります。

   一方、日本のゴルフ場が大量倒産しているのはみなさんもうすうすご存知でしょう。その数を以下のニュースでお知らせします。ゴルフ場調査では有名な一季出版の昨年のリリースです。

 引用

一季出版(株)の集計により、バブル崩壊以降から平成29年3月末までに法的整理を申請したゴルフ場企業は773件(前年比21件増)で、既設ゴルフ場数953コース(同17コース増)、建設中・認可未着工48コース(同・同)となり、負債総額は16兆7544億円(同852億円増)となったことが判明した。

 法的整理申請後に完全閉鎖したゴルフ場や2度目の法的整理をしたゴルフ場を除くと実質933コース(前年比14コース増)となる。

引用終わり

  倒産933コースとは全ゴルフ場の4割弱に相当し、外資系ファンドの再生コース数との整合性は不明ですが、多くはそれに含まれていると想像します。PGMとアコーディアは2000年代初めから買収を開始し、底値を拾ったと言われています。いったいその頃日本勢はどうしていたのか。新生銀行や日債銀などの再生と同様、日本勢はバブルの後遺症から再生ビジネスには全く手も足も出ない状態でした。その後落穂ひろいでオリックスやシャトレーゼ、森トラストなどが参入していますが、その時は韓国系などを含め競合が多く価格はすでにリバウンドした後でした。

   私は素晴らしいゴルフ場をたくさん作ってくれたバブルに感謝するとともに、再生してくれた外資系にも大いに感謝します。自分のゴルフ場のみならず、何度もプレーしている素晴らしい多くのゴルフ場を再生してくれたからです。

   そして日本人スキーヤー数がわずか3分の1になってしまったスキー場もしかり。多くのスキー場が閉鎖される中、私の大好きなスキー場に限って外人スキーヤーが多く訪れてくれ、ふもとには外資系のホテルが数多く新規開店し、賑わいを保ってくれています。

 以上

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