goo blog サービス終了のお知らせ 

ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

新刊「投資は米国債が一番」幻冬舎刊
「証券会社が売りたがらない米国債を買え」ダイヤモンド社刊
電子版も販売中

現時点での米国債投資

2025年08月03日 | 投資は米国債が一番

 およそ一年前の投稿では、私がFM東京の「ラジオのタマカワ」に出演した時の様子をみなさんにお知らせしました。

 タマカワとは、テレ朝の羽鳥慎一モーニングショーのレギュラーコメンテーターの玉川徹さんのことです。彼はFM東京でレギュラー番組、「ラジオのタマカワ」という番組のDJをしていて、番組に私をゲストとして招いてくれ、その時の様子を投稿しました。

 最初はゲストのリクエスト曲をかけるところから始まり、その後トークへと移っていきます。私のリクエスト曲はビートルズの「ノールウェーの森」でした。半蔵門のFM東京スタジオからちょうど武道館を望めたので、ビートルズの話で盛り上がりました。

 彼が私に興味を感じたのは幻冬舎から出版された著書の「投資は米国債が一番」を読み、「自分が全く知らなかった米国債という安全な投資対象にとても興味を持った」とのこと。しかし当然「為替リスクをどう考えたらよいのか」ということを焦点にして質問が来ました。

 質問内容は、「例えばドル円レートは20円くらい簡単に変動しますよね。すると4・5年分の金利などすっとんじゃいませんか?」と言うものでした。

 私からの回答は、「私の提唱している米国債投資は、最低でも10年、さらに20年、30年という長いタームでの運用です」。すると金利は為替に勝てるんです。ということで2011年出版の1冊目の本で例に上げた30年債投資のことを説明しました。

 1981年に30年のゼロクーポン債を買い複利で運用したケースの実例です。その時の為替レートは1ドル240円。それが本を書いた2011年にはなんと83円、満期を迎えた時のドルは約3分の1に目減りしていました。しかし金利が8%台と高かったので、複利でドル建て元本は24倍になった。為替では3分の1になったが、円で元本は8倍にもなった。「株でもなかなか8倍にはならないのに、安全な債券で8倍です」と説明すると、彼は「債券はすごい。複利は人類最大の発明の一つといわれていますね」と納得。

 2冊目の著書でも同じく30年投資の計算例がカバーに書いてあり、彼は手元の本を取り上げて、「本当だ、23年までの30年でも7.68倍になってる」と感心していました。

 

 一方アシスタントの原さん。「私ぜんぜんお金がないんですけど、それじゃだめですよね?」ときました。私は笑いながらもすかさず「大丈夫、今ならわずか100ドル、1万5千円ていどでも米国債に投資できます。証券会社によっては100ドルで売ってくれるんです」と回答。「それならできそうです」となりました。

 

 次の玉川さんからの質問は簡単に回答できそうもないだろうという前提でぶつけてきたものでした。それは「私は今の円安は行き過ぎているので、今の140円台が年末くらいには120円台になってしまうと思っています。そこから投資しようと思いますが、どう思われますか」というものでした。

 

 私の回答は「為替レートはどんな優秀なアナリストであろうが的確な予想などできません。今年160円台になると予想した人は皆無でしたからね」。

「もし玉川さんがいくらいくらを投資したいのであれば、年末までに例えば3回に分けて投資をされたらいいですよ。」とアドバイス。

 そうすればシナリオどおりでもシナリオからはずれて逆に行っても、投資し損ねることはありませんから」と回答。これもガッテンをいただきました。打合せなしのぶっつけ本番オンエアはこのような会話でほぼ終わりました。

 

 番組が終わって控室でまずは3人での写真撮影。パネルの前に並んで記念の写真を撮ってくれました。FM東京の「ラジオのタマカワ」のHPにその写真が貼ってあります。その後お二人とディレクターを交えて20分ほど話をしました。玉川さんとディレクターの方に共通していたのは、やはり日本国に対する不安で、それが円安への不安にもつながっているので、それを少しでもヘッジしたいとのこと。

 

 私は従来から読者のみなさんにも申しあげているように、「ヘッジするならあなたの金融資産のすべてをドルにしないと大きな効果は望めません。何故なら住んでいる家の不動産も、給料や退職金、将来の年金もすべてが円建てですよね。今の預貯金をすべてドルに換えても、ヘッジには足りないかもしれません」という話をすると、お二人とも「そうなんだよな、そのとおりだよな」と納得された様子でした。

 こうして約1時間のとても楽しいオンエアとその後の会話が終わりました。私はテレビで見ていた鋭い突っ込みをする玉川さん相手に、そこそこかみ合った会話ができたかなという感想を抱いて、スタジオをあとにしました。

 

 あれから1年を経た現在の為替レートは約150円。玉川さんのおっしゃったような120円台などには至らず、程遠いレートです。もし玉川さんが私のアドバイスどおりに米国債に投資をされていたら、1年分の金利をしっかりと得ていたと思います。

  もっともこのケースでは玉川さんの為替見通しが偶然はずれただけで、私が今の150円のレートを見通していたわけではありません。長期でみれば金利は為替に勝てるという経験則を言っていただけです。

 

 では現状の為替レートと金利レベルで米国債に投資したらどうなるか。おそのシミュレーションをしてみましょう。

 ここでは10年債と30年債を例にとります。

 現在為替は150円程度なので、それを前提としてブレークイーブンレートを計算します。ブレークイーブンの計算は、複利運用のゼロクーポン債に限り可能です。理由は、ゼロクーポン債は最後に必ず100%で償還され、その間に利子はないので保有期間の為替レートを想定しなくて済むからです。利付債は年に2回の利子をもらうため、その時の為替レートを想定しないとブレークイーブンレートを計算できません。それは不可能です。

 以下がそのシミュレーション結果です。10年債と30年債の計算です。

10年債 金利4.36%に1,000ドル投資 = 150,000円

償還時の元本は複利で1,540ドルとなるのでブレークイーブンレートの計算は、

150,000円÷1,540ドル=97.4円

 

30年債 金利4.36%に1000ドル投資 = 150,000円

 償還時の元本は4,290ドルとなるのでブレークイーブンレートの計算は

150,000円÷429ドル=35円

 10年債の97円も、ましてや30年債の35円もあり得ないドル円レートです。もちろん私自身は将来的に円に置いておくリスクは非常に高いため、金利にプラスして為替でも大きなゲインを得られると確信しています。

 注;複利の計算をする場合、米国債は一般的には半年複利と仮定して計算します。それは利付債の場合、半年ごとに金利が配分されるので、それに準じて半年複利にしているという理屈です。

なお償還前に途中で売却する場合、金利は毎日元本に加算されます。それは利付債でもゼロクーポン債でも同じです。

 以上が現時点での米国債投資にあたっての参考内容です。米国債の安全性を実感できる数値です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 極右に注意せよ! 参政党の... | トップ | 御巣鷹山慰霊登山 (再掲、... »

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

投資は米国債が一番」カテゴリの最新記事