岩手の頑固親父

恵まれた自然、環境に暮す 老農のつぶやき、ぼやき

寂しい乾杯

2022-03-12 17:48:38 | 日々の暮らし

  3月11日、東日本大震災11年目 いつも、この時期になると花巻地方では春一番のクロッカスが咲き始まる。今年は8日に咲き始めた。

 もう11年目だという、今年も東日本大震災の日がやって来た。もう一つ悲しい思い出がある。
 無二の友人が震災の翌日に亡くなった、食道がんに冒され、やがて声が出なくなったのは、亡くなる半年ほど前、急遽、覚えたメールのやり取りで積もる思い出を語りあった。
 高校で一緒になり、山岳部の山登り仲間となり、小遣い銭もままにならない時代、遠い県外の山は無理と、安上がりに登れる県内の山を毎週のように、勉強そっちのけで登り歩いた。
 彼のお兄さんは有名な登山家で、その七光りで、弟の彼はどこの山に行っても知られた存在だった。
 山を通じて知り合った奥さんと結婚、実家は資産家にも拘わらず、夫婦で懸命に働いて、お子さん3人とも大卒、ともに教師に育て上げ、みんな結婚もした。
 これからのんびり・・・という頃に病魔に襲われた。
 なくなる前年、上高地に行けば、ヒマラヤで遭難死した兄に会えるような気がすると、家族を引き連れて行って来たと笑って話していた。
 亡くなる二週間くらい前だったろうか、「治療はやめた、天命を待つ」とメールをくれた。
 3月11日「大変なことが起きている」とメールしたのに返事はなかった。その時間、危篤だったと聞いた・・・・
 今年も3月11日は妻の運転で彼のお墓参りをした。
 月桂冠一合瓶を、二本持参でお墓で乾杯、もう何年も続いている恒例の行事である。
 達者でいたら、いつも陽気な彼と温泉に行ったり、旅行したり、飲んで話して大笑いして・・・・思い出を語っていた筈、
  悲しくも、寂しい乾杯である。 
 

コメント
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