岩手の頑固親父

恵まれた自然、環境に暮す 老農のつぶやき、ぼやき

門松

2021-01-03 11:22:41 | いなか暮し

 新年 明けまして、おめでとうございます。
 正月3ヶ日、花巻地方は良く降り、良くしばれた(寒い)3日の朝、マイナス16℃、数十年ぶりの寒さと記憶する。
  しばれた朝は良く晴れて氏神さま越の岩手山が青空に映えている。
 氏神様のしめ飾りや幕は老妻の手作り、母屋はもちろん、車庫や倉庫などにもしめ飾りを飾り、神棚には一段と大きなしめ飾りをする。

 今では見かけなくなった郷の門松、玄関前の庭などに太さは8~10㌢、長さは2.5㍍ほどの採ってきたばかりの松の皮をはぎ取り、間隔を2㍍ほど離して立てる。松の幹には笹をしばり付けて松の間に手編みの縄に幣束や煮干し、昆布を挟み門松とした。
 小正月まで庭に飾った門松は取り外されて幣束、笹は鎮守様のどんと祭に持参する。
 役目の終わった二本の松は、秋、稲を乾燥させる稲架に利用する大切な農具となる。
 10年で20本、乾燥した松は長年使うことができるから結構な農具となる。
 1年2本の松・・・郷の農家200戸、1年に400本もの松の若木が切り倒される。山の所有者としてはたまらない。
 多くの山の持ち主は地主やお金持ち、山を持たない貧農は松が手に入らない。
  そこで先人は諭した。
  「門松」だけは、採る人を、咎めてはいけない、怒ったり叱ってもいけない。
     この時ばかりは笑って許せ・・・・・
       助け合いが当然の頃の我が里の風習。

      本年もよろしくお願い申し上げます。

コメント
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