釜石線小山田駅近くの通称「炭焼沢堤」は、かって子供たちの、釣り遊びでにぎわいました。
里から近く、魚が多かったから子供でも良く釣れたので人気があったんでしょう。
20年ほど前、堰堤工事の際に掘り出された底樋は、松の大木を縦に割り、通水断面を箱状にくり抜いて、元の丸太に組み合わせたもので、樋の様式から江戸時代のものと思われ、堤はもう数百年も前から利用されていたと思われます。
10年程前、「炭焼沢堤」に外来魚が住みついたことがわかり、県の指導を得て、堤の水を完全に抜いて、外来魚と共に鯉や鮒等々も全て捕獲処理されてしまいました。
それからは、再び外来魚が住めないようにと、秋ごろには毎年水を抜いてカラカラに干しています。
夏、水の需要期
水の少なくなった「炭焼沢堤」は、いっぱいの水鳥が、ひなたぼっこをしています。
昔、鎮守さまのお祭りの頃に「炭焼沢堤」の堤干しをします。
底に、水が僅かに残る頃合いを見計らって、老若男女がいっぱい集まり、賑やかに、泥にはまりながら鯉、ウナギ、フナを捕まえます。
採った魚は、鎮守さまのお祭りのお膳に乗ります。
魚を取った後の堤は完全に干すことなく、再度水を入れて、残った小魚の住家となり 再び水でいっぱいになった「炭焼沢堤」は又、子供たちの楽しい釣り遊び場となります。
魚が住まない「炭焼沢堤」は、今も田んぼの水の供給という大きな役目を果たしていますが、魚が住まなくなってからは、遊びに来る子供たちの姿はありません、生えてくる水草の種類も変わり、近年になって、なぜか近くの大きな木には鷺がいっぱい住むようになりました。
夏、いつもの時期、いつもの場所に咲く、大輪の山百合
交通量の多い道の近くで咲いて、
ドライバーもきっと目にしているのに、誰も手折らない。
夏休みに入る少し前、朝早くから畑に出た、ばあちゃんが 「今年もやられた」と言って戻った。
孫たちの大好きなトウモロコシ、
夏休みに食べさせようと丹精込めたのに、今年もタヌキに先を越された。
一晩で5本も盗られたから、一匹のタヌキではないかもしれない。
もしかして、トウモロシを楽しみにしていた、狸の一家が家族ずれで、来たのかもしれない。
「そしたら、こどものタヌキは、おいしい、おいしいと喜んで食べたかも・・・」
笑ってばあちゃんは許す。
山際に住む、知り合いのおばあちゃん。
畑の野菜に悪さする狸に手を焼いて、息子に頼んで花巻の「パワー」で、狸の捕獲檻を8千円も出して買い求めた。
設置して数日後、憎らしい狸が檻に入った。
「さて、どうしてやろうか・・・・・・」
良く見ると 「悪いことは、もうしないから・・・」と哀願してるようにも見れる。
ためしに餌をやると、喜んで食べている、その仕草も可愛い。
毎日、餌をやり続ける、おばあちゃんは、日中、一人で過ごすことが多いから、すっかり友達になってしまった。
その内に、狭い檻の中では可哀そうになり、半月ほど餌をやった後、ついに檻を開けて山に逃がしてやったと言う。
この里には、優しい人たちが住んでいる。