庭園にヴェルサイユにもない人工の滝を作ってしまった宮殿がカゼルタでした。ヴェルサイユの庭園でも大運河が中央にあって、水の役割は大きなものがあるようです。この水を使って、電気もエンジンも使わない水の重力だけで動くケーブルカーというものがあり、世界で最初に造られたものはナイヤガラの滝の近くの展望台に上るものだったそうです。日本の高知県にもあるようですが、現存最古のものがポルトガルのブラガ郊外のボン・ジェスス教会にあります。今回は2019年に世界遺産に登録されたボン・ジェスス・ド・モンテ聖域を紹介します。
ボン・ジェスス教会があるブラガは、ポルトガルの北西部、ポルトガルの第2の都市であるポルトの北80kmほどの内陸都市です。リスボン都市圏、ポルト都市圏に次ぐ第3の都市圏の中心地です。現在はポルトから速い列車だと40分ほどで町の中心のブラガ駅に着くようですが、筆者が訪問した時は鉄道駅が改修中で、やむなく2時間以上をかけてバスで行きました。リスボンは楽しみの町、ポルトは働く町そしてブラガは祈りの町と言われ、市街地に数多くの教会があります。その中でボン・ジェスス教会は町の中心から東に3kmほどバスで15分くらい、都市圏を取り囲む山の麓からケーブルカーに乗るかつづら折りの階段を上ったところにあります。
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18世紀に新古典主義の様式を使いプロテスタントに対抗したカソリックによって建てられたのがボン・ジェスス教会です。堂内は淡いパステルカラーでまとめられ威圧感よりかわいらしさを感じます。堂内では結婚式の最中で、式に参列してパイプオルガンの演奏も聞くことができました。教会によっても違いますが、結婚式はオープンで二人を祝福する人は誰でも参列してもよいところが多いようです。
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さて、水の重力で動くケーブルカーの仕組みです。ケーブルカーの対になった籠の床下に各々水タンクがあり、上の駅にいる籠の水タンクに水を入れ、下の籠の水タンクからは抜くと、重力差が生まれて軽くなった下の籠は上に、上に居て重くなった籠は下に降りてきます。上の駅から下の駅に水が流れ落ちる時にケーブルカーの籠を道連れにしているとでも表現できるでしょうか。電気も燃料も要りませんが、水の出し入れに手間取るので、頻繁な運行は無理のようです。筆者が訪問した18年前は、台車のみが傾斜して車体は水平を保つような設計の古風なものでしたが、現在は新しいものになっているのかもしれません。上の駅に着くと、芙蓉らしき花が満開です。芙蓉は日本や中国など東洋原産でヨーロッパで見ることは珍しい植物で、日本との交易でポルトガル人が持ち帰ったものかもしれません。同じ株に色の異なる花が咲いていたので、咲いているうちに花の色が白から赤に変わる酔芙蓉(酔っ払ったように見えることからの命名)だったのかもしれません。
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ケーブルカーも面白いのですが、見どころは教会の正面に通じる階段で、片道はこの階段を通ることを勧めます。この階段は白と灰色が基調で、階段下の入り口のアーチなども白に灰色の縁取りでまとめられています。階段の下半分は通常の形ですが、上半分が幾何学模様のつづら折れの階段です。階段下から眺めると四角形と三角形白のパネルを灰色で縁取りしたものが幾重にも重なって見えます。実はこの白い部分はパネルではなく、階段の側壁なのです。教会に向かって中心軸となる位置には泉などが配され、両端で折り返す部分には聖人像が置かれています。筆者は下りで階段を利用しましたが、上りで利用しても泉や聖人像を眺めながら上れば、坂のきつさも忘れるかもしれません。
水力ケーブルカーは、水の位置エネルギーを利用したもので、エネルギーの面からは水力発電と同じです。エネルギーの単位はジュールが使われていますが、これは位置エレルギーと熱エネルギーの関係を事件したイギリスの物理学者ジュールにちなんだものです。ジュールの実験装置の模型が科博にもありますが、重りが下降するときに水をかき回すプロペラを回し、その時の水の温度上昇を測定して、仕事量と熱量の関連を求めるものです。ITの分野で使われる単位名はほとんど人名ですが、面白いのはエジソンは無くてテスラがあるのです。現在テスラは電気自動車のメーカー名として知られますが、テスラは磁束密度の単位名に使われているクロアチア出身の科学者です、エジソンは、電気の送電に直流が良いと主張し、テスラは交流を主張し現在もその主張の流れで発送電は原則的に交流が使われています。エジソンの主張が通っていたら、電気の分野はこれだけ発展していなかったかもしれません。
ボン・ジェスス教会があるブラガは、ポルトガルの北西部、ポルトガルの第2の都市であるポルトの北80kmほどの内陸都市です。リスボン都市圏、ポルト都市圏に次ぐ第3の都市圏の中心地です。現在はポルトから速い列車だと40分ほどで町の中心のブラガ駅に着くようですが、筆者が訪問した時は鉄道駅が改修中で、やむなく2時間以上をかけてバスで行きました。リスボンは楽しみの町、ポルトは働く町そしてブラガは祈りの町と言われ、市街地に数多くの教会があります。その中でボン・ジェスス教会は町の中心から東に3kmほどバスで15分くらい、都市圏を取り囲む山の麓からケーブルカーに乗るかつづら折りの階段を上ったところにあります。
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18世紀に新古典主義の様式を使いプロテスタントに対抗したカソリックによって建てられたのがボン・ジェスス教会です。堂内は淡いパステルカラーでまとめられ威圧感よりかわいらしさを感じます。堂内では結婚式の最中で、式に参列してパイプオルガンの演奏も聞くことができました。教会によっても違いますが、結婚式はオープンで二人を祝福する人は誰でも参列してもよいところが多いようです。
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さて、水の重力で動くケーブルカーの仕組みです。ケーブルカーの対になった籠の床下に各々水タンクがあり、上の駅にいる籠の水タンクに水を入れ、下の籠の水タンクからは抜くと、重力差が生まれて軽くなった下の籠は上に、上に居て重くなった籠は下に降りてきます。上の駅から下の駅に水が流れ落ちる時にケーブルカーの籠を道連れにしているとでも表現できるでしょうか。電気も燃料も要りませんが、水の出し入れに手間取るので、頻繁な運行は無理のようです。筆者が訪問した18年前は、台車のみが傾斜して車体は水平を保つような設計の古風なものでしたが、現在は新しいものになっているのかもしれません。上の駅に着くと、芙蓉らしき花が満開です。芙蓉は日本や中国など東洋原産でヨーロッパで見ることは珍しい植物で、日本との交易でポルトガル人が持ち帰ったものかもしれません。同じ株に色の異なる花が咲いていたので、咲いているうちに花の色が白から赤に変わる酔芙蓉(酔っ払ったように見えることからの命名)だったのかもしれません。
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ケーブルカーも面白いのですが、見どころは教会の正面に通じる階段で、片道はこの階段を通ることを勧めます。この階段は白と灰色が基調で、階段下の入り口のアーチなども白に灰色の縁取りでまとめられています。階段の下半分は通常の形ですが、上半分が幾何学模様のつづら折れの階段です。階段下から眺めると四角形と三角形白のパネルを灰色で縁取りしたものが幾重にも重なって見えます。実はこの白い部分はパネルではなく、階段の側壁なのです。教会に向かって中心軸となる位置には泉などが配され、両端で折り返す部分には聖人像が置かれています。筆者は下りで階段を利用しましたが、上りで利用しても泉や聖人像を眺めながら上れば、坂のきつさも忘れるかもしれません。
水力ケーブルカーは、水の位置エネルギーを利用したもので、エネルギーの面からは水力発電と同じです。エネルギーの単位はジュールが使われていますが、これは位置エレルギーと熱エネルギーの関係を事件したイギリスの物理学者ジュールにちなんだものです。ジュールの実験装置の模型が科博にもありますが、重りが下降するときに水をかき回すプロペラを回し、その時の水の温度上昇を測定して、仕事量と熱量の関連を求めるものです。ITの分野で使われる単位名はほとんど人名ですが、面白いのはエジソンは無くてテスラがあるのです。現在テスラは電気自動車のメーカー名として知られますが、テスラは磁束密度の単位名に使われているクロアチア出身の科学者です、エジソンは、電気の送電に直流が良いと主張し、テスラは交流を主張し現在もその主張の流れで発送電は原則的に交流が使われています。エジソンの主張が通っていたら、電気の分野はこれだけ発展していなかったかもしれません。