世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

人の流れの中心は東の三宮に移りましたが老舗の店が並ぶ元町は神戸の代表商店街です

2020-01-19 08:00:00 | 日本の町並み
 町の中心街に独特の看板建築が残る商店街があるのが石岡でした。この商店街は、なかなかレトロでいい感じですが、人の姿をあまり見かけず寂しい感じを受けます。人口減少の影響なのでしょうか、寂れた様子です。新しい駅ができたりなどで人の流れが代わったりして、町の様子が変わってしまうことが多いものですが、その一つが神戸の元町商店街です。今回は、学生時代に、よく本屋のはしごをした元町商店街周辺を紹介します。

 
 
 神戸の元町商店街は、JRや阪神の元町駅の南に西に延びる商店街でおよそ1.2kmほどの長さがあります。かつては、現在の元町駅のところに三ノ宮駅があり、1931年に鉄道の高架化に伴い三ノ宮駅は東に移動して現在の場所に、かつての三ノ宮駅は元町駅になったそうです。かつては旧居留地に近く神戸の中心地の西国街道沿いにできたのが元町商店街で、人の流れが三宮に移った現在でも、老舗の本店は元町商店街にあり、どことなく重さの感じる商店街になっています。

 
  
 最近は老舗に交じって商店街に面したマンションが増えて、かつては服屋が多かった街並みに住人目当てでしょうか、生鮮食料品を売る店が増えました。さらには、映画館もあってコンビニや百均の店など何でもあり!の様相です。変わったところでは、店頭に動く恐竜の模型とローマの真実の口の模型の並んでいる商店があって、店内より店頭がにぎわっていて、外人も珍しがって写真を撮っているようです。ただ、筆者がはしごをした本屋はすべて閉店してしまい、古書店が細々と営業しているにすぎなくなりました。

 
 東の一丁目に隣接して大丸百貨店があり、西の六丁目にはかつては三越がありましたが、人の流れが変わって客足が遠のき閉店してしまいました。大丸に近い三丁目あたりまでは、南京町と並行することもあって、人の流れも多いのですが、西に行くほど少なくなり、走水(はしうど)神社にのある五丁目あたりは夜の8時ころともなるとほとんど人通りを見なくなります。走水神社は難読名ですが菅原道真を祭る神社で、境内には狛犬ならぬ狛牛の像が置かれています。

 
 
 
 
 
 
 商店街の南側には南京街があり、春節などには獅子舞や龍踊りでにぎわい、かつては夜光龍といってブラックライトに浮かびあがる龍踊りもありましたが、最近は見なくなりました。この南京街には東西と南に3つの門があって、横浜の中華街と似たような町並みですが、東西250m、南北100m程度でやや小ぶりです。筆者の学生の頃には、観光地といった感じでは無かったのですが、現在は休日ともなれば通り抜けるのに苦労するほど観光客であふれていて、名物店には長い行列ができています。関東では中華まんや肉まんの名称で呼ばれる豚まんは、南京町の老祥記が日本での中華まんの起こりという説があり、広場に面した老祥記の前にはいつも長い列ができています。実はこの老祥記はもう一軒の店が商店街の5丁目にあって、こちらはさほど混雑していないようです。ちなみに、暮れの定番となったルミナリエは、南京町の東端から東に延びる仲町通りから東遊園地にかけて行われます。

 元町商店街を歩くと、いろんな種類の店屋があるにもかかわらず、携帯屋はあっても不思議と家電品を売る店が見当たりません。最近の家電品はネットワークにつながるIoT売りになっているので携帯屋とは親和性がいいように思うのですが。ただこのIoTには疑問があります、最近に聞いた講演で、スパイチップの存在が脅威になりそうだからです。ソフトウエアに感染するスパイウェアは、広く知られるようになり、駆除の方法も広まりました。しかし、ハードウエアに潜むスパイチップは、検出が極めて困難で、あらゆるチップに潜り込む可能性があるようです。そう、家電品をネットにつなぐチップにも容易に潜り込んで様々な悪さをする危険があります。現在の技術レベルでは、家電品がネットにつながる便利さよりも、危険の方が大きいように思います。