検察とマスコミとの癒着は今始まったことではない。検察が自分たちに有利な世論をつくるために、意図的にマスコミにリークするというのは、これまでも行われてきたことだ。それ自体も大問題であるが、今回は黒川前東京高検検事長とマスコミ関係者が日常的に賭けマージャンを行っていたことが露見したのである▼マージャンの相手が産経新聞と朝日新聞だったというのも驚きであった。マスコミでは朝駆け夜討ちという言葉があるが、取材対象に密着することが推奨されてきた。友達になって情報をもらうというのは、彼らにとってあたりまえのことなのである。検察もマスコミも巨大な権力である。一緒に組めば時の権力者を倒すことも容易であり、あまりにも衝撃的であった▼尾高朝雄は「法の性格は、政治によって規定されつつも、政治の動向を牽制し、政治の対立を調和し、社会団体の統一を保持しようとするところに見出される」(『法哲学』)と述べていた。法が一定の立場に固執して世の中を動かそうとすれば「かえって対抗政治勢力を内向せしめ、これに急激な爆発力を与え、ために法と政治の正面衝突を惹起するおそれがある」(『同』)というのだ。検察がマスコミと一緒になって騒ぎ立てるというのは、法の根本理念からしても絶対に許されることではないのである。
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㉝笠井尚氏の会津の本を読む 家近良樹の『江戸幕府崩壊 孝明天皇と「一会桑」』