久しぶりに京都にやってきたが、地下鉄の駅を二区間ほど乗っただけでも、若い人が多いのには圧倒された。そして、親切に道を教えてくれた龍谷大学の学生などは、私が福島県人であるのを知ると、原発事故の対応で遅れをとった民主党政権を、激しい口調で批判していた。東京以上に関西の若者たちは、指導者としての責務を果たそうとしない民主党政権に苛立っているのだろう。そして、その若者もそうであったが、ネットで情報を仕入れているのがよくわかった。ブログを書くというのは、孤独な作業である。誰が読んでくれているかも見当がつかない。しかし、全国を歩いていると、まっとうな若者が多くなってきたという気がする。それと比べると、団塊の世代や、それに連なる私たちの世代は、もうひとつ自信がなさ過ぎる。倹約旅行でもあるので、今回は代々木駅近くのバスターミナルから京都行きの高速バスに乗ったが、少しばかり時間があったので、紀伊国屋の新宿南店を覗いてみた。そこで田尻祐一郎の『江戸の思想史』を見つけたので、すぐに買い求めた。以前に『山崎闇斎の世界』を読んでファンになっていたが、日本を代表する思想家を料理する手際のよさは、目を見張らせるものがあった。それでいて、日本の国柄について批判的であるのは、サヨクであることがインテリの代名詞と勘違いしているからだろう。70年安保騒動で革命ゴッコをやった世代が去らなければ、思想的にも日本はまっとうにならないのである。
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