草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

繁栄にうつつを抜かす日本人を諌めんとした三島由紀夫

2011年09月01日 | 思想家

 松下幸之助というと、まるで神様扱いする人たちがいるが、私には理解できない。経済優先とやらで、日本人は大事なものを失ってしまった。そして、国民こぞって目先の享楽に走ったのである。ノブレス・オブリージュの使命感がなくなったから、キャリア官僚も批判されたのだろう。豊かさだけを追求しようとする人たちには、三島由紀夫の死は理解できないだろう。三島の親友であった村松剛は、かけがえのない友の自刃について「軍隊と国民とを諌めようとした」(『回想の三島由紀夫』)との見解を示した。三島の衝撃的な死があったればこそ、このままでは日本が滅びるという危機感がみなぎり、それが日本を救ってきた。しかし、その防波堤があっけなく崩れ落ちたのが、一昨年の総選挙であった。ほとんどが二世三世の国会議員であり、それを押し返す力など、自民党にあるはずもなかった。経団連を始めとする連中は、自分たちの金儲けができれば、民主党であっても、一向にかまわないのだ。中共に弱腰であるのも、市場として有力視されているからだ。国の根幹が何であるかの認識もなく、功利と打算が幅を利かせている。三島の辞世の句は「散るを厭う世にも人にもさきがけて散るこそ花と吹く小夜嵐」であった。死んで見せなければ、目を覚まそうとしない日本人に、三島の腸は煮えかえっていたのだ。

 

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松下幸之助流ではなく清貧に甘んじる者こそ真の指導者だ!

2011年09月01日 | 思想家

 民主党政権は嘘ばかり吐いている。民主党代表選に隠れて、福島第一原発の悲惨な現状は話題にならなくなっていたが、昨日あたりは汚染水処理システムの半分が停止したとか。それでよくステップワンを達成したとか、ステップツーに向かっているとか、国民に嘘八百言えたものだ。チェルノブイリよりも隠蔽工作が酷くて、現状がどうなっているか、サッパリ見当が付かない。総理大臣が管直人から野田佳彦に代っても、民主党が政権の座にある限り、彼らは国民を騙し続けるのだろう。今の福島県の現状は、あまりにも異常である。今でも浜通りや中通りに住む子供たちが、放射性物質による高濃度汚染地帯に放置され、「頑張ろう福島」のかけ声に促されて、地場の農産物を食べさせられている。それほど悲劇的なことがあるだろうか。人の命よりも、経済効率を優先させたことが間違いなのである。野田も菅内閣の一員としてそれに加担したのではないか。野田の師である松下幸之助は「清貧よりも清富を」と語ったそうだが、金儲けが上手な人間は、いくら御託を並べても、胡散臭い。貧しくて清い人間よりも、豊かで清い方が上だと考えたのだ。しかし、今求められているのは、商人国家としての日本ではなく、清貧に甘んじる志の高さなのである。裏世界からでも金集めをする野田にそれを望んでも無理だろうが。

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