2020/9/23放送
世の光の時間です。いかがお過ごしでしょうか、福井 誠です。継続は力なり、聖書を一日一日と読み進むなら不思議にも自然に養われるものがあります。今日も聖書を開いてまいりましょう。エゼキエル書19章1節から「哀歌を唱えよ」と題してメッセージをお伝えいたします。
「あなたはイスラエルの君主たちのためにこの哀歌を唱えよ。」
エゼキエル書はこれまでずっと散文形式で書かれてきました。しかし今日の箇所だけは詩文形式になっていて、独立した哀歌となっている部分です。そこにはエルサレムの滅亡について二つの例えが語られ悲しみが綴られています。
第一に、獅子の例えが語られます。雌獅子はユダの国、子獅子は王たちのことです。つまりユダの国は獅子に例えられる力と威力を振る近隣諸国に囲まれていて、そのような状況の中でエホアハズやエホヤキムというユダ南王国最後の王様が起こされたことを語っています。しかしその獅子のように獰猛な王様たちも最後には神の前に正しい歩みをしないために裁かれて退けられていったというわけですね。
第二の例えはぶどうの木です。それを別の角度からユダ南王国の末期の王たちの運命を語っています。ですから、ぶどうの木は明らかにユダの国のこと、その強い枝はゼデキヤ王のことを指しています。いずれもユダ南王国の末期の王たちの行く末について述べているのです。しかもイスラエルの国の歴史は終わったと言うので哀しみの歌、哀歌となるわけですが、神のイスラエルに対する関わりは実は終わってはいません。
これ以降、エゼキエルは南ユダ王国の復興、新しい希望について語っていきます。
聖書は通読して全体を読まなければその本当に大切なメッセージもその深さも見えてこないところがありますね。詩人のホイットマンは、寒さに震えた者ほど太陽を暖かく感じる、と語りましたが、エゼキエル書も寒さに震えた者に太陽の暖かさをしみじみと感じさせる預言集です。その預言が昔物語で終わるのではなく、今の私たちにとっても慰めであり励ましであることを知っていただきたいと思います。
では良き一週を祈ります。
( PBA制作「世の光」2020.9.24放送でのお話しより )
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