ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

善龍院で初庚申祭ー江戸時代からの伝統行事

2023年01月22日 05時28分53秒 | Weblog
 


 21日(土)、加東市社の善龍院では、初庚申祭が行われました。令和5年の始めの庚申祭です。善龍院は、涌羅野山慈眼寺善龍院の寺号をもつ真言宗のお寺で、赤穂の浅野氏の分家である家原浅野氏の菩提所として代々の領主の位牌が納められていることや、この初庚申祭には多くの人々が参詣し、庚申寺として知られる由緒ある寺院です。
 10時過ぎにお参りすると、檀家の皆さんが参詣者にお接待をされていました。庚申堂にあげていただき、修復された仏像などを拝観させていただきました。堂内に積まれた大般若経は600巻あり、その一巻を見せていただくと、享保年間のもので、およそ300年前のものでした。このお祭りも370年近い長い伝統があるお祭りだと聞いています。
 10時30分過ぎから庚申堂で僧侶による大般若経の転読が行われました。僧侶が大音声とともに積まれた大般若経典を転読するようすを多くの参詣者が拝観しました。
 庚申堂のご本尊は青面金剛大明王(しょうめんこんごうぞう)、すなわち庚申さまで、開運、厄除け、五穀豊穣、無病の守り本尊として昔から信仰されています。お祭りでは、「庚申お猿」という布でつくられた猿のお守りをいただきますが、「災難を去る(猿)」ということで、翌年奉納すると、ご利益があり念願がかなうといわれています。お参りのあとは、よもぎ団子と昆布茶の御接待をいただきますが、コロナの間は、団子をいただき、持ち帰る形になっています。
 明治維新により神仏分離が行われるまで、善龍院は持寶院とともに佐保神社の社僧を務めていました。そうした名残も神社やこの善龍院の庚申堂にもあると前住職に教えていただきました。
  
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