ソール・ライターの原点 ニューヨークの色
ヒカリエホール ホールA (渋谷)2023年7月8日-8月23日
ソール・ライター(SAUL LEITER 1923-2013) はニューヨークの写真家、1950年代にほとんどの優れた写真家がモノクロで競っていたのに、この人だけはコダクロームのポジカラーを使って街を撮り、その後ファッション誌「ハーーパーズ・バザー」で活躍するも、しばらく忘れられていたが、2006年に前記のポジカラーの写真集「アーリー カラー」が出版され再認識された。
全く知らなかったが、先週の「新美の巨人たち」(テレビ東京)で目にとまり見てきた。上記の写真以外に、当時のニューヨークの有名な美術、音楽など前衛の人たちの写真、画家でもあるライターの個性的な色感覚の絵などがあり、またアーリー カラーのスライド上映をゆっくり鑑賞することができた。
ライターの写真は街の何げないところに眼を向け、普通の完成された写真ならベストショットをねらうところを、たとえば雨に濡れたガラス越し、横切るもの、雨にうたれた地面、雪でぐしゃぐしゃになり車でひっかかれた跡がむしろ主役、などなど、そして縦長の構図が多く、それは何をメインにするか余計な背景はなくてもいいという割り切りだけど、他ではあまり見ないもの。
私から見ると、ものごころつくちょっと前、アメリカ(だけ)がきわめて豊かだった時代のごちゃごちゃしたニューヨーク、その後映画や話で想像した世界、それが素というかフィルタをかけない形で見えてきた。
少しアンテナを広げているとこういう望外の発見があることは、うれしい。
ヒカリエホール ホールA (渋谷)2023年7月8日-8月23日
ソール・ライター(SAUL LEITER 1923-2013) はニューヨークの写真家、1950年代にほとんどの優れた写真家がモノクロで競っていたのに、この人だけはコダクロームのポジカラーを使って街を撮り、その後ファッション誌「ハーーパーズ・バザー」で活躍するも、しばらく忘れられていたが、2006年に前記のポジカラーの写真集「アーリー カラー」が出版され再認識された。
全く知らなかったが、先週の「新美の巨人たち」(テレビ東京)で目にとまり見てきた。上記の写真以外に、当時のニューヨークの有名な美術、音楽など前衛の人たちの写真、画家でもあるライターの個性的な色感覚の絵などがあり、またアーリー カラーのスライド上映をゆっくり鑑賞することができた。
ライターの写真は街の何げないところに眼を向け、普通の完成された写真ならベストショットをねらうところを、たとえば雨に濡れたガラス越し、横切るもの、雨にうたれた地面、雪でぐしゃぐしゃになり車でひっかかれた跡がむしろ主役、などなど、そして縦長の構図が多く、それは何をメインにするか余計な背景はなくてもいいという割り切りだけど、他ではあまり見ないもの。
私から見ると、ものごころつくちょっと前、アメリカ(だけ)がきわめて豊かだった時代のごちゃごちゃしたニューヨーク、その後映画や話で想像した世界、それが素というかフィルタをかけない形で見えてきた。
少しアンテナを広げているとこういう望外の発見があることは、うれしい。