先日、スイミング・スクールのレッスン時間、顔は見たことがあった子が初めて同じコースに来た。こういうときは声をかけることにしていて、「何年生?」ときくと中2だという。
この日は4種目を平均してやったのだが、彼は全部やわらかい動きと早いピッチでみごとに先頭をこなしていた。とりわけ感心したのがクロールの手でかいた後、つまりリカバリが見事に体の近くを肘がリードする形でできていること、いわゆる「ハイ・エルボー」であった。
終わった直後に「きれいなハイ・エルボーだね、手本になるよ」というと、うれしそうな顔をした後、なんとポイントを説明し始めた。それも的確な言葉と理屈で、かまえず自然体で。
そのなかで、肘が頂点に来てからは、力を抜き重力で自然に前方へ落とすようにやればよい、というのがなるほどと腑におちた。
肘を高くするところまでは普通教わるけれど、そのあとはできるだけ腕を伸ばす、そのときローリングをして手先がより前へと考えていたのだが。
これは多分、ハイ・エルボーと従来のストレート・アームすなわちあまり肘を曲げないで体の外側少し離して前に持っていく、どっちでもよいということにスクールではなっていることから、おさえるべきポイントが混合しているからだろう。
子供たちにはハイ・エルボーのようだが、私たちシニアもいれば強制はできない。そういう中で、筋力のある人は従来のやり方で、腕を最後はできるだけ前にでもいいのかもしれないが、ハイ・エルボーの利点をよくいかすには、リカバリだけでなく、キャッチまでの動きも彼の教えるようにしたほうが、エネルギー・ロスが少なくていいのかもしれない。
それで2日後に試してみたら、ピッチを上げやすく、それでも疲れないから、少し早くなったような気がする。当面続けてみようと思う。
それにしても、14歳で体で覚えているだけでなく、頭の中でなぜこうするのかが整理されていて、大人に理論的に説明できるということに感心した。おそらく学校などで後輩に教える立場でもあるのだろうが。
子供のころから水泳を本格的に習う環境ができて久しいが、その効果はこういうところにもある。