メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

つばめ (メトロポリタン)

2012-03-10 16:46:10 | 音楽一般
プッチーニ:歌劇「つばめ(La Rondine)」
指揮:マルコ・アルミリアート、演出:ニコラス・ジョエル
アンジェラ・ゲオルギュー(マグダ)、ロベルト・アラーニャ(ルッジェーロ)、リゼット・オロペーサ(リゼット)、マウリシュ・ブレンチュー(プルニエ)、サミュエル・レイミー(ランバルト)
2009年1月10日 ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場、 2011年3月WOWOW放送録画
  
メトでも1936年以来の上演で、この旋律がきわめて美しいが埋もれていた作品を、近年になってゲオルギュー/アラーニャのコンビが復活させたようなものらしい。
20世紀になってからの作品?と驚くが、どうも最初はオペレッタとして計画されたものが普通のオペラになったという経緯があるらしく、それならと思えなくもない。
 
あまり難しく考えず、美声をきわめたいくつもの二重唱や四重唱を楽しめばよく、また歌手たちも気持ちよくチャレンジしているようだ。
 
話は「椿姫」と「ラ・ボエーム」の要素が散見されるちょっといい加減なものだが、これも厳しいこといってもしょうがない。
 
はじめて聴く歌手のなかでは小間使を演じるリゼット・オロベーサがなかなかの演技を見せる。サミュエル・レイミーもこういう歳の役をやるようななったかと感慨深い。このひとのドン・ジョヴァンニはかっこよかったが。
 
ゲオルギューは声、歌唱、見た目、演技、みな申し分ないが、どこかバランスを突き崩したところ、「破」とでもいうのだろうか、それがあるといいのだが。いくつかのオペラに「狂乱の場」があるのも、そういう要求がよくあることに応えているのかもしれない。

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