ソーシャル・ネットワーク (The Sosial Network 、2010年米、120分)
監督:デヴィッド・フィンチャー、原作:ベン・メズリック、脚本:アーロン・ソーキン
ジェシー・アイゼンバーグ(マーク・ザッカ―バーグ)、アンドリュー・ガーフィールド(エドゥアルド・サベリン)、ジャスティン・ティンバーレーク(ショーン・パーカー)、アーミー・ハマー(キャメロン&タイラー(双子)・ウインクルボス)、ルーニー・マーラ(エリカ)
SNSの世界標準に上り詰めた感があるフェイスブックを作ったマーク・ザッカ―バーグとその周辺の物語。実名でザッカ―バーグやナップスターのショーン・パーカーが登場する映画がもう出てくるというのは、まさに現代のスピードというほかない。
結果としてポジティブな評価も多いこのフェイスブックであるが、その成り立ちの物語については、監督のフィンチャーはさめた目で見ている。
不純な動機で作ってしまったものがとてつもなく大きくなっていくが、その過程でパクられた、共同経営での行き違いなどから訴訟になり、そのやり取りと立上げ時の話が交互に、しかもマークのとてつもなく早いしゃべりとともに、次から次へと出てくる。
いらいらしてくるけれど、場面変換のタイミングが巧妙なのか、ビデオで見ていてもあまり途中で止まらずに見てしまった。
しかし監督に感心するのはそれだけ、世界に影響を与えたわりには、主人公たちのどたばたはどうでもいい話である。最後はどれだけ儲かるかと功名心。
こうなると、アメリカは不動産、金融バブル崩壊のあと、こっちで崩壊するのではないか。
こういう人たちは天才ではない。たまたま気の利いたアイデアが、いいタイミングで出てきて、それに投資がむらがり、大きくなっただけである。
アカデミー賞でどうだったかということに惑わされるつもりはないが、確か昨年は相当前評判が高かったにもかかわらず、主なところは「英国王のスピーチ」に持って行かれた。それでよかったと思う。