「生誕100年 岡本太郎展」 東京国立近代美術館 3月8日―5月8日
岡本太郎(1911-1996)の作品のうち多くは知っていると思っていたが、それはTV番組でのことが多く、現物はこの東京国立近代美術館にあるものを常設展などで見ているだけだったようだ。
岡本太郎記念館も川崎市岡本太郎美術館も、まだ行ったことがない。
それはともかく、こうして特に初期の作品から見ると、この人にもかなり緻密な計画性があって、そうして計算もしつくしたあげく、それらをおそらく一度解体し、あたかも本能と直観による行為のようなかたちで表出しているようだ。
特に「傷ましき腕」は一度見たかったものだけれども、かなり大きな絵で、絶賛されたこともわかる。
太郎の絵を見ていると、この美術館で何度も見ている靉光の「眼のある風景」を思い浮かべるけれど、もちろん画家二人は交錯していない。
ところで渋谷駅にある「明日の神話」の右下端、エスカレーターが通る傍で緑の板みたいな部分に福島原発事故を想像させる絵を張り付け、すぐに撤去された事件があったが、どんなものか見てみたかった。いずれ撤去されるべきものだとはいえ、太郎が生きていたら「にやっ」としたのではないか。