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メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

福澤諭吉 展

2009-02-24 22:09:33 | 雑・一般
未来をひらく 福澤諭吉 展」(東京国立博物館 表慶館、2009年1月10日~3月8日)
 
福澤諭吉とはいかなる人か、著書、自筆原稿、書簡、遺墨、遺品、写真などから構成されている。慶應義塾創立150年記念行事だそうだ。
この数年、仕事で多少関係があったとはいえ、慶應義塾に在学したこともなく、家族に卒業生、関係者もいない。それでも、こうして1時間ほどひととおり見ると、福澤とはいかなる人か、その時代、その影響、というものがひととおりわかるよう、よくできている。これもアーカイブとその適切な展示の効用だろう。
 
この展示は、まったく偶然にも、最近読んだ2冊の(この2冊が続いたのも偶然)日本語に関する本、「白川静 漢字の世界観」(松岡正剛)、「日本語が亡びるとき」(水村美苗)につながっている。
 
福澤は、最初、ペリー来航のころオランダ語習得に熱心で緒方洪庵のところにいったら、もうオランダ語どころでなく英語でないとだめということがわかり、がっかりする間もなく寝る間を惜しんで猛勉強したという話が、後者の本に出ている。そして、翻訳と近代化という流れで大きな役割を果たした。
 
「版権」をはじめ、福澤の翻訳による造語はかなりあるようだ。
 
写真の数も多い。1万円札に使われているのは、本人が一番気に入っているものとか。

アカデミー賞とデジタルアーカイブ

2007-02-28 22:01:27 | 雑・一般
2月25日(日)(米国時間)に行われた第79回アカデミー賞授賞式の中ほどで、司会のエレン・デジェネレス(Ellen DeGeneres)から、映画芸術科学アカデミーは賞だけでなくいろいろな活動をやっていてこれから60秒で会長のシド・ガニスがその紹介に挑戦するとあり、映像のモンタージュと早口の解説でそれが始まった。
 
その中でポール・ニューマンの初期作品をリマスターする(?)などが示された後、新しい仕事・課題としていくつかが箇条書で表示されたが、最初に、
Digital archiving and preservation
とあった。
 
この「デジタルアーカイブ」は10年少し前に和製英語として始まり、自然な単語結合であったためか英米人に話しても違和感なく受け止められていた。
とはいうものの、向こうから最初に発せられる言葉であることは稀だっのだが、今回のように出されると、ようやくこの言葉とコンセプトの認知が一段階進んだかと、感慨ひとしおである。

爆笑問題と東大の教養

2006-07-13 22:53:49 | 雑・一般
「爆笑問題と東大の教養」というNHKの番組、少し前の深夜45分のものを見たが、7月8日(土)教育テレビでほぼノーカットとかで1時間30分、録画して見た。
 
おそらく専門科・専門家集団としての東大といわゆるリベラル・アーツとしての教養・教養学部の意味、存在意義について、外部から爆笑問題という刺激を与えることによって、その姿を浮き彫りにする、というのが小林康夫の目論見だったのだろう。
 
しかし、それは爆笑問題の太田にはすぐに見とおされることであり、始まってしばらくするとそれをつくろいながら追いかけるのに小林は苦労していた。
 
東大は他大学に比べてもこのところ営業に熱心であるが、やはりもう少し覚悟を決めたほうがいい。すなわち、
①つべこべ言わさせずにこれだけはやれというものを提示する。
②好きで熱中することについては言い訳をしない。
③それでも明らかな結果を出す、お金になるものを少しでも多く出していく。
要はこれだけであろう。
 
客席の多くの学生を見ると、栄養と出産・小児医療がよくなったのだろうか、昔に比べると顔が整っている。
 
番組の冒頭、この企画との比較で37年前の東大全共闘と三島由紀夫の対決シーンが少し出ていたが、当時の緊張感、期待感とは比べるのが無理というものだ。
 
東大の判定負け