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生かされて

乳癌闘病記、エッセイ、詩、童話、小説を通して生かされている喜びを綴っていきます。 by土筆文香(つくしふみか)

まだまだまだまだ

2008-09-26 17:37:20 | 日記

児童文学の会(正式名は、日本児童文学者協会茨城支部です)の合宿に行ってきました。泊まったのが県立中央青年の家(土浦市内)なので、修学旅行に行った気分でした。当日は青年の家に80人の中学生も泊まることになっていたのですが、キャンセルになり、広い施設をわたしたち8人だけで使わせていただきました。時間的に余裕があったので、たっぷりある休憩時間にはお菓子を食べながら雑談をし、楽しい時を過ごしました。

最初に日本児童文学者協会理事の本木洋子さんが児童文学についてレクチャーしてくださいました。

2年前、北関東児童文学交流会のときの講師も本木さんでした。(2006年6月19.20のブログに書いています)とても深い内容で、たくさんのことを教えていただきました。全部は紹介できませんが、印象に残ったことを書かせていただきます。


*「ことばの業」について

朝日新聞のコラムCM天気図で天野祐吉さんが『ことばが貧しい政治家について』書いていますが、文学者にもあてはまります。

ことばに魅力を出すには、何も難しいことばを使うことはありません。「美しい」「一生懸命」など概念的なことばを使わず、自分だけの体験を通して培ったことばを用いることによって、人を誘い込んでいきます。
また、オノマトペ(擬音語、擬声語)を効果的に使うことも大切です。

*視点の問題について
一人称の作品は、作品全体が統一性を持ち、作者の意図が出しやすいのですが、限界がつきまといます。また、主人公自身がカメラマンなので、主人公を通して見た世界だけを描いています。

三人称の作品は、カメラマンが別にいるので他者的視点で見ることができます。登場人物ひとりひとりにカメラを向けることができますが、カメラの向きはひとつのシーンで一人に固定することが大切です。そうでないとぶれてしまいます。カメラを向けてない人の心理は動作やセリフで表すようにします。

最近の児童文学は、一人称的三人称で書かれたものが増えてきました。一人称的三人称とは、一人称の視点を保ちながら三人称として書く方法です。

*一元描写と多元描写について

一元描写とは、ひとつのシーンでは常に一人の登場人物にスポットをあてて書くことで、多元描写とは、ひとつのシーンで何人もの人物にスポットをあてて書くことです。一元描写をマスターして視点がぶれないようにすることが大切です。


レクチャーの後、作品の講評をしていただきました。提出されていた作品は長編が4つでしたので、一作品に一時間半くらいかけてじっくりと学ばせていただけました。

わたしの作品について、仲間の一人は「前回の作品よりずっと良くなっている。出版へ近づいたね」と言ってくれました。それを聞いた本木さんが言った言葉は「まだまだまだまだ」でした。そしてたくさんの『やぶれめ』を指摘していただいて、「うん、うん」と納得し、自分の未熟さとことばの貧しさ、そして勉強不足を痛感したのでした。

まだ×4です。ひとつの「まだ」が5年としたら、20年ぐらいかかるのでしょうか。気が遠くなりそうです。でも、年老いても脳細胞は活性化し続けるそうですから、あきらめずに書き続けたいと思いました。


今日は病院で血液検査を受けましたが、その帰りに図書館でたくさん本を借りてきました。



*写真は青年の家から写したものです。高台にあるので、見晴らしがよかったです。
「青年の家」の食事はとてもおいしく、広いお風呂もあり、宿泊費は1泊(3食付き)何と2140円でした。研修目的なら、だれでも泊まれるようです。

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