先月、読書会で読んだ「レ・ミゼラブル」の感想をブログに書きましたが、
その前に読んだシェンキェーヴィチの「クオ・ワディス」の感想文が出てきましたので紹介します。
この小説には、古代ローマの暴君・皇帝ネロに迫害されるキリスト教徒の姿が描かれています。
『クオ・ワディス』とは、ラテン語の『Quo Vadis domine?(主よ何処へ)』からきています。この小説のキーワードになります。
ストーリー性にすぐれ、読み始めたら夢中になります。まだお読みでない方はぜひお読みください。
感想
ネロや人々が、キリスト者惨殺の様子をみて饗宴を催すということが信じ難く、その神経はどうなっているのだろうと思いました。しかし、それは事実だったようですね。人間の中に潜む残虐性を見る思いです。
ネロに反逆することなくじっと耐え、天国への望みを抱きながら死んでいくキリスト者たちの姿には感動をおぼえます。人々を励ますパウロやペテロの言葉にも胸が震えました。
虐殺の場面を読んでいて、神様はなぜこれほどひどいことが起こるのを許したのだろうか? なぜ目を見張るような奇跡を起こしてキリスト者たちを助けなかったのだろうか? という疑問が沸いてきました。遠藤周作は、キリシタン弾圧のときに沈黙しておられる神を描いています。
しかしシェンキェーヴィチは、ふたつの奇跡的出来事を書くことによって、事実を超えた真実を描いています。それがシェンキェーヴィチの信仰なのだと感動を覚えずにはいられません。
奇跡的出来事とは、ローマを離れようとするペテロの前にキリストが現れる場面と、ウルススがリギアを救う場面です。
ウィニキウスの心の変化、信仰を持ち、ほんとうの愛を知るようになる過程。ペトロニウスのギリシャ・ローマ的考え方や生きざまなど興味深く読ませていただきました。
*ヒックンは熱が37度台に下がったそうです。お祈り感謝します。
これから実家に行きます。