「あなたのために祈った」 マルコによる福音書14章27~31、66~72節
最後の晩餐を終え、主イエスと弟子達はオリーブ山に向かいました。そこで主イエスは、これから起ころうとする十字架と復活を弟子達に語りました。
Ⅰ 人間の愛の限界
弟子達は、間違ったメシヤ観を持っていたり、この際に及んでも誰が一番偉いかなどと、人間的な弱さがありました。しかし、彼らは、主イエスを彼らなりに愛していたのです。それは、彼らがすべてを捨てて主イエスに従ってきたことからもわかります。主イエスも弱いなりの彼らの愛を受け止め、彼らを最後の最後まで愛されました。
主イエスの十字架を聞くと、どこまでも、例え、死のうとも主イエスに従っていくと、ペテロを始め弟子達は力を込めて言いました。しかし、主イエスはペテロに、「にわとりが二度鳴く前に、三度わたしを知らないと言うであろう」と言われます。
この主イエスの言葉の通り、主イエスが捕らえられると弟子達はちりちりばらばらに逃げ、ペテロは三度、主イエスを知らないと言いました。ペテロは、自分の弱さ、自分の愛の限界、自己保身で数時間前に誓ったことさえも守れない自分のふがいなさ、主イエスへの申し訳なさに泣いたのでした。
Ⅱ 主イエスの愛に支えられて
裏切っていくペテロや弟子達に対して、主イエスは、最後まで愛されました。十字架の直前にいたるまで彼らと共におり、ペテロには「あなたの信仰がなくならないように、あなたのために祈った」と語られました。また、復活された主イエスは、ガリラヤ湖畔で、もう一度ペテロに福音宣教の使命を与えられました。
ペテロは、この愛と祈りに支えられ、悔い改め立ち上がっていき、他の弟子たちを力づけていったのです。
私達は主イエスを愛しています。しかし、弱く罪深い私達は、時々失敗をしてしまうのです。そんな私達に対し主イエスは、常に祈り赦しをもって迎えてくださるのです。ですから、悔い改めてこの主イエスの愛に支えられて歩もうではありませんか。
2008/2/10 説教者 杉本守
校正:M.S