「信仰の祈り」 詩篇43篇1~5節
この詩篇は42篇の続編とも言われているもので、不信仰の世にあって、神にある者がささげる信仰の戦いの祈りが歌われている。
Ⅰ 人生の試練
42篇の背景と同様に、この詩人はエルサレムからヘルモン山麓に捕らえ移されています。そこで、神を恐れないよこしまな民のしえたげにあっています。その中で彼は、悲しみ歩き(2)、うなだれ思いみだれている(5)のです。彼にとっては大きな試練でありました。この詩人と同様わたしたちの人生の歩みにも、負い切れない試練が時に起こってきます。それは苦しいことです。この試練は何なのだろうかと思います。そして人間的な努力によってなんとかしようとしますが、どうにもならない事があります。そういう試練は、私たちが神の前にきて跪き祈ることによってしか、道が開かれないことを知ります。
Ⅱ 神への祈り
この詩人は、そこで神に叫びます。わたしに臨んでください。わたしのこの出来事に介入してくださいと。神の御手によって、神の民が出エジプトをしたように、私を神の光とまことを送って導いてくださいと。祈りの中で彼は神に取り扱われていきます。そして、三度目の繰り返し「神を待ち望め」は、信仰の確かさを宣言することばになっているのです。
私たちもどんな試練の中にあっても、神を待ち望む信仰をあらわし、祈りによってその試練を乗り越えさせていただきましょう。
2011・6・19 説教者 杉本守