福島県立医大が「電子教科書」を来春導入 動画使い実習
福島県立医大(福島市)が来年度、多機能端末を活用して、動画を盛り込んだ「電子教科書」を採用することになった。学生はインターネット経由で医学実習を学び、学習の進ちょく状況がデータベースに蓄積される。全国的にも珍しい試みで、県立医大は「医学部の実習をさらに充実させることができる」と期待している。
対象は医学部5年生の約80人で、端末は画面の大きさから米アップルの「iPad(アイパッド)」を予定している。実習でマスターしなければならないエックス線画像診断や触診方法について、診療科ごとに動画の教科書を作成する。
勉強した学生はリポートなどを送信。大学はそれぞれの学習状況をデータ化し、指導教員が参考にする。
医学部の5年生は、1年間で約30の診療科の実習(各科1~2週間)をこなさなければならず、患者の症例はそれぞれ異なるといった事情から、必要事項を学び損なうケースもあったという。
県立医大医学部学生部長の錫谷達夫教授は「学習状況をデータベース化することで、学生がどんな実習をしてきたのかを指導教授が把握できるようになる」と説明。さらに「臨床実習の課題は全国の医学部に当てはまる。端末を使うことで解決できることも多い」と指摘する。
年内にテスト運用を開始。来年4月から5年生全員に端末を貸与し、本格的にスタートさせる。将来は6年生の実習や卒業後の研修でも活用することを予定している。
電子教科書などを盛り込んだ事業は、文部科学省の「大学教育推進プログラム」に選ばれ、本年度から3年間で計6000万円の助成金が支出される。
(2010年10月24日 河北新報)
「電子教科書」の取り組みへ第1歩
進化、期待、楽しみ、おそらく確実に発展、広がっていくだろう。
紙から電子へコスト削減になり、多様な活用が始まる。