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認知症の人になぜ運転させたのか」

2007-12-14 10:01:06 | Weblog
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「クルマ高齢社会:記者が行く 
     逆走の認知症男性に賠償命令 被害家族、恐怖今も」
 認知症の高齢ドライバーによる高速道路の逆走事故が全国で相次いでいる。ドライバー自身に逆走の自覚がないまま、悲惨な事態を招くケースは多い。最近、逆走事故を巡る民事訴訟で前橋地裁が認知症ドライバーに対し、被害者への慰謝料の支払いを命じる判決もあった。被害者は「認知症の人になぜ運転させたのか」と問いかけている。

 ◇「なぜ運転させたのか」

 判決などによると、事故が起きたのは05年8月14日午前11時ごろ。茨城県古河市の会社員一家4人は夏休みの帰省のため、群馬県みなかみ町の関越自動車道で追い越し車線を約100キロで走行していた。前の車が左側に車線変更し、逆走する軽トラックがいきなり目の前に現れた。
夫(46)は叫び声をあげながらとっさにハンドルを左に切った。ガードロープや中央分離帯、他の車両に計5回ぶつかって停車した。車内には白煙が立ち込め、火花が散った。4人が車外へ飛び出た後、まもなく炎上した。妻(46)と娘(16)が軽傷、夫と息子(13)は無傷だった。消防隊員は「奇跡」と漏らした。
群馬県警の調べなどによると、逆走した車はそのまま姿を消した。運転者が分かったのは3日後。群馬県内の当時75歳の男性だった。男性は「全く覚えていない」と繰り返した。翌日、医師に「認知症」と診断された。
 男性は事故当日の早朝、親類宅に行くため朝1人で家を出たが、その後の足跡ははっきりしない。午前7時台に事故現場から25キロほど東京寄りのインターチェンジから通行券を取らずに高速道路に入ったことが確認されている。事故はその約4時間後。さらに約20分後、茨城県内の一般道で壁にぶつかる自損事故を起こしていた。
男性は1年前に運転免許を更新したばかり。事故歴もなく、家族も認知症に気づかなかった。男性は業務上過失傷害容疑などで書類送検され、不起訴処分になった。群馬県公安委員会は認知症を理由に免許を取り消した。

   *

 古河市の一家には、保険金が支払われた。だが、心の痛みは消えなかった。事故後、子供たちは車に乗るのをいやがり、夜もうなされた。帰省先の祖父母に見せるはずだったスポーツ大会の賞状も焼失した。妻は「体の傷より、心の傷の方が大きかった」という。
今年3月、「死の恐怖に直面した」として提訴。男性側は「認知症で、高速道路を走っているという認識がなかった」と免責を主張したが、地裁は10月31日、「過失責任を左右する事情が認められない」として116万円の支払いを命じ、11月下旬、判決が確定した。

 妻は「私も認知症の親を介護したことがあり、家族も大変だったと思う。でも、認知症の人になぜ運転させてしまったのか」と話す。事故から2年4カ月。落ち着きを取り戻したように見える子供たちは、車内で寝ていても強くブレーキを踏むたびに「何?」と不安げに起きてくる。

 「認知症の人の運転免許を認めた国にも責任はあるのでは」。妻のその思いは今も残る。

 ◇相次ぐ高速道路での事故--専門家「初期症状出たら受診を」

 11月には高齢ドライバーによる高速道路の逆走事故が4件続いた。

 22日に岡山県倉敷市の山陽自動車道で、広島県の男性(74)の軽乗用車が逆走。避けようとしたワゴン車が横転、7人が重軽傷を負った。男性は路上でUターンを繰り返したとみられ、パトカーが前方で停車、パッシングして運転をやめさせた。男性は認知症とみられる。

 24日には富山県立山町の北陸自動車道で、同県内の男性(82)の乗用車が逆走。避けた車が中央分離帯などに衝突、会社員が軽傷を負った。男性は逆走に気づいていなかった。

 事故に至らなかったケースもある。12日と18日に福島県の東北自動車道で、山形県の男性(79)と福島県の男性(89)がそれぞれ逆走した。山形の男性は認知症の疑いがあるという。

 警察庁は今年6月に道路交通法を改正した。75歳以上を対象に運転免許更新時に認知機能検査を導入し、認知症と判定されれば免許取り消しの対象になる。09年6月までに施行される。

 認知症に詳しい東京都老人総合研究所の本間昭・参事研究員は「以前と比べて(1)同じことを繰り返す(2)しまい忘れ、置き忘れがある(3)一つのことしか覚えられない--などの初期症状がでたら、かかりつけ医や専門医の診断を受けることが大切」と指摘する。(全国紙より)
深刻な問題だと思います。認知症高齢者の増加が見込まれる時代に何らかの手だてを考えておく必要があると思います。
運転免許証は、本人からの申請で①返却(取消)手続きするか、②再更新手続きをしないか。のどちらかで「本人申請」が原則なそうです。昨年、亡くなった方の運転免許証を警察に届けに行ったら、そうした理由で受け付けてくれませんでした。結局②を選びました。「本当の事」が、よく見えない現実があります。
コメント
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