盛岡へ実習指導講師として「巡回指導」へ出かけます。
ショッキングな記事です。長いですが、読んで下さい。
岩手県でも同様な状況がジワリジワリと。
政治の力で何とか解決できるところが大きいと思います。
しかし・・・・・・・
「家族が介護」崩れた
山形県の地元紙より 2007年07月16日
∞ 家族から施設へ流れ県内も ∞
「出ていって下さい」
県内に住む80代の姑(しゅうとめ)が、60代の嫁にそう告げられたのは3年前。死んだ息子の四十九日の法要が終わった後だった。
子供たちは独立し、夫は他界。嫁は姑との2人暮らしを続けることを強く拒んだ。
「結婚を反対され、いじめられた」。姑はとっくに忘れたことだが、嫁の心のわだかまりは消えていなかった。嫁は長年たまった姑への不満を吐き出した。
「ひとでなし」と嫁を「鬼嫁」呼ばわりする姑の親類も姑を引き取ろうとはしない。今年初め、家族や親類が集まった。嫁、姑、親類は互いに目も合わせようとせず、ぴりぴりした空気の中、姑が年金で暮らせる施設に入ることが決まった。
帰り道、ラーメン屋に入った姑は、一時的に血圧が上がり倒れた。
このケースを担当した女性ケアマネジャー(37)はここ数年、同様のケースを見てきた。
昨年、夫を亡くした60代の別の嫁も今春、「働かないと食べていけない。だから面倒見られない」と姑を追い出した。姑は「困った。困った」と泣くばかり。関東地方で暮らす子供たちも引き取ろうとしない。知らない土地に移り住むのは嫌だと姑は嫁と同じ街で独り暮らしを始めた。
05年の国勢調査によると、山形県は3世代同居率が24・9%で全国1位。全国平均の8・6%を大幅に上回る。そのうち65歳以上の高齢者がいる3世代同居率も22・1%でトップ。元気な高齢者も多いが、家族が高齢者の面倒を見る割合が、全国的にも高いとみていいだろう。
ケアマネジャーは「鬼嫁」とされたケースも嫁姑の確執を超えた高齢者介護をだれが担うか、という問題があるとみる。「家族が支えるのが、山形では普通だった。それが崩れ始めたのかもしれない」と話す。
県の調査で、特別養護老人ホームへの入所申し込みが、激増している。00年6月には、2043人だったのが03年には1万1429人。05年は少し減ったが1万915人。県の担当者は「申し込み方法が変わり、単純に比較できないが、入所希望者が増えていることは間違いない」と言う。
県の「保健福祉統計年報」によると、05年に介護老人保健施設や老人ホームで亡くなった人は553人。10年前に比べて倍増した。制度改革の影響もあり、施設で最期を迎える人が増えている。
99年、介護保険導入を巡る議論の中で、自民党の亀井静香政調会長(当時)が「親の介護を子が担うのは美風だ」とする旨の発言をした。だが、内閣府の調査で「子が親を介護するのは当然」とするのは、東京都区部で41・5%、10万人未満の小都市で54・1%、町村部で48%。「必ずしも必要ない」とするのは都区部40・1%、小都市31・1%、町村36・5%と考え方は都市部と地方では分かれている。
家庭の事情は様々で、入所希望者の家庭がすべて「鬼嫁」とは限らない。だが、高齢者介護を社会で担おうと介護保険が導入されて7年。家族が担ってきた高齢化介護を取り巻く状況は、山形でも変わりつつある。
◇
参院選の投票日が29日に迫った。身近な問題を政党はどう考えているのか。県内の実例を報告し、山形選挙区に候補者を立てる政党のマニフェストを読んだ。
∞政府の対応は 候補擁立3党は
自民 地域密着/民主 ヘルパー増/共産 在宅と一線
政府は00年4月、高齢者介護を家族だけに負担させるのではなく、社会全体で支えようと介護保険制度をスタートさせた。05年に制度を見直し、施設介護よりも在宅介護を重視する方向を強く打ち出した。認知症を防ぎ、高齢者の自立を促すためには、慣れ親しんだ自宅での介護が望ましいという考え方からだ。
在宅介護を増やすために、06年度から日常生活圏内で訪問介護や配食などの「地域密着型のサービス」が新設された。だが、地方では十分なサービスが提供されず、再び家族の役割に注目する意見も出始めている。
参院選のマニフェストで自民党は「155の約束」の中で62番目に「介護保険制度で老後の不安の解消」を掲げる。できるだけ住み慣れた地域で生活できるように「地域密着型サービス」を拡充すると公約している。
「50の重点政策」を示した民主党は「介護サービス基盤の拡充」を5番目に位置づけた。ホームヘルパーやケアマネジャーを増員し、在宅介護を推進する政策だ。
共産党は「在宅介護」重視とは一線を画す。施設でも在宅でも、慣れ親しんだ地域で暮らせるように特別養護老人ホームやグループホームを整備するとしている。
ショッキングな記事です。長いですが、読んで下さい。
岩手県でも同様な状況がジワリジワリと。
政治の力で何とか解決できるところが大きいと思います。
しかし・・・・・・・
「家族が介護」崩れた
山形県の地元紙より 2007年07月16日
∞ 家族から施設へ流れ県内も ∞
「出ていって下さい」
県内に住む80代の姑(しゅうとめ)が、60代の嫁にそう告げられたのは3年前。死んだ息子の四十九日の法要が終わった後だった。
子供たちは独立し、夫は他界。嫁は姑との2人暮らしを続けることを強く拒んだ。
「結婚を反対され、いじめられた」。姑はとっくに忘れたことだが、嫁の心のわだかまりは消えていなかった。嫁は長年たまった姑への不満を吐き出した。
「ひとでなし」と嫁を「鬼嫁」呼ばわりする姑の親類も姑を引き取ろうとはしない。今年初め、家族や親類が集まった。嫁、姑、親類は互いに目も合わせようとせず、ぴりぴりした空気の中、姑が年金で暮らせる施設に入ることが決まった。
帰り道、ラーメン屋に入った姑は、一時的に血圧が上がり倒れた。
このケースを担当した女性ケアマネジャー(37)はここ数年、同様のケースを見てきた。
昨年、夫を亡くした60代の別の嫁も今春、「働かないと食べていけない。だから面倒見られない」と姑を追い出した。姑は「困った。困った」と泣くばかり。関東地方で暮らす子供たちも引き取ろうとしない。知らない土地に移り住むのは嫌だと姑は嫁と同じ街で独り暮らしを始めた。
05年の国勢調査によると、山形県は3世代同居率が24・9%で全国1位。全国平均の8・6%を大幅に上回る。そのうち65歳以上の高齢者がいる3世代同居率も22・1%でトップ。元気な高齢者も多いが、家族が高齢者の面倒を見る割合が、全国的にも高いとみていいだろう。
ケアマネジャーは「鬼嫁」とされたケースも嫁姑の確執を超えた高齢者介護をだれが担うか、という問題があるとみる。「家族が支えるのが、山形では普通だった。それが崩れ始めたのかもしれない」と話す。
県の調査で、特別養護老人ホームへの入所申し込みが、激増している。00年6月には、2043人だったのが03年には1万1429人。05年は少し減ったが1万915人。県の担当者は「申し込み方法が変わり、単純に比較できないが、入所希望者が増えていることは間違いない」と言う。
県の「保健福祉統計年報」によると、05年に介護老人保健施設や老人ホームで亡くなった人は553人。10年前に比べて倍増した。制度改革の影響もあり、施設で最期を迎える人が増えている。
99年、介護保険導入を巡る議論の中で、自民党の亀井静香政調会長(当時)が「親の介護を子が担うのは美風だ」とする旨の発言をした。だが、内閣府の調査で「子が親を介護するのは当然」とするのは、東京都区部で41・5%、10万人未満の小都市で54・1%、町村部で48%。「必ずしも必要ない」とするのは都区部40・1%、小都市31・1%、町村36・5%と考え方は都市部と地方では分かれている。
家庭の事情は様々で、入所希望者の家庭がすべて「鬼嫁」とは限らない。だが、高齢者介護を社会で担おうと介護保険が導入されて7年。家族が担ってきた高齢化介護を取り巻く状況は、山形でも変わりつつある。
◇
参院選の投票日が29日に迫った。身近な問題を政党はどう考えているのか。県内の実例を報告し、山形選挙区に候補者を立てる政党のマニフェストを読んだ。
∞政府の対応は 候補擁立3党は
自民 地域密着/民主 ヘルパー増/共産 在宅と一線
政府は00年4月、高齢者介護を家族だけに負担させるのではなく、社会全体で支えようと介護保険制度をスタートさせた。05年に制度を見直し、施設介護よりも在宅介護を重視する方向を強く打ち出した。認知症を防ぎ、高齢者の自立を促すためには、慣れ親しんだ自宅での介護が望ましいという考え方からだ。
在宅介護を増やすために、06年度から日常生活圏内で訪問介護や配食などの「地域密着型のサービス」が新設された。だが、地方では十分なサービスが提供されず、再び家族の役割に注目する意見も出始めている。
参院選のマニフェストで自民党は「155の約束」の中で62番目に「介護保険制度で老後の不安の解消」を掲げる。できるだけ住み慣れた地域で生活できるように「地域密着型サービス」を拡充すると公約している。
「50の重点政策」を示した民主党は「介護サービス基盤の拡充」を5番目に位置づけた。ホームヘルパーやケアマネジャーを増員し、在宅介護を推進する政策だ。
共産党は「在宅介護」重視とは一線を画す。施設でも在宅でも、慣れ親しんだ地域で暮らせるように特別養護老人ホームやグループホームを整備するとしている。