銀幕大帝α

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ゴールデンスランバー

2010年08月15日 01時27分31秒 | 邦画サスペンス
09年/日本/139分/劇場公開
監督:中村義洋
出演:堺雅人、竹内結子、吉岡秀隆、劇団ひとり、柄本明、濱田岳

<ストーリー>
首相暗殺の濡れ衣を着せられた平凡な男の逃亡劇。
<感想>
中村義洋監督と原作者伊坂幸太郎による3度目のコラボ作品。
奇想天外なストーリーが話題を先行する過去の2作品(『アヒルと鴨のコインロッカー』『フィッシュストーリー』)と同じく本作でも先が読めずにグイグイ引き込まれる面白さがあります。
随所に出てくる仲間達との思い出のシーンもきちんと伏線として機能しているし、追われる立場になった青柳が繋がりを持つ者、持たない者から助け舟を出されて右往左往に街中を逃げ回り、今後どういう行動を起こすのか、小刻みな流れの良さが興味を生み出し緊張感も持続させてくれます。

只、少しばかり現実離れ感が目に付く。

例えば白昼堂々とショットガンをぶっ放すサイコキラー刑事はまず日本社会には有り得無さ過ぎ。
ラストの下水管花火も、何時の間に?という疑問と共にそんな馬鹿なという苦笑感すら抱いてしまう。

国家陰謀を匂わせる事件背景も有耶無耶で終わっているのもすっきりしない。

青柳が最終的に下す決断も、結果的には彼自身が負けを認めた様な感じがして、納得も清々しさも得られない。

フィクションだからと片付けられればそれで終わりだが、終盤の展開が余りにも急ぎ足になった上に、それまで維持されてきた現実味が一気に崩壊してしまった事で、物語の行き着いた先に全く親しみを湧けなくなってしまった。

纏まった様で本当は全く丸く収まっていないんじゃないかなぁ。

起承転までは合格点だが、やり過ぎてしまった結によって今一つ心に響くものが無かった事がとても残念。

確かに先が読めない面白さで飽きる事無く観れたが、映画は終わりが大事だというのを思いっきり感じさせれました。

オフィシャル・サイト

評価:★★★
10/08/14DVD鑑賞
サスペンス・ミステリー 堺雅人 竹内結子 吉岡秀隆 劇団ひとり 柄本明 濱田岳 ベンガル 大森南朋 貫地谷しほり 相武紗季 永島敏行 石丸謙二郎 ソニン でんでん 竜雷太 伊東四朗 香川照之 斉藤和義 アミューズソフトエンタテインメント DVD新作
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関連作:
『ゴールデンスランバー(2018)』(同一原作(韓国版))

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (yukarin)
2010-08-17 13:37:48
逃亡劇を描いただけであって、国家陰謀の設定はどこへやら^^;
なんかすっきりしない終わり方でした。
返信する
>yukarinさんへ (ヒロ之)
2010-08-22 01:32:20
そもそもの事件の核である出来事がなんか有耶無耶になっていたのと、悪くないのに最終的に主人公が下した決断方法に、どうにも納得出来ないです。
返信する
いまいち (カズ)
2010-09-09 21:56:16
期待してみただけに どうも全体として
すっきりしませんよね
協力者となる殺人鬼 面白かったです
でも怖いですよね??彼の協力もなぞです
返信する
>カズさんへ (ヒロ之)
2010-09-10 01:36:38
期待以下でしたね。

何か全体的に有耶無耶過ぎやしません?

どうにも終わり方が納得出来ないんですよね。
な~んにも悪い事していないのに、負けを認めたみたいで。
返信する
TBありがとうございます (ONE OF THE BROKEN)
2010-12-27 21:03:47
伊坂作品は大体そうなんですけど
現実的な設定を使いつつ
基本はファンタジーなんですよね。
だからその辺にはまりきれなければ
ただ単に荒唐無稽な作品にしか見えないかも知れません。
個人的には伊坂作品の映画化では一番良かったと言っても過言では無いです。
返信する
>ONE OF THE BROKENさんへ (ヒロ之)
2010-12-29 01:02:53
私は今一でした。
後半部分にもう少し工夫が欲しかったです。

無実なのに何故逃げる必要がある?

とも思いますし。

でも日本映画としては面白い部類に入るとは思いますね。
返信する

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