2023年
日本
120分
サスペンス/ドラマ
PG12
劇場公開(2023/04/21)
監督:
藤井道人
脚本:
藤井道人
出演:
横浜流星・・・片山優
黒木華・・・中井美咲
一ノ瀬ワタル・・・大橋透
奥平大兼・・・筧龍太
作間龍斗・・・中井恵一
杉本哲太・・・丸岡勝
西田尚美・・・片山君枝
木野花・・・大橋ふみ
中村獅童・・・大橋光吉
古田新太・・・大橋修作
<ストーリー>
夜霧が幻想的な集落・霞門村に住む片山優は、希望のない日々を送っていた。ある日、幼馴染みの美咲が東京から戻り…。
この世界(ムラ)のなかで、今。
―感想―
吉幾三の「オラこんな村は嫌だ~」通りの村長筆頭に真っ黒に汚れ切った村。
最後ヒロインの弟が村を去る姿を映して終わるが、ほんと住んでいても何一つ良い所がないように見えて仕方がない。
廃棄処理所を中心に観光地として知名度を上げ、何かと村を盛り上げようとするが、その意に反して後から出るわ出るわのボロと言う名の違法行為と犯罪形跡。
もうドロッドロの展開です。
主人公が親父と同じ末路を遂げる所も含めて。
彼が背負う運命からは逃れられなかったという事やろうね。
前半はぼそぼそと喋る薄汚い男、後半は幼馴染が村に帰って来たのを境に一気に人生逆転し、柔やか青年へ。
でも重要な役職を任された為に、上からお前が臭い物には蓋をしろ、とパワハラを受け、精神的に追い詰められていく・・・そして・・・。
親の多額の借金、夜に働かされる汚れ仕事、同僚からのイジメ、生きる希望もなくその日その日を只々動く屍の如く生活していた男にやっと明るい日差しが灯ったと思ったら、例の正当防衛に近い殺人。
死体はゴミ置き場に埋めて隠すが、ある人物が別件で警察に密告した事で、捜査していた警察が死体を掘り起こしてしまうんですね。
ここから完全に歯車が狂ってしまう訳でして、その後は、どうにでもなれ!ですわな。
主人公を演じたのが横浜流星。
鬼の形相で、相手に詰め寄る演技が絶品。
本当に失うものは何も無い男が取る行動というものを全身で表していて見事でした。
ヒロインは黒木華で、彼女に対しストーカーに近い恋を募らせるヤクザ男に一ノ瀬ワタル。
ヒロインは幼馴染の主人公と裏で体関係持ってしまっているので、表でもやたらと主人公に肩を持つ。
それを良いように見てないのが一ノ瀬ワタルでして、仲の良い2人を目撃する度、ジェラシーを感じ嫉妬しまくるのが何か可愛い(笑)。
ま、そんなヤクザ男が黙って指咥えて眺めているはずもなく、3人間で一悶着が起き、予期せぬ殺人へと繋がっていく、滅茶苦茶だよもう。
因みに一ノ瀬ワタルが演じた男は村長の息子。
これまでどうらく息子の失態を何度も揉み消していたらしく、今回の殺人も「あいつが居なくなったからせいせいする」とこれまた、とある人物に責任を擦り付けて一件落着にしようとしたから、横浜流星の怒りが沸点に達して、救いの無いラストシーンとなるんですよね。
1人の青年が、色んな人物に振り回される様子を鮮明に描いた本作は、展開に引っ込められるという意味でも、飽きさせない2時間でした。
評価:★★★☆
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