いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

東山植物園(温室)

2009年08月10日 | 極楽日記(日帰り)

 大雨で外を見て回れないので、温室の中を散策することにしました。この巨大なサボテンは私が子供の頃からあるように思います。

 一番高い株に目盛が取り付けてありますね。サボテンは寿命が長くて、成長がごく遅いので、1mほど伸びる間に人間の方は世代交代です。

 ツーソンは西部劇でお馴染みの名前です。現在のツーソンがどんな都市かはさっぱりわかりませんが。おや、22年前に頂いたものですか。そうすると子供の時にはなかったはずです。伊豆のシャボテン公園のと間違えたかな?

 二度とない光景は記録より記憶に焼き付けろ、なんて理想論を振り回す人がいますけど、私は人間の記憶なんていい加減なものだと思っているので、可能な限り記録を残すことにしています。少なくとも私の記憶があやふやなのはここで証明されてしまいました。

 このシャコ貝の噴水も昔からあるはず…いや、もう止めておきましょう。

 球状のサボテンとして有名な金鯱です。この大きさなら、どれも100年ぐらい経っているんでしょうか。

 この温室は場所によってかなり雨漏りしています。特に差支えがないんで補修してないんだと思います。

 これは何でしょうかね。とても目立ちます。

 やっぱり気に入ってしまったオジギソウ。飽きずにつついています。

 花もなかなか可憐で見栄えがします。
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東山植物園(昆虫展とスーパー老人)

2009年08月07日 | 極楽日記(日帰り)

 大雨で野外活動がほとんどできなかったので、植物会館で昆虫の展示を見学しました。後ろが講師の吉田先生なのですが、極楽息子(大)が話を聞いているとは思えませんでした。しかし先生、「昆虫は外骨格だから成虫になると大きくならない」という説明は怪しいですよ。蝦や蟹だって外骨格だけど、生きている限りは脱皮を繰り返して成長しますから。

 説明はともかく、珍しい昆虫には夢中です。

 珍しいと言っても、詳しいことはよくわかりません。息子の方が詳しいでしょう。

 子供が大好きなクワガタがいっぱい!

 植物会館の一角にこんな古めかしい部屋が。いや、これはカメラの調子が悪いだけです。私のα-200は仕事が嫌になったのか、オートフォーカスユニットが異常に振動してほとんど使えなくなってしまいました。まだ買って半年なのに。

 日本初の理学博士となった植物学者、伊藤圭介の功績を讃える展示室です。幕末から明治初期に活躍した植物学の泰斗で、「めしべ」「おしべ」「花粉」という言葉はこの人が作ったそうです。

 名古屋生まれで、最初は町医者として活躍したのでゆかりの地がいくつか残っています。名古屋で種痘を最初に施したのも伊藤先生だったらしいです。医業の傍ら、植物学者として研究を続け、長崎に留学したと記録にあります。シーボルトは日本の植物を多数採集して学名を与えていますが、その中に協力者であった伊藤先生の名前から"keiskei"、つまり「圭介の」という接尾語の入ったものが多くあります。

 植物の研究で第一人者となった伊藤先生は70歳近くなって幕府に重用されるようになり、明治政府もこれを継承します。大学の整備を急いだ明治政府は1877年に帝国大学(今の東京大学)を設立し、伊藤先生は何と79歳で教授に任じられています。今の東大の定年は60歳。当時の事情があったとは言え例外的な抜擢だったと思います。

 その後、日本人が博士になる道が開かれ、伊藤先生が初の理学博士になったのは86歳のとき。98歳で亡くなるまで精力的に研究を続けたらしいですから、驚異の老人と言うしかありません。1世紀近くにわたり研究心を抱き続けた輝かしい人生に少しでもあやかりたいものです。
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東山植物園(合掌造りとハッチョウトンボ)

2009年08月06日 | 極楽日記(日帰り)

 広大な東山動植物園の中では目立たないのか、あまり話題になることはありませんが、植物園エリアには白川郷と同じ合掌造りがあります。写真は星ヶ丘側の入り口近くにある模型です。これでも十分に雰囲気はありますけど。

 本物はこれ。白川村から移築した正真正銘の合掌造りです。世界遺産指定で観光客が引きも切らない白川村と違って、こちらの方が本来のひっそりとしたたたずまいを感じることができます。

 保存状態も非常にいいし、植物園の借景が見事です。商業化してしまった本家の合掌集落よりもこちらがいい、と言う人がいても不思議ではありません。ただ人の生活があってこその建物だという考え方もあるでしょうし、名古屋では全山の紅葉も雪景色も(多分五平餅も)楽しめませんけど。

 天気のいい日は中まで見学可能です。昔は案内役のお婆さんがいて、陳列してあるこけしなどを見せてくれたものです。着物姿の上品な人で、中で生活しているような感じだったので、この建物の本来の持ち主だったのだと思います。

 この日は東山動植物園の観察会に参加したのですが、大雨であまり活動できませんでした。

 日本最小のトンボ、ハッチョウトンボです。江戸時代に今の名古屋市にあたる尾張藩矢田鉄砲場八丁目で発見されたと当時の本草学者が発表したのが一番古い記録なので、この名があるそうです。実際は日本のかなり広い区域に生息しています。
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白川郷森の学校(その6)

2009年08月05日 | 極楽日記(国内旅行)

 この夜はトム・ソーヤを卒園した小学生4人が「肝試し」を企画してくれました。参加者に説明する極楽息子(大)です。頑張っていろいろ用意してくれたみたいですけど、本番は大雨と暗さで何が何だかよくわかりませんでした。真っ暗闇なのでお化けよりも遭難が怖かったですよ。

 こんなのも十分に肝試しかな?

 冬でも、夏でも温泉はいいですね。極楽息子(小)は「ふうせん」と言っていました。

 さて最終日。トヨタ白川郷自然学校前には数年前にトム・ソーヤの植樹した栃の木があり、それをみんなで見に行きました。

 お世話になったインタープリターと記念写真。彼は自然学校では「ジェロニモ」と名乗っています。ずいぶん優しそうなジェロニモですね。これで自然学校ともお別れです。

 最後に定番コース、白川郷を見下ろす展望台に登りました。「ここしかない」というアングルなので、観光ポスターと同じような写真になりますが、やっぱりいい風景です。こうして見ると合掌集落の規模は他の世界遺産に比べればごく小さなものなので、リピート客を掴もうと思えばこれからも努力が必要です。

 ここには記念写真のカメラマンが常駐していて、1,300円で撮影を頼むと、サービスで客のカメラでも撮ってくれます。観光地ならどこにでもあるビジネスでしょうが、丁寧な人で何度でも取り直してくれたし、押し付けがましさがなかったので良かったと思います。

 さすが世界遺産のご威光はたいしたもので、平日なので外国からの観光客の方が目立ったぐらいです。極楽妻が「ほら、写真撮ってもらったら?」と言ってた巻き毛の男の人は、あれはフランス人でしたよ。いきなりフランス語で「シャッター押してくれる?」なんて喋れないってば。

 帰りはトンネルばかりの自動車道にちょっと飽きたので、白川郷から荘川までは山道の156号線を走りました。荘川桜で有名な御母衣湖(みぼろ湖)が満水で美しかったのでちょっと休憩。
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白川郷森の学校(その5)

2009年08月04日 | 極楽日記(国内旅行)

 悪天候が続くので、たまの晴れ間がとても明るく見えます。

 でもすぐに雲に覆われてしまいました。雲が低いところを流れているので、狭い谷間では加速してかなりの速度でずるずると抜けて来ます。これだけ雲を刺激すれば雨は降りやすいでしょう。山間部の天気の変わりやすい理由が明白です。

 天気が悪ければ食べる方で楽しみましょう。2日目は子供と保護者が別れて食事します。まずは氷見漁港のマスと貝柱、地元の野菜のマリネ。有名な富山のマス鮨と同じマスですから、やっぱり同じ味がします。マイクロトマトは流行してるみたいだけど、小さすぎて味覚としては弱いですね。ほとんど飾りです。

 この晩はニンジンのスープです。ラ・リヴィエール・ブランシュのディナーは4回目ですが、スープはサツマイモ、カボチャ、トマト、ニンジンと毎回変わっています。

 魚は河豚(ふぐ)でした。氷見漁港の魚を楽しみにしていた人にはちょっと物足りなかったかもしれません。元々淡白であっさりした魚ですが、こうして焼くとチキンみたいな食感になります。魚が苦手な人でもこれなら大丈夫。

 薄造りや鍋が高級料理の代表みたいに思われている河豚ですが、じいちゃんの在所である徳島の漁村では、骨が少なくて癖がないので子供用に煮たり焼いたりするのが普通だったみたいです。だから、じいちゃんは今でも河豚が旨い魚だなんて思ってませんよ。ちなみに一番旨い魚はやっぱり鯛だそうです。本場鳴門鯛の産地でしたからね。

 飛騨牛のステーキは冬と同じ。連泊者やリピート客にどう対応しているのか聞いてみたいところです。

 紅茶のゼリーです。

 最後のティラミスも冬と同じ。フランス料理なのになぜティラミスか、という疑問は相変わらずですが、今回は冬ほど体がこってりしたものを欲しがらないため、まあこれでもいいかと思いました。それにしても冬と夏でメニューを変えていないのですね。ホームページには「身体に浸みこむ自然の味」とありますが、このレストランの考える「自然」には季節がないのでしょうか?
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白川郷森の学校(その4)

2009年08月03日 | 極楽日記(国内旅行)

 昼食はラ・リヴィエール・ブランシュでカレーです。冬も同じメニューだったので、団体用の昼食はカレーしかないのかも。

 いつも野菜嫌いなのに、ドレッシングが気に入ったのかレタスを大食いする極楽息子(大)。ドレッシングの種類を聞いておくんでした。

 レストランの天井はトラス構造が見えるようになっていて、この大きな建物が木造であることを強調しています。確かにきれいだけど、レストランであることを考えると、こんな掃除しにくい内装はどうなんでしょうね。

 よく見ると木材の表面にこんな波模様が見られます。木材に精密な切れ目を入れて接着剤で繋ぎ合わせる技術で、手と手を繋いだようにも見えるのでフィンガー・ジョイントと呼ばれています。要するに昔ながらの継ぎ手の現代版です。江戸時代は複雑な切り込み(仕口)と木の栓で機械的に継いでいたのですが、それでも継ぎ手の部分で大幅に強度が落ちるのは避けられませんでした。接着剤の発達で強固な面結合が可能になり、集成材なら継ぎ目の部分を少しずつずらせるので、均一な強度が確保できるようになりました。

 旧来の工法では大屋根を作るのに長い木材が必要ですが、この技術を使えばいくらでも長い木材を作ることができるので、木造でも大建築が可能になります。接着剤が不安だと言う人は、木の細胞と細胞が一種の接着剤で繋がっていることをご存知でしょうか?植物細胞どうしを接着する多糖体は天然の接着剤です。現在、集成材に使われるレゾルシン・フェノール樹脂系の接着剤は植物の成分と化学的に結合してほぼ一体となるほど完成度が高いので、集成材か無垢の木かという論議は強度の点では過去のものと言えます。

 今更ですが、トヨタ白川郷自然学校の看板です。

 施設は白山スーパー林道の起点をやや入ったところで、有料区間が始まる手前にあります。これはスーパー林道通行者に向けた看板。紅葉の季節になると、ここや反対側の天生峠(あもうとうげ、国道156号線)には乗用車が詰め掛けることでしょう。

 本館を利用しない人も、スーパー林道の脇にある広報用の小屋には気軽に立ち寄ってもらえそうです。

 広報と言っても自然学校の広報です。トヨタ車の宣伝はありません。

 小屋の裏にあるトイレは誰でも使えるようになっています。本館の見学も歓迎、と書いてあるようですが、前にも書いたように宿泊者以外がレストランを利用できないのは少し残念です。

 この広報小屋と本館の間に合掌造りの旧下山家が管理されています。

 下山さんの住居だった頃は2,3階が養蚕に使われていたそうです。

 雨上がりだったので、分厚い茅葺き屋根の表面で水玉が輝いています。厚さ3尺(90cm)にも及ぶ空気層を作る茅屋根は抜群の断熱効果があり、昔は合掌造りだけでなく日本中の農家で見られました。もちろんここまで立派なのは珍しいです。防火や保守の点から戦後に瓦やスレートに建て替えた家が多いのですが、住み心地が悪くなって参った、という話を聞いたことがあります。
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