いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

白川郷森の学校(その4)

2009年08月03日 | 極楽日記(国内旅行)

 昼食はラ・リヴィエール・ブランシュでカレーです。冬も同じメニューだったので、団体用の昼食はカレーしかないのかも。

 いつも野菜嫌いなのに、ドレッシングが気に入ったのかレタスを大食いする極楽息子(大)。ドレッシングの種類を聞いておくんでした。

 レストランの天井はトラス構造が見えるようになっていて、この大きな建物が木造であることを強調しています。確かにきれいだけど、レストランであることを考えると、こんな掃除しにくい内装はどうなんでしょうね。

 よく見ると木材の表面にこんな波模様が見られます。木材に精密な切れ目を入れて接着剤で繋ぎ合わせる技術で、手と手を繋いだようにも見えるのでフィンガー・ジョイントと呼ばれています。要するに昔ながらの継ぎ手の現代版です。江戸時代は複雑な切り込み(仕口)と木の栓で機械的に継いでいたのですが、それでも継ぎ手の部分で大幅に強度が落ちるのは避けられませんでした。接着剤の発達で強固な面結合が可能になり、集成材なら継ぎ目の部分を少しずつずらせるので、均一な強度が確保できるようになりました。

 旧来の工法では大屋根を作るのに長い木材が必要ですが、この技術を使えばいくらでも長い木材を作ることができるので、木造でも大建築が可能になります。接着剤が不安だと言う人は、木の細胞と細胞が一種の接着剤で繋がっていることをご存知でしょうか?植物細胞どうしを接着する多糖体は天然の接着剤です。現在、集成材に使われるレゾルシン・フェノール樹脂系の接着剤は植物の成分と化学的に結合してほぼ一体となるほど完成度が高いので、集成材か無垢の木かという論議は強度の点では過去のものと言えます。

 今更ですが、トヨタ白川郷自然学校の看板です。

 施設は白山スーパー林道の起点をやや入ったところで、有料区間が始まる手前にあります。これはスーパー林道通行者に向けた看板。紅葉の季節になると、ここや反対側の天生峠(あもうとうげ、国道156号線)には乗用車が詰め掛けることでしょう。

 本館を利用しない人も、スーパー林道の脇にある広報用の小屋には気軽に立ち寄ってもらえそうです。

 広報と言っても自然学校の広報です。トヨタ車の宣伝はありません。

 小屋の裏にあるトイレは誰でも使えるようになっています。本館の見学も歓迎、と書いてあるようですが、前にも書いたように宿泊者以外がレストランを利用できないのは少し残念です。

 この広報小屋と本館の間に合掌造りの旧下山家が管理されています。

 下山さんの住居だった頃は2,3階が養蚕に使われていたそうです。

 雨上がりだったので、分厚い茅葺き屋根の表面で水玉が輝いています。厚さ3尺(90cm)にも及ぶ空気層を作る茅屋根は抜群の断熱効果があり、昔は合掌造りだけでなく日本中の農家で見られました。もちろんここまで立派なのは珍しいです。防火や保守の点から戦後に瓦やスレートに建て替えた家が多いのですが、住み心地が悪くなって参った、という話を聞いたことがあります。
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