大雨で野外活動がほとんどできなかったので、植物会館で昆虫の展示を見学しました。後ろが講師の吉田先生なのですが、極楽息子(大)が話を聞いているとは思えませんでした。しかし先生、「昆虫は外骨格だから成虫になると大きくならない」という説明は怪しいですよ。蝦や蟹だって外骨格だけど、生きている限りは脱皮を繰り返して成長しますから。
説明はともかく、珍しい昆虫には夢中です。
珍しいと言っても、詳しいことはよくわかりません。息子の方が詳しいでしょう。
子供が大好きなクワガタがいっぱい!
植物会館の一角にこんな古めかしい部屋が。いや、これはカメラの調子が悪いだけです。私のα-200は仕事が嫌になったのか、オートフォーカスユニットが異常に振動してほとんど使えなくなってしまいました。まだ買って半年なのに。
日本初の理学博士となった植物学者、伊藤圭介の功績を讃える展示室です。幕末から明治初期に活躍した植物学の泰斗で、「めしべ」「おしべ」「花粉」という言葉はこの人が作ったそうです。
名古屋生まれで、最初は町医者として活躍したのでゆかりの地がいくつか残っています。名古屋で種痘を最初に施したのも伊藤先生だったらしいです。医業の傍ら、植物学者として研究を続け、長崎に留学したと記録にあります。シーボルトは日本の植物を多数採集して学名を与えていますが、その中に協力者であった伊藤先生の名前から"keiskei"、つまり「圭介の」という接尾語の入ったものが多くあります。
植物の研究で第一人者となった伊藤先生は70歳近くなって幕府に重用されるようになり、明治政府もこれを継承します。大学の整備を急いだ明治政府は1877年に帝国大学(今の東京大学)を設立し、伊藤先生は何と79歳で教授に任じられています。今の東大の定年は60歳。当時の事情があったとは言え例外的な抜擢だったと思います。
その後、日本人が博士になる道が開かれ、伊藤先生が初の理学博士になったのは86歳のとき。98歳で亡くなるまで精力的に研究を続けたらしいですから、驚異の老人と言うしかありません。1世紀近くにわたり研究心を抱き続けた輝かしい人生に少しでもあやかりたいものです。