いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

スピットファイアのビール

2014年07月08日 | 飲み物、食べ物

 店頭で見つけた輸入ビールです。中身もなかなか結構ですが、ボトルがマニアックなのでご紹介します。

 名前がスピットファイアですよ。ヨーロッパの戦史を少し知ってないとわからないでしょうが、要するにイギリスのゼロ戦みたいなもの。第二次大戦で、ドイツ空軍の執拗な攻撃からイギリスを守り抜いた名戦闘機と聞いています。ヨーロッパ大陸とイギリスは距離が近いため、最高速度や上昇力、急降下速度に優れるメッサーシュミット(エンジンはダイムラーベンツ)と、同じく高速での戦闘を得意とするスピットファイア(エンジンはロールスロイス)が制空権を争って死闘を繰り広げています。どちらも局地戦闘機に近いタイプなので航続距離が短く、太平洋地区の戦闘機とはかなり性格が違います。

 昔読んだ「空戦 メッサーシュミット対スピットファイア」(秋田書店)によれば、スピットファイアは太平洋方面へも少し進出して日本の隼と対戦したことがありますが、広い東南アジア地区では恐らく航続距離の短さや後方視界の悪さもあって、あまり活躍できなかったようです。同書によればスピットファイアとは「火吹きダルマ」みたいな意味だということで、大きな翼に多数の機関銃を搭載した火力重視の姿勢が表れているようです。

 飛行機のシルエットは間違いなくスピットファイア。長く丸みのある翼端が特徴です。王冠には英国空軍(Royal Air Force; RAF)のシンボル。イギリスでは"Royal"は勝手に商標に使えないため、もちろん当局の許可を取っているでしょうが、"Bottle of Britain"というふざけた文句を認めてしまうところは度量が広いですな。もちろん第二次大戦におけるイギリスの国土防衛戦争、"Battle of Britain"をもじったものです。

 このパロディ精神はなかなか上等で、日本では意味を知られないまま細々と売られているのはもったいないですね。中身も(高価な地ビールを除けば)日本にないタイプで悪くないので、プロモーション次第では結構人気が出るんじゃないでしょうか。日本のビール会社なら、6本パックにおまけのプラモデル付けて売るでしょうね。
コメント
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