いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

びっくり!YouTubeに一流大学の講義が

2007年10月05日 | 極楽日記
 カリフォルニア大学バークレー校(UCB)と言えば、西海岸屈指と言うより全米屈指の名門大学です。40人以上のノーベル賞受賞者を輩出するなど、アメリカの州立大学では最高の評価を受けており、日本など海外からの留学生にも高い人気があります(バークレー大学日本校という紛らわしい学校がありますが全く関係ありません)。

 それが大学の講義をYouTubeに配信することにしたと言うのだからびっくり!東部の大学と比べて進取の気風に富むとされているUCBらしい話ですが、お遊びサイトという認識が根強く残っていた動画共有サイトが、文化の担い手として認められているわけです。

 一流大学の講義がネットで気軽に試聴できる試みは非常に面白く、追随する大学も出てくることでしょう。動画配信の主役がテレビからネットに交代しつつあることを象徴するイベントだと思います。YouTubeがあればテレビなんか要らない、という層は日本でも拡大していると聞いています。最初はニッチとしての需要だったのでしょうが、有力なコンテンツが提供されるにつれて、支持者からはYouTubeこそ次世代多チャンネルテレビの姿であると見做されるようになってきました。

 こうした実績を背景に、動画サイトの弱点と言われていた著作権の問題も、新しい時代に合わせた検討が加えられているようで、著作権の一途な拡大には歯止めが掛かる可能性があります。強すぎる著作権や特許保護が、アメリカの文化や経済活動の停滞を招く恐れがあると反省されているわけです。

 アメリカの1周遅れで今更著作権を肥大させようという日本は、アメリカの失敗をよく研究するべきではないでしょうか。少なくともYouTubeでUCBの講義を見られるアメリカ人が増える一方で、日本語の壁と複雑な著作権に隔離された日本では画像サイトへの有力コンテンツの提供が進まず、「ニコニコ動画」などの落書き遊びしか生まれて来ない彼我の差には危機感を抱くべきです。
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