カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

扇子のこと(メモ)

2006-07-17 22:14:32 | Weblog
 暑くなると団扇や扇子を手放せなくなります。といっても専ら私は団扇派(?)です。

 しかしながら扇子。メモ。

 我が家では、どういうわけか昔から大人たちが「扇子は十松(とおまつ)屋の白扇」とよく話していました。「とおまつや」がしっかり耳に染み付いています。

 「とおまつや」

 漢字で十松屋と書くということを最近知りました。

***

烏丸三条 十松屋福井扇舗
http://www4.ocn.ne.jp/~tomatuya/

〒604-8172
京都市中京区烏丸通三条上る場之町601番地
℡075-221-2540
Fax075-221-2602

 大きなビルがならぶ京都のメインストリート、烏丸通に面して「家元御用御せんす所 十松屋福井」と墨書した白い暖簾を掲げる店がある。小さな近代的なビルだが、一歩中へ足を踏み入れると格調を感じさせる何かがある。扇を商う店にはほかに幾つもあるが、こと能の扇に関してはこの店を抜きには語れない。元禄十六年に創業、観世舞扇調進所としてその業を継ぎ、今日も観世宗家をはじめ各流宗家の信頼は厚い。能の扇の製作には約束ごとや格調が大事だが今もなお店主自らがその製作に当たり、文字通り父子相伝の技と心を現在に伝えている。
(檜書店発行「能を彩る扇の世界」より)

「弊舗では
能中啓、仕舞扇や素謡扇
狂言の扇
舞扇
御記念扇、お誂え扇
十松屋特製各種持用扇、手描美術京扇子
など各種扇を取り扱ってございます。」
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青い翳り(歌人目黒真理子氏のこと)<メモ>

2006-07-17 21:34:38 | Weblog
 メモです。

(アマゾンのサイト)
「新編 青い翳―目黒真理子遺稿歌集」
目黒真理子・著(杉本増生・編)
出版社: せせらぎ出版 (2006/05)
ASIN: 4884161556
価格:¥1,680(税込み)
 夭折の歌人の遺稿歌集。目黒真理子は、1933(昭和8)年6月22日に生まれて、結核による10年の闘病生活ののち、1965(昭和40)年3月25日に31才の若さでこの世を去った。この歌集は、那須野の自然と人との交わりのなかから、彼女が真摯に率直に織り成した歌の数々が蘇ることを意図して編まれた。編集に当たっては、彼女の遺稿をできるだけ多く収録する方針の下、歌の完成度等による若干の取捨選択を施し、また、新たに発見された184首を加えた。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4884161556/250-9206431-6165820?v=glance&n=465392

***

(アマゾンのサイト)
「目黒真理子の世界―那須野に詠う その光と翳」
杉本増生・著
出版社: せせらぎ出版 (2006/05)
ASIN: 4884161564
価格:¥1,995(税込み)
 那須野に生き、愛し、揺れ動く心を清冽に詠った、薄命の歌人、目黒真理子。没後41年、彼女の人生を今もう一度たどり、目黒真理子という、美しいものを求めて真率に生きた魂の諸相に触れる。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4884161564/250-9206431-6165820?v=glance&n=465392

***

<せせらぎ出版>
http://www.seseragi-s.com/is/is-156.html

「目黒真理子の世界-那須野に詠う その光と翳(かげ)-」
杉本増生・著

 現地取材を重ね、未発表作品も多数発掘、詳細な年譜を付して完成させた、伝説の歌人・目黒真理子、初の評伝。『花の如き夭折』(やなせたかし編、1978年刊)からは想像もできなかった新事実、懸命に生き抜いた目黒真理子の全身像がどんどん明らかにされ、推理小説を読むかのような展開に引き込まれ、時を越えた鮮烈でさわやかな共感を与えてくれる。

ISBN4-88416-156-4
四六判 上製本 267ページ 1995円(本体1900円+税)2006年刊

<この本の内容から>→立ち読み用
http://www.seseragi-s.com/pdf/is-156.pdf

***

 生前の目黒真理子氏の歌評のことばから。

「(前略)いつの日も心の底からほとばしる情熱と魂のぎりぎりに触れて残った心が歌われない限り、その歌は無意味なものと思います。自己の最も深奥のものが歌と云えるような気がするのです。(後略)」

**

 作品から。

帰りたしとおもえば夢に入りてくる那須野は今日も吹雪きいるらし  目黒真理子

傾けて愛さんものもわれになし那須野を今日も光り降る雨

救いなき病をおもう赤々と蔓薔薇(つるばら)の花今年も咲かせ

谷川に濯ぎし肌着月に干す誰よりも清きいのちほしくて

何に執(しゅう)し生き居ん吾か野に出れば光りて過ぐる風と思えり

かたちなき愛を自在に育ていて病み易き夜をわが耳さとし

何ゆえに保ついのちかと思う夜を凛々(りんりん)と樹々は響き合うなり

横ざまに氷雨降る野にかえり来ぬここよりほかに吾が愛はなし

なにがなしにわが悲しみの極まればくぼみしベッドに諦(あきら)めて臥(ふ)す

場所かえて痛みくる身に耐えており窓になだれてひかる夕ぐも

叶(かな)い難き夢持ちて今日も臥しおれば金色(こんじき)に日は黄昏(たそが)れにけり

耳熱く吹雪のうたを聴き溜めて灯を消せばひとりの夜が展(ひら)ける

わが土に還る日のため植えおかん青くやさしき翳(かげ)りもつ樹々
コメント (3)
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