カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

いつもの。

2018-06-27 21:18:47 | Weblog

とにかくあまりにひどく腐敗してしまって正視していられない、できるものなら目を背けていたい、いまの日本の悲惨で絶望的な状況を、斉泰さんだったらどう考えるだろう、泰明さんだったらどう動くだろう、という眼でしばしむりやり眺めてみるのだが、どろどろに腐りきって臭いを放つ膿状の〈事実〉直視は本当に辛くて苦しくて、そこから病巣駆除英雄伝説譚としての〈寓話〉を考えるのは実に実にしんどい。結局、困ったものだと嘆息して、途方に暮れて寝床に転がり込むのだ。いつものパターン。ただ、今後への一つの救いは、本物の作品に結実できれぱどんな悲惨な事実をも凌駕できるということ。それが作品の強み。

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メモ。

2018-06-27 11:39:02 | Weblog

相良さんの素晴らしい詩。メモさせて頂きます。

 

https://www.facebook.com/157458567692801/posts/1487381361367175/

 

 

https://youtu.be/cNVS7ctD1Gs

「生きる」
(沖縄県浦添(うらそえ)市立港川中学3年・相良倫子(さがらりんこ))


私は、生きている。/マントルの熱を伝える大地を踏みしめ、/心地よい湿気を孕(はら)んだ風を全身に受け、/草の匂いを鼻孔に感じ、/遠くから聞こえてくる潮騒に耳を傾けて。

私は今、生きている。

私の生きるこの島は、/何と美しい島だろう。/青く輝く海、/岩に打ち寄せしぶきを上げて光る波、/山羊(やぎ)の嘶(いなな)き、/小川のせせらぎ、/畑に続く小道、/萌(も)え出づる山の緑、/優しい三線の響き、/照りつける太陽の光。

私はなんと美しい島に、/生まれ育ったのだろう。

ありったけの私の感覚器で、感受性で、/島を感じる。心がじわりと熱くなる。

私はこの瞬間を、生きている。

この瞬間の素晴らしさが/この瞬間の愛(いと)おしさが/今と言う安らぎとなり/私の中に広がりゆく。

たまらなく込み上げるこの気持ちを/どう表現しよう。/大切な今よ/かけがえのない今よ

私の生きる、この今よ。

七十三年前、/私の愛する島が、死の島と化したあの日。/小鳥のさえずりは、恐怖の悲鳴と変わった。/優しく響く三線は、爆撃の轟(とどろき)に消えた。/青く広がる大空は、鉄の雨に見えなくなった。/草の匂いは死臭で濁り、/光り輝いていた海の水面は、/戦艦で埋め尽くされた。/火炎放射器から吹き出す炎、幼子の泣き声、/燃えつくされた民家、火薬の匂い。/着弾に揺れる大地。血に染まった海。/魑魅魍魎(ちみもうりょう)の如(ごと)く、姿を変えた人々。/阿鼻叫喚(あびきょうかん)の壮絶な戦の記憶。

みんな、生きていたのだ。/私と何も変わらない、/懸命に生きる命だったのだ。/彼らの人生を、それぞれの未来を。/疑うことなく、思い描いていたんだ。/家族がいて、仲間がいて、恋人がいた。/仕事があった。生きがいがあった。/日々の小さな幸せを喜んだ。手をとり合って生きてきた、私と同じ、人間だった。/それなのに。/壊されて、奪われた。/生きた時代が違う。ただ、それだけで。/無辜(むこ)の命を。あたり前に生きていた、あの日々を。

摩文仁の丘。眼下に広がる穏やかな海。/悲しくて、忘れることのできない、この島の全て。/私は手を強く握り、誓う。/奪われた命に想(おも)いを馳(は)せて、/心から、誓う。

私が生きている限り、/こんなにもたくさんの命を犠牲にした戦争を、絶対に許さないことを。/もう二度と過去を未来にしないこと。/全ての人間が、国境を越え、人種を越え、宗教を越え、あらゆる利害を越えて、平和である世界を目指すこと。/生きる事、命を大切にできることを、/誰からも侵されない世界を創ること。/平和を創造する努力を、厭(いと)わないことを。

あなたも、感じるだろう。/この島の美しさを。/あなたも、知っているだろう。/この島の悲しみを。/そして、あなたも、/私と同じこの瞬間(とき)を/一緒に生きているのだ。

今を一緒に、生きているのだ。

だから、きっとわかるはずなんだ。/戦争の無意味さを。本当の平和を。/頭じゃなくて、その心で。/戦力という愚かな力を持つことで、/得られる平和など、本当は無いことを。/平和とは、あたり前に生きること。/その命を精一杯(いっぱい)輝かせて生きることだということを。

私は、今を生きている。/みんなと一緒に。/そして、これからも生きていく。/一日一日を大切に。/平和を想(おも)って。平和を祈って。/なぜなら、未来は、/この瞬間の延長線上にあるからだ。/つまり、未来は、今なんだ。

大好きな、私の島。/誇り高き、みんなの島。/そして、この島に生きる、すべての命。/私と共に今を生きる、私の友。私の家族。

これからも、共に生きてゆこう。/この青に囲まれた美しい故郷から。/真の平和を発進しよう。/一人一人が立ち上がって、/みんなで未来を歩んでいこう。

摩文仁の丘の風に吹かれ、/私の命が鳴っている。/過去と現在、未来の共鳴。/鎮魂歌よ届け。悲しみの過去に。/命よ響け。生きゆく未来に。/私は今を、生きていく。

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しかしともかく。

2018-06-26 22:12:38 | Weblog

今宵。根岸の、河東碧梧桐さん邸宅跡も、前田斉泰さん邸宅敷地の隅にあった能楽堂跡(能楽堂自体は横浜能楽堂として移築復元されている)も、きれいに言問通りの用地になっていることを思いながら、石川九楊氏の『河東碧梧桐ー表現の永続革命』(『文學界』連載)を寝床で読んでいる。

 

 

今夏の先祖墓参りに伺うまえに母が予め〈お供え〉のお菓子を京都の本家宛に送ってくれたから昨日の母への連絡があったわけだが、京都の父方本家はもともとは高祖父の実家で、高祖父の兄の曾孫にあたる優しいご当主と温かい奥様がいらして、ただ、そのご当主は先年亡くなってしまい、奥様がおひとりで本家を守ってくださっていたけれども、その奥様もご高齢で、〈この春老人病院に入院されて今も病院にいらっしゃる〉、と奥様のお身内から母のところに昨日の晩連絡があったらしい。

 

しかし、ともかく本家の先祖墓にお参りさせて頂くつもり。ご入院の御身を心配しつつ。

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ぼおっと。

2018-06-26 04:26:45 | Weblog

近頃は政治や経済のニュース記事を見るたびになんともおぞましい不快感がこみ上げてきて心が拒絶反応。不誠実な政治家や経済人の顔なんか見たくないと、国民みんなにそう思わせるのが狙いかもしれないけれども。困ったことだ。

 

昨日は結局睡眠が足りていなくてエネルギー切れのしごと帰りにたびたびぼおっとしてしまったので、これはいかん、と夜は早めに就寝した。


昨日はしごとのあと、古文書調査に来られている先生方と少々短歌談義をすることがあって、〈じつは物語短歌を作っていまして、こんな物語を〉と物語のことを話したら、〈そのストーリーだったら短歌ではなくて小説の形で是非拝読したいです。絶対に面白いですよ〉と言われ、すこし前向きに考えてみようかなと思った。

もうすぐ墓参り旅だがまだちっとも支度できていない。今日もこれからしごと。

千住さんの『宿命』が今朝はよく聴こえる。

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推敲8首。

2018-06-23 07:10:00 | Weblog

推敲8首。

そのまひる煙ゆらゆらのぼりゆく ベッドは既に片付けられて

まひるまの明かるき硝子に映りたる天のぼる煙はひとの影なり

星硝子店から“木星(ジュピター)”のかけらが届きたり女神がやはらかく笑まふる朝に

休日のヨハネス・ブラームス右足の親指かそかに動かしたるのみ

本当はオペラも書きてみたかりきと徹とヨハネスは公園にしみじみ

〈姿〉とふ文字に「かたち」とルビを振るその夜もどこかで星は流れて

星硝子店の木星かけら届きたるその朝冬が戸口に立てり

沈黙の果てなる野辺の石くれに死者らは右手を重ね合ひたり

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枠に留まらない。

2018-06-22 07:11:43 | Weblog
しごとに出掛ける前。バーンスタインの素晴らしい『キャンディード』の音楽にしばし耳を傾ける。『キャンディード』は舞台作品。ジャンル分けではオペラともオペレッタともミュージカルともすでに世にある他の作品たちと微妙に噛み合わなくて、『キャンディード』はあくまでも舞台作品『キャンディード』とされるらしい。枠に留まらない、ということか。
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文体練習。

2018-06-21 22:27:38 | Weblog

文体練習。


本来上がるべきでない輩たちが中央司令塔上層階を占拠して跋扈している某国の惨状たるや、もはや目を覆いたくなるレベルで救いようなし。穏やかな選択肢は尽きてしまった。中央司令塔をまるまる爆破殲滅する以外に上層階に巣くう病巣駆除の手立てはないのかもしれない。高山堂児は、ホテルロビーのカフェの大きなガラスに面した卓に座ってコーヒーを啜りながら、夏の朝特有の花火だまのような熱と明るみを帯び始めた外を眺めた。目の前の港では、ちょうどフェリーが着くところだった。

 

 

警察司法が少なくとも健全に機能していることを信じられる前提でストーリーテリングするのを松本清張氏風、警察司法が政権や有力者に買収されて健全に機能しておらず庶民目線でさっぱり信用できない前提でストーリーテリングするのを大藪春彦氏風と仮定して、いま自分が物語りたいのは、大藪春彦氏風。

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夏至。

2018-06-21 18:49:56 | Weblog

今日は夏至。

タイカレーランチに汗かく夏至祭の早稲田松竹はロメール特集

ロメール特集館内に開く真新しき清(すが)しき現代短歌文庫『梶原さい子歌集』

夏日。
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戯れ言。

2018-06-20 09:30:17 | Weblog

文体練習。

 

思いがけぬサッカー勝利の素晴らしさは素晴らしさとして、暗愚に騙されてはならぬと心を引き締める。この国がどんどん卑怯卑劣嘘つきな国におちぶれ腐っていくのを目の当たりにしなければならぬ悲しさおぞましさ。毎日嫌でも目に入り耳に聞こえてくるこの惨状をどうにか是正復興する手立てはないものかと暗澹として思い悩み、積もりくる憂さと嘆き節に地団駄踏んで臍(ほぞ)を噛むばかり。こんな国に誰がしたとどこかの暗がりへ問うたところで、所詮ブーメラン。


そろそろ西日本先祖墓巡り旅の準備に掛からねば。

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大阪北部地震。

2018-06-19 03:34:44 | Weblog

大阪北部地震。お見舞い申し上げます。くれぐれもお気をつけくださいますように。

昨日は、どういうわけか横たわって目を瞑っているのになかなか入眠できぬ苦しい一夜を過ごして朝しごとに出掛け、職場に着いてから届くニュース速報に心が痛みびっくりしておりました。

 

これ以上かなしい被害が出ませんように。

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