今日は、久しぶりに池袋のジュンク堂書店へ季節のご挨拶のささやか涼菓携えて出掛け、短歌会の歌誌の営業でいつもお世話になっているご担当のTさんにご挨拶。7月号から頒価が1000円より1250円に変更になる旨商品課Fさんにとっくりとお話をくださるようにあらためてお願いをした。しばらく世間話のあと、俳句コーナーに移動して、田中裕明先生関連の書籍をたっぷり立ち読み。
気付けば今日で6月も終わり。早朝にふと覚醒して、頭の奥で古楽オーケストラが鳴っているのがどうしても気になって、取り敢えずメモ。モーツァルトの『ジュピター』にバーンスタインの『Somewhere』が混ざったような感じ。
昨晩はTANKASONICへの作品投稿と某メール歌会の歌評コメント送信を済ませた。
今朝は、10:00からのTBSラジオの伊集院光さんと久米宏さんの対談番組が非常に楽しみ。
ところで、6月25日は、1910年にストラヴィンスキーが作曲したバレエ音楽『 火の鳥』がパリ・オペラ座で初演された日の由。画像は、『春の祭典』。
この宇宙には引き寄せの法則というものがたしかにあるらしい。亡き父はその人生の終盤近くに思いがけず自分の母親から手紙で実父の話を告げられたのだったけれども、最近、母は遠い遥かな記憶の底に降り立ってぽつりぽつり母自身の幼児期からの話を掬い上げて思い起こしては折に触れて語ってくれている。息子の僕からすると、父の話も母の話もそれぞれの生い立ちの話があまりにもよく似通っていて、こういう風に互いに引き寄せられることもあるんだと、あらためて驚いてしまう。
祖父といふ人の手書きの譜面隅に生(あ)れ来るる子のためと書かれし名前
幼い頃、父の書斎にあったスヴャトスラフ・リヒテル(Pf)、カラヤン(指揮)ウィーン交響楽団のチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番のレコードの解説に、〈リヒテルは最初指揮者を志して勉強していたが、後にピアノに転向した〉とあって、へえ、そうなのか、と思って聴いていた。のちに知ったが、じつは、若い頃のリヒテルはそもそも最初からピアニスト志望だったが、生活のために歌劇場でコレペティートルのアルバイトをしたことがあり、それに尾ひれがついて〈指揮者志望〉の話になった由。神話形成とはだいたいそんなものかもしれない。
久石さんの上行するミラドは『ハウル』でも『紅の豚』でも印象的に使われている。武満さんの『燃える秋』もそう。ちなみに『椰子の実』は上行するミラ#ド。聴く人の心にじっくり深く染み入ってくる三音。
短歌メモ推敲版から。
一乗谷屋敷内にて詠み合ひぬ山崎のひとびとの涼やかな笑み
寝汗の後(のち)白湯をひと口 彼(か)の人は夢見つつ彼岸(あちら)へ度(わた)りぬ
足もとに花咲き乱れ光(かげ)澄みて、しづかな道なり ひたすら明るし
ぐつたりと横たはる右腕 空気の廻る部屋にも真白き朝(あした)は
布マスクなぞ、布マスクなぞ要らぬ 机の上(へ)にペンはたふれて五線紙しづか
真摯にはこころ、本物には温もり けふ私が通る道の、名もなき花よ
河は蛇行して森の中を通る 鳥も啼かずば猿も声なし
滅ぶとはひたすらなしづもり 遥かなるビルで一個のグラスは割れた
微笑みに肖(に)て遥かなれ がら空きのセロケース乗せて飛ぶ航空機
アダージェットは頭の奥に鳴つてをり 当機到着ロビーに見ゆる防護服の面々
一乗谷屋敷内にて詠み合ひぬ山崎のひとびとの涼やかな笑み
寝汗の後(のち)白湯をひと口 彼(か)の人は夢見つつ彼岸(あちら)へ度(わた)りぬ
足もとに花咲き乱れ光(かげ)澄みて、しづかな道なり ひたすら明るし
ぐつたりと横たはる右腕 空気の廻る部屋にも真白き朝(あした)は
布マスクなぞ、布マスクなぞ要らぬ 机の上(へ)にペンはたふれて五線紙しづか
真摯にはこころ、本物には温もり けふ私が通る道の、名もなき花よ
河は蛇行して森の中を通る 鳥も啼かずば猿も声なし
滅ぶとはひたすらなしづもり 遥かなるビルで一個のグラスは割れた
微笑みに肖(に)て遥かなれ がら空きのセロケース乗せて飛ぶ航空機
アダージェットは頭の奥に鳴つてをり 当機到着ロビーに見ゆる防護服の面々
疲れて早めに就寝。微睡みのなかで見た夢は、アジアのどこか、たぶん、中国か台湾のどこかの音楽大学の講堂に大きな編成の学生オーケストラがいて、作曲科の学生さんたちの瑞々しい美しい作品を次々と演奏しているという夢。
明日は、昭和33年6月18日に亡くなった曾祖父の弟になる方の63回忌のご命日。昨秋からの父方又従姉さまとのまことに不思議なご縁繋がりで、曾祖父の弟さんが祖父の兄に当たる方(又従姉さまのお祖父さま)のために詳細に書き残してくださった文章に接することができて、そこから、高祖父、曾祖父、祖父、曾祖母の生涯のこともリアルに知ることが叶いつつある奇跡。よいこともわるいことも、昔の事実をきちんと知ることができることは本当に有難いです。