別宮先生墓所。
今日は仕事休みで、赤江珠緒さんMCのTBSラジオ『たまむすび』を生聴取。本日は、先日のカツアキ論文のことがご縁となって、世界的な学者の先生方がおふたりご出演。曜日別パーソナリティはカナダ・マギル大学教授の哲学者広瀬巌先生(月曜担当のカンニング竹山さんが夏休みのため)。ゲストは東大教授の数学者平地健吾先生。マイクの前のパーソナリティ広瀬先生の語り口は実に穏やかで優しくて温かくて、かつ、ユーモアとウィットに富んでいて楽しく面白い。広瀬先生、プロフィール拝見するともしかしたらひとつ上の学年にいらしたのかもしれない。この年代、卓抜な映画批評の宇多丸さんもそうだったはずで、多彩で多才な方々を輩出している。また、ゲストの小豆島内海町ご出身(高校まで内海町で過ごされた由)の平地先生のお話も楽しかった。
さて、懸案のPOP文案メモ作りをとにかくせねば、と団扇仰ぎつつラヴェルピアノコンチェルト聴きつつ塔誌を開くも、なかなか思うように進まず。。
ヨクナパトーファ【Yoknapatawpha】
アメリカの作家W.フォークナーの大部分の作品の背景となる架空の土地。ミシシッピ州北寄りの郡の名まえとされる。郡庁の所在地はジェファソンと呼ばれているが,この町と郡はフォークナーが生涯の大部分を過ごしたオックスフォードとラフィエット郡がモデルになっている。1929年《聖域(サンクチュアリ)》の第一稿を書いたときこの郡の名まえを初めて用いたが,《響きと怒り》(1929),《八月の光》(1932),《アブサロム,アブサロム!》(1936)を含む重要作品の象徴的な舞台となった。
これから仕事。
ペーターゼン監督が亡くなられたという。R.I.P.
ペーターゼン監督の映画作品『ネバーエンディング・ストーリー』は、1985年3月16日に日本で公開されたらしい。それは厭世観や対人恐怖に囚われて生きることに絶望していたちょうど中学3年の終わり頃で、卒業間際の学年行事として学校からバスで新宿駅近くの映画館へ連れて行かれ、これを全員で鑑賞したあと、新宿区百人町にあった日本海洋会館の大食堂に移動して全員で黙々と食事をした記憶がある。
『ネバーエンディング・ストーリー』主題歌(リマール)
https://youtu.be/bWW7gF4U-GQ
映画『ネバーエンディング・ストーリー』は、生きることに絶望しすべてにやる気を失い低迷していた当時の自分の心中にさまざまな影響刺激を与えてくれたように思う。もちろん主人公バスチアンの心情や境遇への深い思い入れ共感同情がいちばんだったがそれのみならず、リマールの歌った主題歌や爽快なオーケストラ挿入曲〈バスチアンの飛行〉も深く心に刻まれた。その年の春に高校へ進学するも、相変わらず英語をはじめどの科目の勉強も今一つでどうしたらよいのか自分でも本当によく分からず苦しんでいたが、たまたま、吉祥寺の東急百貨店上階の紀伊國屋書店の洋書売り場でミヒャエル・エンデの『ネバーエンディング・ストーリー』の英語版ペーパーバック(映画からの場面の画像が表紙になっていた)を見付け、勉強のお守りとしたくて思わず購入。その後ももがきあがき苦しみかなしみ紆余曲折あり、大学受験直前期になってからの強烈な記憶のひとつは、勉強の〈ながら〉で聞いていたラジオの映画音楽リクエスト番組へひそかにハガキを書いて〈自分に前へ進む勇気を奮い起こしてくれる『バスチアンの飛行』〉をリクエストしたのを、折悪しく帰宅途中にカーラジオをつけていた父に聴かれ、帰宅した父から居間へ呼ばれて〈勉強に集中しないで何をやってるんだ。もっと真剣になれ〉と大雷を落とされたことだ。今ではあのときの父の気持ちがよく分かる気がする。閑話休題。
ペーターゼン監督、素晴らしい作品をありがとうございました。R.I.P.
ゆつくりと堅き足音近付きぬ ドア外にこぼるる靴からの水
ドア外の男は〈西冷印社〉名乗りぬ 〈夜中三時の品物届け〉と
わたくしと〈西冷印社〉とに取引きはなし 薄暗き部屋に帳簿開けば
ゆつくりと堅き溜め息吐き出されぬ ドア外に残る靴形の水
ゆふぐれの僧よりすすめられし経文はドア内側に墨くろぐろと
辞書二冊据ゑし机に帳簿置く 台所に水注ぎてグラス飲み干す
どこの河を渡つてきた靴か知つてゐる あの靴形の水の来歴
階段の途中に眠る黒猫は朝陽に目開きにやあと鳴きぬ その朝も
堅き足音みだれ床踏む幻聴のしばらくありき 寝床に掴む聖書
昼の視力まぶしむしばし 黒猫はにやあとわたくしにすり寄つてくる
そのなかの6首を、こんかい真中さんが歌誌『塔』8月号の選歌欄の鍵外優秀作品に選んで掲載してくださった。ありがとうございました。私のうたが鍵外掲載作品に選ばれるなんて、謙遜でも何でもなく、真夏に雪が降るくらいに本当に珍しい事で、おもわず記念に写真を一枚撮影してみました。今後への励みになります。ありがとうございました。まだまだ頑張ります。