カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

昨夜。

2012-10-31 17:08:24 | Weblog
 昨夜は、文京シビックホールの『アジア音楽祭2012』~オーケストラコンサート《指揮者は作曲家Ⅲ》~を聴かせて頂きました。心が洗われ、また、すごく楽しかったです。有難うございました。



<プログラム>(敬称略)



司会進行:松下功((社)日本作曲家協議会・会長)


川島素晴: Dual Personality I
cond.:川島素晴
perc.:神田佳子



独奏者は「二重人格」の2つの性格を象徴的に表現するマリンバとドラを交互に演奏し、オーケストラはマリンバに従う高音域(「深くて濃い森林地帯の植生のありよう」が想像されるような音楽)とドラの配下となる低音域(ドラゴンや恐竜たちが吠えまくったり跋扈したりする場面が目に浮かんでくるような音楽)の二群に分かれて配置され、2つの「人格」が撹拌されて統合されるまでが、変拍子が連続して激しい盛り上がりを見せる音楽によって描かれていて、ダイナミックな音響の変容が非常に面白かったです。




西田直嗣:ピアノと管弦楽のための「女の樹海」
cond.:西田直嗣
piano:西尾杏子



タイトルは芥川龍之介の『トロッコ』から着想されたそうです。女の樹海を彷徨い続けなければ生きて行かれない男の暗い情念が、これでもかこれでもかとどこまでもしつこく粘着的に展開してゆく様子を音楽で表したらこうなるのかなと思いました。面白かったですが、音楽は少々難解でした。




四反田素幸:カラヴィンカ~二十絃箏とオーケストラのためのジャポニスム的素描
cond.:四反田素幸
二十絃箏:吉村七重



コンサートの帰り道で思わず鼻歌にしてうたいたくなるような、心の琴線に触れてくる魅力的なフレーズ満載のまことに美しい楽曲で、胸を打たれました。




譚盾(タン・ドゥン):インターネットシンフォニー第1番“Eroica” (日本初演)
cond.:山本純ノ介



これも「鼻歌」したくなった作品でした。エネルギッシュかつ遊び心満載で、聴衆の耳に残る楽しいフレーズ満載の面白い作品でした。


嶋津武仁:風のごとくⅡ
cond.:嶋津武仁



美しい淡彩画のようなふしぎな味わいのなか、合間にシューベルトの「未完成」やベートーヴェンの「運命」からの引用が聞こえたり、ホルンの特殊奏法による「風のような響き」が出てきたり、と非常に印象深くて面白い楽曲だと思いました。




柳田孝義:雅歌(みやびうた)~二十絃箏とオーケストラのための
cond.:柳田孝義
二十絃箏:吉村七重



武満サウンドのことをところどころで思い出しました。まことに美しい作品で、心が洗われました。




管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

音響:有馬純寿



 ご関係のみなさま、楽しい素晴らしいコンサートを聴かせて頂き、有難うございました。
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不思議な懐かしさ。

2012-10-31 07:25:10 | Weblog

 脈絡のないメモです。


 こちらは不思議に懐かしい感じのする作品です。


スターシード(動画)
http://www.youtube.com/watch?v=hDz08GBMPmM&feature=player_embedded

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ヒロシマ・声なき声

2012-10-29 17:10:53 | Weblog

土曜日の晩、都合がつけば仕事の後で生の演奏を聞きに行きたかったのですが、あいにく都合が合わず。


細川俊夫作曲:
独唱、語り、混声合唱、テープ、オーケストラのためのオラトリオ《ヒロシマ・声なき声》


http://www.schottjapan.com/news/2008/080806_164454.html


なので、CD申し込みを。

 

今からたのしみです。

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パイプオルガン

2012-10-28 05:23:12 | Weblog
日曜早朝4時台にラジオをつけるとゴールドベルク変奏曲をパイプオルガンでやっていました。すごく面白くて聞き惚れました。#TOKYO FM。つづけて5時台のラジオ、寺島実郎氏の話の出だし。「これからの日本は政治で飯を食べるひとたちを減らしていかなければ国が立ちいかなくなる。」と。古本屋で手に入れた上田さんの『短歌一生』(講談社学術文庫)と北さんの『楡家の人びと』(新潮文庫)をぱらぱら読みながら聴いています。
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短歌メモから。

2012-10-26 07:48:36 | Weblog

短歌メモから、です。。。



赤色灯つけその夜も警備車(くるま)はしづもりてをり路地奥に棲むらし蟲は妻子と

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memo

2012-10-25 07:49:41 | Weblog

考えさせられます。。。


深沢明人氏による記事
「私が旧宮家の皇籍復帰に賛同できない理由」


上編
http://blogos.com/article/48805/


中編
http://blogos.com/article/48915/


下編
http://blogos.com/article/49011/

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呼吸。

2012-10-24 14:34:53 | Weblog
ある指揮者がタクトから素晴らしい魅力的な音楽をいつもいつも紡げているとしたら、その秘密は<呼吸>にあるらしいと言われます。同じように、ある歌人の短歌作品が読み手をぐいぐい引き付けているとしたら、その秘密はその歌人の<呼吸>にあるのではないかと思っています。本郷短歌会の安田百合絵さんは、私がいま、歌集の形でまとめてお作をぜひ拝見したいと思っている歌人のおひとりです。以下は安田さんの魅力的な短歌作品からいくつか。<水鏡のぞくかなしみ凝らせてしづかに箸でほぐす 召しませ>、<箱舟に乗せられざりし生きものの記憶を雨の夜は運び来>、<眼つむらぬうをの眠りに溶けながら鱗は銀の花びらとなる>、<夕風が窓から窓へ通りゆく淡さにひとひ終へてしまひぬ>、<花ひらくやうに心は開かねど卓にほつとり照るラ・フランス>。
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立花屋の出だし。

2012-10-24 12:39:26 | Weblog
そこは 山の麓に拓けた海沿いの町である。鉄道駅は隣町にあるため、バスターミナルに隣接した港の市場が町の賑わいの中心であり、港の入口から大通りが一本、町役場まで伸びている。その大通りを一本横にずれた坂道は鳥居坂と町の人々から呼ばれている。その昔、船団を組んでその町にやってきた神々が港で船を下りるとその坂を駆け上がっていったと伝えられており、いまでも鳥居坂周辺は鬱蒼と生い茂る古木たちが囲んでいて、不思議な神気を漂わせている。その鳥居坂の中ほど、左手に木の地肌そのままに組まれ建てられた古びた鳥居がある。そこを潜って奥へ進めば、その昔は宿坊だったという、瀟洒な二階家の『料理旅館立花屋』がひっそりと建っている。
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文章読本

2012-10-22 07:17:12 | Weblog
昨夜は久しぶりについ先頃亡くなられた丸谷さんの『文章読本』(中公文庫)をしんみり開いた。文章読本は何よりも文例が便利で好きだ。説明書き云々よりも目利きの諸家が引いてくる文例に惹かれて中学の頃にしばしば読んだ。谷崎さん、川端さん、三島さん、井上ひさしさん、丸谷さんらが引いてきた文例を眺めてぼそぼそと口に出して読むだけでこちらの霊感は頻頻と刺激される。だから、中学の頃は、小説や詩や戯曲を書こうと原稿用紙を広げた机の前に端座して、文章読本の名だたるひとたちによる文例をよく見ていた。そんなことをなんとなく思い出した。
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加藤克巳短歌集成

2012-10-20 21:17:18 | Weblog

今日は仕事のあと、愛車のペダル漕いで久々に新井薬師近くのかかりつけ歯科クリニックへ向かう。途中、古書店街の平野書店に寄り道して短歌コーナーを覗き、ずっと欲しかった自署入り『加藤克巳短歌集成』(千頁近くある大冊です)をえいやっと購入。
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