カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

短歌メモから。

2021-03-31 17:07:38 | Weblog

短歌メモから。

喉の奥に地球はあつた。空になつた珈琲茶碗覗いてゐるヘッドライト

古墳の上に枝を伸ばしてゐる桜、桜。古代の首長の魂(たま)鎮める踊り、祈り

信号機の上に熱帯の鳥止まる。くちばしにお墓の花を咥へて

孤高とふ支那そば屋の前に並びをり。いつ開かれるかわからぬ無名のシャッター

無名のシャッターに店の名前は一切なし。並びをる人らは黙つて並ぶ

どこで珈琲豆に地球が混ざつたのか。わかりませんねと店主首ひねる

スエズ運河のニュースを聴きながら三島の『午後の曳航』に右手を載せる

喉の違和感の原因たる地球を砕く薬を処方されぬ。お昼の三時

地球を砕いたらどうなるのでせうか。一気に楽になるのでせうか

一気に、一気に物事は進むでせう。あなたにその気が本当にあつたら


祈りへの序章。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

午後の曳航。

2021-03-30 07:38:52 | Weblog
今朝は、目が覚めると、哀しげなオーケストラのメロディが胸の奥で鳴っているようで、取り敢えずメモしてみた。これから仕事。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

77年前。

2021-03-29 02:59:10 | Weblog

父方祖父の位牌には、昭和19年3月29日午後7時40分没とあります。享年38歳。昭和6年に阪大を出て、産婦人科や外科の医者をしていました。満州国東満総省牡丹江市北区東聖林街にあった病院で、肺結核と腸チフスの合併症で亡くなったようです。

満州国東満総省牡丹江東聖林街にわが祖父果てつ


今朝聴こえてきたオーケストラ。取り敢えずメモしてみた次第。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アンダンテ。

2021-03-27 05:04:28 | Weblog

今朝は、目が覚めると、ヴァイオリン協奏曲が胸の奥で鳴っているようで、取り敢えずメモしてみた。
昨日は、ペダル遠乗りして、『憧れのハワイ航路』などの作曲家江口夜詩さんが1978年に逝去されるまで暮らされた狛江市岩戸南の旧居跡へ。今はアパート。近くの川岸の桜も。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

何度でも。

2021-03-26 05:39:46 | Weblog
何度でも表現してみたくなるモチーフがある。


『たいへんな災厄のなか』


国境警備隊から〈国籍不明の武装ブルドーザーが何台も国境線を突破してブルネグロの町へ向かつてゐる〉と報告を受けたブルネグロ飛行男爵は、〈想像力は死んだ。想像せよ。〉と呟いて、白鳥のやうに両手を広げて寝床に仰向けに寝転がつた。そして、その年、大変な災厄が起こつた。生き残つたひとびとは暫くの間、地下での生活を余儀なくされた。


ブルネグロの城地下深き湖にあり打ち捨てられたる貸しボート乗り場

そのひとをかあさんと呼ぶ不思議。湖の駅に汽車は来てゐて

お別れのときが来てゐますと後ろから声せり知つてゐましたよ慥(たし)かに

赤き布に包(くる)まれて弁当箱は僕の手のなか揺すれば焼売(シューマイ)と焼き銀杏鳴りぬ

ぶつぶつと声だし本を読む人なり隣席(となり)の青き鞄の主は

「時刻表通りじや」とぽつつり独りごつ水売り老婆の虹色グラス

湖の駅のホームの突端に立ち尽くしかあさんは手を振り続けたり

地下照らす灯りは青くあをく光る虫たちの羽でできてゐました

湖の駅のホームを吹いてゆく優しき風よ忍ばせ歩(あり)く軽き足音

ランタンを持ちてゆつくり歩み来る王女の胸元(むね)の青きペンダント

ホーム椅子に腰を下ろして王女ひとり手組みて一心に祈りはじめぬ

ひとしきり祈りて王女は顔上げてランタンの灯をしづかに見てゐた

水仙の香と夕べの鐘音かそかに立ちぬランタン持ちて帰つてゆく王女

階段口の扉(と)辺りの空気ふはり揺れて閉められたあとのしづもり

はつかばかりのあをき光に照らされてお城の地下に深まるしづもり
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今宵の神奈川フィルの協奏曲三題。

2021-03-26 05:04:30 | Weblog

記事メモ。。今宵のラジオ:ベストオブクラシック ▽シリーズ・オーケストラ・ジャパン(神奈川フィル)
[NHKFM] 2021年03月26日 午後7:30 ~ 午後9:10 (100分)

▽シリーズ・オーケストラ・ジャパン 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

出演者
田中奈緒子,管弦楽団…神奈川フィルハーモニー管弦楽団,フルート奏者…上野星矢,バイオリン奏者…石田泰尚,バイオリン奏者…ドゥビー・エルリー,指揮者…川瀬賢太郎,外山雄三

楽曲
「フルート協奏曲 作品30b」
尾高尚忠:作曲
(フルート)上野星矢、(管弦楽)神奈川フィルハーモニー管弦楽団、(指揮)川瀬賢太郎
(16分31秒)
~2021年2月6日 相模女子大学グリーンホール~

「バイオリン協奏曲 ニ長調」
ウィントン・マルサリス:作曲
(バイオリン)石田泰尚、(管弦楽)神奈川フィルハーモニー管弦楽団、(指揮)川瀬賢太郎
(43分13秒)
~2021年2月6日 相模女子大学グリーンホール~

「バイオリン協奏曲」
三善晃:作曲
(バイオリン)ドゥビー・エルリー、(管弦楽)神奈川フィルハーモニー管弦楽団、(指揮)外山雄三
(27分08秒)
<ナミ・レコード WWCC-7274>


ジャズ・トランペットの巨匠、ウィントン・マルサリス初のクラシック作品『バイオリン協奏曲ニ長調』とは。。。

第62回グラミー賞 受賞!
「Best Classical Instrumental Solo」

この協奏曲は、スコットランド出身のヴァイオリニスト、二コラ・ベネデッティのために書かれ、2015年11月にロンドン交響楽団の演奏で初演。ラプソディ、ロンド・ブルレスケ、ブルース、フーテナニーの4つの楽章から成り、演奏に40分以上を要する大作。ジャズやケルトの要素がふんだんに盛り込まれており、観客参加型のコンサートを意味する最後の楽章「フーテナニー」では、ソロとオーケストラがにぎやかな音楽を奏でる。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一昨日。

2021-03-25 04:47:22 | Weblog
今朝、一昨日が29回忌だったのか、と唐突に思い出した。1993年3月23日、作家芹澤光治良先生がご逝去された日だ。


以下は、芹澤先生晩年の神シリーズ(新潮社刊)から。

「文学は物言わぬ 神の意思に 言葉を与えることである」
 あれは昭和四十五年の六月のことだった。心友の岡野君が、故郷の海浜の松林に、僕の名を冠した立派な文学館を建設した。その後間もなく、文学館で、僕に関する五葉の絵ハガキをつくって、一組にして参館者に配付した。その一葉に、当時の僕の写真の下に、巻頭の詞を添えた絵ハガキがあった。
 初めてこれを見た時、当惑のあまり、予め相談してくれたら、これだけは賛成しなかったのにと、思ったが。気恥ずかしくもあったが、そればかりではない。その詞が僕の文学の本質を表わしているようで、一体、長い作家生活の間に、どこでこの詞を書いたか、どう考えても、思い出せなかった。
 誰かに頼まれた色紙に、うっかり気安く書くような詞ではないがと、想いにふけっていると、こんな場合よく現れる森次郎が、突然話しかけた。
 気にしないで……それ、きっと岡野氏が君の文学精神を全作品から要約した詞だよ。さすがに岡野氏の名文句だと感心したくらいだからな。
 岡野さんは誠実で、しかも聡明で、気配りする仁だから、ご自分で考えた詞を黙ってこのように使う人ではないよ。(後略)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

別宮先生の夢。

2021-03-23 06:14:22 | Weblog
夢を見た。そこは、どこかの古いお寺の広い講堂みたいな教室だった。どういうわけだか後れて教室後方にそっと入った私は、席に座ると周章ててノートをとりだした。教壇には、作曲家の別宮貞雄先生がいらして、お話しをされていた。先生の後ろの大きな黒板には、先生の新作として、〈『交響曲第六番』『交響曲第七番』〉と並べて書かれてあった。そして、それぞれの下に初演された指揮者、オーケストラ、独奏弦楽器奏者のお名前があった。オーケストラと独奏弦楽器奏者の方のお名前は初めて見るものだったが、指揮者のところには〈若杉弘〉とあって、ほお、と思った。先生はさらに、〈いま私は、文字と発音に関心を持っております。〉と話されて、不思議な漢字のような文字と発音を表すローマ字を次々に黒板へ書いていかれた。。という夢を見た。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リヒャルト・シュトラウスとブラームス。

2021-03-22 05:42:03 | Weblog

朝、目が覚めて、以前にラジオ放送された際に録音した、2019年10月11日ドイツのバイエルン州都ミュンヘンのヘラクレスザールで行われたマリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団の演奏会をしみじみと聴いた。マリス・ヤンソンスは2019年11月30日に心臓発作のために亡くなっているので、その死の1ヶ月半前の演奏とのこと。プログラムは、リヒャルト・シュトラウス:歌劇「インテルメッツォ」から4つの交響的間奏曲 Op.72と、リヒャルト・シュトラウスのオーケストラ伴奏歌曲のいくつか、そして、ブラームス:交響曲第4番ホ短調。リヒャルト・シュトラウスとブラームスは繋がりが深い。1885年10月25日、ブラームスの交響曲第4番ホ短調がブラームス自身の指揮、マイニンゲン宮廷管弦楽団によって初演された際、当時マイニンゲン宮廷管弦楽団指揮者ビューローの助手を務めていた若きリヒャルト・シュトラウスは、この演奏会に自身も参加し、「ブラームスが指揮、ビューローが大太鼓、私(リヒャルト・シュトラウス)はトライアングルを担当していた。」と手紙に書き残している由。

管弦楽のための『朝の鏡に』。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

そして、また。

2021-03-21 03:57:42 | Weblog

ふと目が覚めると腕時計の日付が変わっていた。外の雨音が聞こえて来はしまいかと耳を澄ますも、それらしき音はなくて、スマホの雨雲レーダーを開いて見ると、強い雨雲は西側の隣県辺りにまだあるようだったから、朝雨小降りのうちに仕事場へ着くようにするには、と逆算して思い描いた。そして、また目を瞑った。

管弦楽のための憧れ。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする