木曜日の夜、〈高校恩師の小峰先生と新宿高校うた部のみなさま〉のコンサートを杉並公会堂で聴かせて頂きました。四部構成の分厚いプログラムで、トリは、名曲『水のいのち』(高野喜久雄/詩、高田三郎/曲)。『水のいのち』はこれまで何回かレコードで聴いていますが、今回の演奏に触れて、やはり生演奏がいちばんと思いました。本当に素晴らしくて感動しました。そればかりでなくて、どの曲の演奏も良かったです。心が洗われました!みなさま、ありがとうございました!
昼御飯のあと、堂園昌彦歌集『やがて秋茄子へと到る』(港の人)を開いたら、p88の〈草原に愛を返せばどこまでも広く悲しい春雨が来る 堂園昌彦〉が目に飛び込んできた。頭のなかでひとりの女の子のひとつの物語がゆっくりと展(ひら)かれてゆく気がした。
草原愛。女の子の名前である。
草原愛。女の子の名前である。
むかし、前登志夫氏の年譜の若い頃に「詩集〈宇宙駅〉を刊行」の一行を見て以来、しづかで力強い〈宇宙駅〉の語に魅了され、何年も前に到頭〈宇宙駅のしづかなる朝のパン売りはイワシサンドをひとり食(は)みをり〉という短歌をつくったことがあるが、それはさておき。今日、『攝津幸彦選集』(邑書林)を開いて、攝津さんの〈宇宙駅〉に出会い、ドキリとした。
ひんやりとしゅりんと朱夏の宇宙駅 攝津幸彦
この宇宙駅も、なかなかいいですね。
今日、もろもろ意地を張ることを止めた。しごとの帰り、夕方、ジュンク堂書店池袋本店に立ち寄り、堂園昌彦歌集と攝津幸彦選集(邑書林)の二冊を購入。佳いものは佳い、悪いものは悪い、で潔く生きていかないと、この世というものはなかなか生きづらいことに最近漸く気が付いた。攝津幸彦選集のことは、昼間、こちらがしごとをしているときにジュンク堂書店のご担当のTさんがわざわざ電話で入荷を連絡してくださった。〈攝津幸彦選集、入荷しました。この間の話し通り、攝津さんの世界は本当に面白いですね。オススメです。ぜひ!〉とのこと。楽しみです。
この夜半に開いた藤田千鶴さんの第二歌集『白へ』(ふらんす堂)より、p34の一首。
門灯の下には月見草が咲き雀が揺らしたあとの静けさ 藤田千鶴
不思議なしづもり感に満ちた一幅の見事な絵画が胸に浮かびます。例えば、バルトーク・ベラの〈夜の音楽〉がどこからか聴こえてくる、人の掃けた夜の美術館。
門灯の下には月見草が咲き雀が揺らしたあとの静けさ 藤田千鶴
不思議なしづもり感に満ちた一幅の見事な絵画が胸に浮かびます。例えば、バルトーク・ベラの〈夜の音楽〉がどこからか聴こえてくる、人の掃けた夜の美術館。
メモです。。。
俳句を書く側にとって何よりも嬉しく思うことのひとつに、書かれた作品が自分の思い通りに読み手の感性の回路にすっぽりと嵌るということがある。書き手がその個別の俳句形式の回路に言葉を当たらせた瞬間の時空を読み手との間に共有出来た時と言ってもよい。攝津幸彦・〈句集『陸々集』あとがき〉より。
俳句を書く側にとって何よりも嬉しく思うことのひとつに、書かれた作品が自分の思い通りに読み手の感性の回路にすっぽりと嵌るということがある。書き手がその個別の俳句形式の回路に言葉を当たらせた瞬間の時空を読み手との間に共有出来た時と言ってもよい。攝津幸彦・〈句集『陸々集』あとがき〉より。
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千石緑地の近くのお茶葉販売兼洋菓子製造販売店・香風園。いまは洋菓子製造3代目のご主人がやっていらっしゃる。もともとはお茶の販売を商っていたが、3代前のご主人のときに洋菓子づくりに目覚め、今のお店の形になったそう。優しい味わいの美味しいケーキが特色。
夢にどんな助詞を附けるかでつぎの展開が変わってくる。これは夢を見た話。今朝、塔短歌会の永田和宏主宰が夢に現れて、〈事実をそのまま皿にのせて詠んだ短歌はつまらない。素材をいかに独創的で美味しい面白い料理(フィクション)に仕上げるかが大切〉と熱っぽく僕に言われた。昨日の朝に見た夢は、分厚い短歌評論を誰かから〈ちょっと中をご覧になってみてくださいな〉と手渡されて、パラパラすると、見たことのない僕の名前の署名された短歌作品がどういうわけだかたくさん引かれていた。起きたときにメモしようと何首か覚えたつもりだったが、いざ起きたらすっかり忘れていた。。