![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/f0/fe136980de1c2a1bb1658adb49144355.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/5c/fa5604a27e6151a73da23444e85864fd.jpg)
ゲロルシュタイナー。ドイツの天然炭酸水。ドイツ西部、アイフェル高地にあるゲロルシュタインで採水された名水。このごろは、機会があればゲロルシュタイナーばかり飲んでいます。とにかく美味しくてなりません。なんといいますか、この水の味が不思議なほど妙にじんわりと懐かしいんです。でも、私はドイツにこれまで一度として出掛けたことがありません。だから、なぜこれほどドイツの水が私の舌にしっくり来るのかその理由がよくわかりません。まことに不思議です。
この作品は、本所真っ暗町の妖怪長屋を舞台に繰り広げられる壮大で胸がわくわくする物語のはじまりである。これまで歴史もの、とくに室町物の優れた短編小説をいくつも書かれた朝松健氏だが、本作においてもその練達の筆や語り口はなお一層冴えわたり、さまざまな歴史的事実や事件を単なる披瀝や羅列に終わらせることなく、それらを複層的に重ね合わせからませ氏一流の味付けを施すことによって、江戸時代の市井の妖怪や人々の息遣いを見事にユーモラスに描き出すことに成功している。だから、読み手は本作を手に取るや一気に読み進めずにはおられないのである。現代の閉塞きわまりない時代に、かような胸のすくような小説が待たれていた。痛快なる傑作シリーズの誕生を心から喜びたい。続編が今から楽しみだ。