ヴァイオリンの奏でる子守唄が夢のなかで流れているなか目覚めた京都の宿の朝。今日は、少し用事をして、昼間の飛行機で帰京する予定。昨日は、バスに揺られて二時間ほどのところの、父方祖父の父方の本家をお訪ねし、一族の墓地にお参り。帰りのバスまで少し時間に余裕があったので、本家近くの〈らんとう〉という祠にまつられている、鎌倉時代に生きたという一族の初代のひととその奥さんの墓石や、漢方医だった高祖父が診療所をやっていたという本家近くの家の跡にも案内して頂きました。自分の命が昔のひとたちから〈バトンリレー〉されてきたことをあらためて強く感じさせられた、濃い一日でした。
昨晩。しごとのあと。いつものデパ地下へ赴き墓参り旅に持っていく差し上げ用和菓子を調達。昔は大好きな松江風流堂さんで季節の絶品な和菓子を頂いていたも残念ながらお店撤退してしまい、今はこれも好きな叶匠壽庵さんでこちらの名物あもなどを。帰宅して、以前にラジオから録音したネヴィル・マリナーさん指揮N響によるブラームスの〈交響曲第1番〉を聴きながら最近の全国時刻表をぱらぱらぱらぱら。いよいよ寝ようかというとき不意に〈そうだ、今日は木曜だった〉と思い出し、下駄を突っ掛けて近くのなじみのコンビニへ。お目当ては漫画誌『モーニング』(講談社)の連載作品掉尾、あらゐけいいち先生の〈CITY 〉の立ち読み。〈CITY 〉は本当に素晴らしいなあといつも思います。いつかこんな雰囲気の短歌連作を作れたら、と夢見ています。
不意に覚醒。夢から覚めてもまだなお不思議なオーケストラの優しい〈音楽〉が頭のなかで鳴り続けるふしぎな夜更けだった。取り敢えずそのmelodyをメモしておこうとゆっくりノートに手を伸ばしながら時計を見たらちょうど星野源氏のラジオ番組をやっている時間帯だったのでラジオを点けた。イヤホンからサザンの〈真夏の果実〉が流れ出す。緩くて優しいラ・レ・ミ・ソ・ファ(#)・ミ・レの出てくる前奏が好きである。心が洗われる。あ、と思ったら先程までの〈音楽〉は逃げてしまっていた。せっかく起きたので紙とペンを前に〈ブルネグロ〉方向に意識を集中するも、結局、この〈国〉のいまの状況に対するブルネグロの反応の様子などなにも見えてこなかった。休日の今日は、亀山郁夫氏の『新カラマーゾフの兄弟』(河出書房新社)を開く予定。
昨晩。墓参り旅のことを考えた。島の港で自転車を借りるのもよいが意外となかなかよい値がするので、ほかになにか良い手はないだろうかとうろうろ思案。そうだ、朝、高松駅前で自転車を借りてフェリーに乗っていけば借り賃1日200円で済む、と思い付くも、生憎、当日の朝高松港に着いて乗船できるのが高速船の出発前のタイミング。フェリーまで待つと時間をかなりロスしてしまう。時間を無駄にできないので、今回もやはり島の港の自転車かな、と思い始めている今朝。
毎夏四国関西方面の田舎の父方先祖墓へお参りに出掛ける。一方で関東郊外のちょっと交通不便なところにある母方先祖墓へは赤ん坊時代以来お参りしたことがなかった。それがずっと気になっていたところ、最近とんとんとんと全てが調って念願叶ってお参りに伺えることになった。目下そんなこんなの準備でばたばたしているのだけれども、それ以外にもいろんなことがあってさまざまな用事を済ませなくてはならず、まもなく締め切りの月例の短歌詠草十首作りも思わず忘れてしまいそうなこの頃。昨晩は、しごとから戻ると、我が家のポストに、ジュンク堂さんからの歌誌『塔』追加納品分の〈納品受領書〉と、大地たかこさんの美しい第2歌集。ジュンク堂さんの件、聊か心配していたので一安心。また、大地さん、ご本ありがとうございました。たのしみに拝見させて頂きます。
先日の又吉さんの『劇場』を立ち読みしていたときから聴こえてくるようになった〈モーツァルト風〉のオーケストラは、今朝は〈ピアノコンチェルト〉の形をかなりはっきりさせて胸のなかでやはりずっと鳴っています。
今日は、川畔の歌会。楽しみです。