子守唄の13小節目、大事なフェルマータが足りなかったと気付き、周章てて書き足した今朝も年賀状書き。
今年もあとわずかとなりました。
みなさま、この一年もありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
どうぞよいお年をお迎えください。
アスファルトに蝋石で描かれし〈春の預言〉 夕つ方の子犬が覗き込みをり 壽
昨日は、モーリス・ラヴェルの80回目の命日だった由。
ラヴェルの作品は以前からどれも好きですが、最近は、なかでもとりわけピアノ三重奏曲に惹かれています。
生きているからこそうたうのだとおもう 地球という大きな舞台の上で 萩原慎一郎
寒夜を走るランナーとすれ違いたるぼくは自転車漕いでいるのだ 萩原慎一郎
難解の森のなかへと迷い込むごとき錯覚 マラルメを読む 萩原慎一郎
読書とは対話することだと書きし『方法序説』デカルトを読む 萩原慎一郎
2017年1月18日朝日新聞掲載、『模索の果て』より。
昨晩聴かせて頂いた澤先生門下のみなさまによるフレッシュコンサート。ブラームスの弦楽六重奏曲第一番、メンデルスゾーンの弦楽八重奏曲、ラターの弦楽のための組曲、エルガーの序奏とアレグロ、アンコール・シベリウスのアンダンテ・フェスティーヴォ。どれも大変素晴らしくてよかったけれども、一番こころに染みたのはシベリウスでした。ありがとうございました！
今日、びっくりしたことのひとつ。歌人萩原慎一郎氏が今年の６月８日に３２歳の若さで急逝されていたという。知らなかった。河野裕子先生ご健在の頃、たしか塔のネット歌会でご一緒していて、だから、一時期塔にいらしたことがあったと勝手に思っていたが それは勘違いだったようだ。三枝先生のりとむにいらした由。今日、角川書店の流した萩原氏第一歌集広告ツイートで、その死を知り、とにかく驚いた。萩原氏の作品から３首引かせていただきます。合掌
どっかーんと爆発をしたそのあとじゃ遅いのだけど再稼働する 萩原慎一郎
天丼を食べているのだ 愛しても愛しても愛届くことなく 萩原慎一郎
ああ空はこんなに青いというのに誰か殺されている世界だよ 萩原慎一郎
今日は、夜、トリフォニーホールで上智大学管弦楽団演奏会を聴かせて頂く予定です。すごく楽しみです。そして、空いた時間は、とにかく年賀状書き。
残照。
国会図書館デジタルコレクション所蔵の古写真の中にあった「松並権之丞（松濤権之丞泰明）」の正面向き写真。
こちらは晩年の前田斉泰さんの肖像。
これは松濤権之丞の実子泰近の肖像。
この三者がはたして本当に斉泰→泰明→泰近の三代つながりなのかどうかが目下の関心事。
今朝は、22日にあったNHK交響楽団第九演奏会のラジオ中継の録音を聴きながら、年賀状に記す短歌をあれやこれや考えている。そういえば、こんかい第九のソプラノソロを歌われた市原さんは高校生時分、その頃の私の住まい近くのコンビニでバイトをされていてよくお会いした。懐かしい。
有楽町スバル座でいま掛かっている大林監督の「花筐 HANAGATAMI」を、一昨日の晩しごとのあとに出掛けて鑑賞。監督一流の映像美、音楽美、言語美、メッセージ（〈ひとの本当の幸せとは？〉、〈戦争が廊下の奥に立つてゐた 渡辺白泉〉が象徴する戦前の空気感復活への危機感）にあふれた二時間五十分。すごく良かった。
とにかく戦争にしてはならないとの思いをあらためて痛切に感じた。
〈戦争が廊下の奥に立つてゐた 渡辺白泉〉
とにかく、戦争にしてはならない。
有楽町スバル座でいま掛かっている大林監督の「花筐 HANAGATAMI」を是非とも見に行きたいと思っている。うまいことなかなか時間が取れないけれども、なんとかして見に行きたい。
しごとのあと、取り敢えず用事を済ませる。お悔やみ状を書き、どこかの遠い星で誰かが弾いているラフマニノフ風なピアノ協奏曲の音楽に耳を澄ませる。
