カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

ありふれた中年、おそろしく太き鼻毛を抜き、思わず子らを呼ぶ。

2019-01-31 08:48:28 | Weblog
メモ。

小池光氏の第4歌集『草の庭』(1995年刊行)より。

雪やみし夕微光にてザゴルスク聖トロイツェ修道院の庭いかに  小池光

おそろしく太き鼻毛を抜きたるとこゑあげて庭の子供らを呼ぶ  小池光

ありふれし中年われは靴の紐ほどけしままに駅に来てをり  小池光
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藤野先生。

2019-01-29 11:35:45 | Weblog

〈藤野 恒三郎は、日本の医学者、細菌学者、医学史研究者。大阪大学名誉教授。神戸学院大学名誉教授。 1950年に集団食中毒の原因として腸炎ビブリオを発見した。適塾を主とした近代医学史の研究でも知られる。魯迅の恩師として知られる藤野厳九郎の甥。祖父藤野升八郎から三代続けての医家。〉とWikipedia記事にある。藤野恒三郎先生と祖父とは大学で同期だったらしい。祖父も医家三代目だったから、藤野先生とウマが合ったのかもしれない。祖父たちは未年の昭和六年に官立大阪医科大学(大阪帝国大学医学部の前身)を卒業したメンバー同士で同期会〈六羊会〉をつくり、定期的な集まりを持っていたそうで、そうした集まりに関する短信が同窓会誌に掲載されているのを吹田の医学部史料館で見せて頂いたことがある。

塔1月号のp107、永田先生の選歌後記欄に、竹内さんの一首とともに永田先生が綴られた文章を拝読して、かように藤野恒三郎先生と祖父のことを思い出した。

そういえば、奇しくも今日は、病から満州牡丹江で早死にした祖父の誕生日だ。


以下、竹内さんのお作と永田先生のご文章を、塔1月号から引かせて頂きます。。

終生を「惜別周君 藤野」とふ恩師の写真を手離さざりき  竹内真実子

 魯迅の本名、周樹人。仙台医学専門学校に留学したが、そこで出会った生涯の恩師藤野厳九郎との関わりを短編として書き残したのが『藤野先生』である。よく知られた話だが、その写真を目の当たりにしての感激だろう。
 実は私がむかし指導した大学院生に藤野さんという女性がいた。藤野先生の孫か曾孫だったと聞いて驚いたことがある。整形外科医で、小さな身体だったが、患者に馬乗りになって骨を鋸で切るんですなどと、あっけらかんと笑っているかわいい女性だった。(了)

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決めた。

2019-01-29 08:00:21 | Weblog
今朝、いつものクラシック音楽番組を聴こうとラジオを点けると、ピアノ、ドラム、ベースのたいへん心地好いインプロヴィゼイティヴなセッションの音楽が耳に飛び込んできた。これはいったい何の曲だろう、とラジオ番組表を覗くと、わかった。

「ピアノ協奏曲 ヘ調(2005年ライブ録音)」
ガーシュウィン作曲
(42分44秒)
(ピアノ)マーカス・ロバーツ
(ベース)ローランド・ゲリン
(ドラム)ジェイソン・マルサリス
(管弦楽)サイトウ・キネン・オーケストラ
(指揮)小澤征爾
<UNIVERSAL UCCP-1122>

というわけで、今朝はこれを第一楽章の途中から熱心に聴き始めることに決めた。
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余白。

2019-01-28 17:25:31 | Weblog

いちにち休みの今日は、ひるま、文月さんの短歌連作『余白の地へ』(2019年1月26日(土)東京新聞夕刊〈詩歌への招待〉)を胸に思い浮かべながら、メロディを考えていた。結局、ノートには何も書けなかった。塔のSさんにエッセイ〈私の塔の読み方〉草稿を送り、チェロ協奏曲のためのスケッチをすこしメモ。

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昨夜は。

2019-01-27 07:15:21 | Weblog

昨夜は、しごとから帰ってきて、ソヒエフ氏指揮N響演奏会のラジオ放送の予約録音を再生してなんべんも聴いた。一曲目は、リャードフの交響詩『バーバヤガー』。短い作品ながら、すこぶる面白い。そういえば、何年も前のサントリホールで初めて聴かせて頂いたソヒエフ氏指揮N響の演奏会のプログラム一曲目は、やはりリャードフの交響詩『魔法にかけられた湖』で、これも素晴らしい演奏だったことを思い出した。二曲目は、グリエールのハープ協奏曲。ソリストの方は初めて聴かせて頂いたが、素晴らしく巧くて凄かった。圧倒的な名演。というか、私が単に無知なだけだった、ということ。今はフリーになられているが、以前ウィーンフィルのソロハープ奏者として活躍された方とのこと。最後のベルリオーズの『イタリアのハロルド』もまことに素晴らしく佳かった。


心が洗われた。

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興味津々。

2019-01-26 07:39:21 | Weblog
しごとの前に今晩のNHKFMのN響演奏会を録音予約。プログラム中とりわけ、ソヒエフ氏がグリエールの美しい佳品『ハープ協奏曲変ホ長調作品74』をどう解釈されどう振られるかに興味津々。
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ブラームスのオペラ顛末。

2019-01-24 07:19:19 | Weblog
短歌メモなど。すこし推敲。

〈鳥の名〉で呼び交ふ焚き火まはりの群れ 斥候は岩陰にコーヒーすする

族長は王女を〈鳥の名〉で呼びつづける やさしく太きかなしみの声音で

〈復讐〉は果てなききらめき 族長は王女のあたまを撫でつづけたり

薄明にかそと焚き火は消えてゆく バッハのコラール唄ふ人びと

寝台のブラームスの寝醒めの頭(づ)のうちに〈族長〉語りぬ 王女の身の上のかなしき顛末

〈これはオペラだ〉とブラームスひとりごちぬ フンフンフフンと鼻歌をして

ブラームスのペンは机の上にあり 床には昨夜(よべ)の五線紙の数多(あまた)

森奥の青きポストのある辺りブラームスの傘はひらかれすすむ

出版社の玄関扉(げんかんと)を郵便夫は鳴らす 分厚きブラームスの草稿入り封筒

写譜屋の鵞ペンはブラームスのオペラ総譜作つてゆく 街の大火の二日前の夜
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1月号が着いた。

2019-01-22 21:21:21 | Weblog

しごと休みのいちにち、歌誌『塔』1月号をぱらぱら見ていた。拙作については、ページを開いている途中で偶々目に入って、ああ、そうだっけ、こういうのを出していたのだっけ、と思ったのみ。辺野古埋め立て問題にはもう少し違った詠み方があったなあと反省。


月集欄の進藤さんのお作から。


菫色と思いし空がたちまちにしっこくとなりともし火見ゆる  進藤多紀



新樹集下欄の吉川主宰の青蝉通信、今号は〈テスト問題の歌〉で、その文章の中に引かれていた一首に目が惹き付けられた。


問十二、夜空の青を微分せよ。街の明りは無視してもよい  川北天華(かわきたゆき)


なんと美しい一首だろう。ずっと胸のなかで口ずさんでいたくなる。

なんでも、後に京大理学部に進まれたという川北さんは、岡山操山高校時代の2009年にこの短歌を詠まれたらしい。他の作品を是非とも拝読したくなるような、この一首の魅力的な佇まいだ。

 

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塔1月号月集欄より。

2019-01-22 14:57:03 | Weblog

歌誌『塔』2019年1月号、月集欄より。

 

馬橇の荷台に子牛はうづくまり冴え冴えととほき星を見てゐし  岡部史

 

雨の日のタイヤにはかに太くなる轢きゆくことを際立たせつつ  梶原さい子


薄明にはたらく葉虫のように書く晩年の父の肉筆ありき  山下泉

 




惹かれます。

 

 

 

 

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記事メモ2つ。

2019-01-22 10:00:55 | Weblog

記事メモ。川島先生の〈アカデミズムの終焉〉。

https://ooipiano.exblog.jp/30060341/



記事メモ。久石譲ファンさんの〈久石さんの交響曲〉。

https://hibikihajime.com/disc/22101/

 

 

一条の光射して扉(と)は声たて笑ひをり ゲーテが最期に果てたる部屋に

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